追究

2025年06月04日

メディアプロデュース専攻 宮田ゼミ「演習Ⅰa」愛知の食とデザインプロジェクト 試験場のいちご農園見学会

2025年4月11日(金) 愛知県農業総合試験場

「愛知の食とデザイン」プロジェクトのキックオフとして、
愛知県農業総合試験場に訪問しました。

 宮田ゼミでは、グラフィックデザインを中心としたデザインを専門的に学びます。デザインは、単にものをつくるだけでなく、社会とつながっています。デザインによって、これまでになかった新たな価値を創造し、私たちの日々の生活をより豊かで幸せにするために、宮田ゼミではメディア社会におけるさまざまな問題に目を向け、デザインの力によってそれらの問題に新たな切り口を与え、解決のためのアイディアを考えていきます。
 その一環として、3年次のゼミでは、学外との共同プロジェクトに取り組んでいます。2025年度は愛知県農業総合試験場と共同して、いちごの新品種「愛きらり®️」の認知度を高めるためのデザインをテーマとして企画・制作と提案をおこないます。

 9月からの本格始動に先立ち、4月11日(金)にゼミ生たちが新品種「愛きらり®️」について知るため、愛知県農業総合試験場に足を運びました。
 試験場に到着した学生たちはまずは館内の会議室で「愛きらり®️」がどんな特徴を持つのかレクチャーを受けました。最初に、愛知県農業総合試験場で2015年から「愛きらり®️」の品種改良に従事してきた松浦さんが愛知県の農林水産業について説明。愛知県は農業水産業の産出量は全国7位と上位に位置し、イチゴの出荷量に関しては全国4位であり、県の野菜品目別産出量の約10%を占める重要な品目であると伝えると、学生たちは意外な事実を知り、興味を深めたようでした。

 次に、「愛きらり®️」の栽培指導をおこなっている藤原さんが「愛きらり®️」の特徴などについて説明しました。「愛きらり®️」は愛知県と愛知県経済農業共同組合連合会が共同育成した品種で2021年に品種登録出願しました。2022年には愛知県経済農業協同組合連合会が申請し、ブランド名「愛きらり®️」が商標登録されました。果皮に艶やかな光沢があり、糖度が安定しているのが特徴。生産者のメリットとして果実が大きくて果形も揃っているのでパック詰めしやすく、高単価で取り引きされる11月〜2月ごろまでの収穫量が多いなど優れた特徴があります。学生たちはこうした「愛きらり®️」の特徴だけでなく、10年に渡る長い歳月の間、交配を重ね、小さなタネを何万粒も採取した中から、「愛きらり®️」が誕生した経緯も知ることができました。

 館内でのレクチャーの後、学生たちは農場に足を運び、「愛きらり®️」が栽培されているハウスを訪問しました。イチゴの甘い香りが漂うハウスに入り、実際の「愛きらり®️」を目にした学生たち。「実際に他の品種と比べると果皮が赤いのが一目瞭然ですね!」「思ったよりも大きい!」などと「愛きらり®️」の特徴を実感。さらに試食してみると、甘さたっぷりで食べ応えのある食感に学生たちは感動!「美味しい!」「甘い!」とすっかり「愛きらり®️」のファンになったようでした。

 この後、9月の後期授業にて農業に関するレクチャーを受けて、いよいよ本格的にデザイン提案に取り組みます。今回、題材となる農作物を実際に見たことで学生たちにもイメージが膨らんだはず。9月までの間、スーパーマーケットなどの市場でどのような種類が販売されているか、またカフェやパティスリーでイチゴがどのように使われているかなど、今後のデザイン提案を意識して日々情報取集することが大切になります。

 愛知県農業総合試験場のみなさんも真剣にレクチャーを受ける学生たちの様子に感心し、これからの提案を楽しみにしている様子でした。