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学び・研究

VERTICAL REVIEW 2026

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VERTICAL REVIEW 2026

2026年9月5日(土) 長久手キャンパス 8号棟4階 製図室4A、プレゼンテーションルーム4A

多様な舞台で活躍する建築家2名による講演会を聴講した後、
学生が設計作品をプレゼンテーションし、講評をいただきました。

 建築学部では2026年9月5日(土)、近年さまざまな舞台で活躍する建築家・工藤浩平様と田代夢々様をお招きした講演会「VERTICAL REVIEW 2026」を開催しました。

 工藤様は2008年に東京電機大学 工学部 建築学科を卒業。2011年に東京藝術大学 大学院 美術研究科を修了し、建築を工学的・美術的観点の両軸から学ばれました。その後、建築家ユニット・SANAAのもとで勤務したのち、2017年に工藤浩平建築設計事務所を設立。出身地である秋田県と東京都を拠点に活動されています。2024年には合同会社Uを設立。秋田県羽後町で日本三大盆踊りのひとつ「西馬音内盆踊り」やお盆をテーマにした、泊まれる文化交流施設「盆宿U」の運営にも携わられています。

 講演では、180年の旧家をリノベーションして宿や蔵サウナへと生まれ変わらせた建築である盆宿Uをはじめ、自身が設計した事例を紹介。鹿児島県西之表市にある建造物有形文化財・旧上妻家住宅を歴史や郷土学習の場として設計したコンペティションで最優秀賞を獲得した事例や、現在進行中の石川県能登半島の震災復興プロジェクト「みんなの家~能登の現在と未来~」で考案中の仮設住宅の集会所、東京都・渋谷駅周辺の再開発などの事例を挙げられました。聴講した学生たちにとって、伝統文化、まちづくり、震災復興など、多様な社会の側面と接続しながら建築で何ができるかを考えられる貴重な機会となりました。

 田代様は2017年に早稲田大学 創造理工学部 建築学科を卒業後、パリ・ラ・ヴィレット建築大学およびAntonini Darmon Architects Parisを経て、2020年に早稲田大学 理工学術院 創造理工学研究科 建築学専攻を修了。その後3年間、レミングハウスにて建築家・中村好文氏に師事し、2022年に独立後、同年に日本国際博覧会の「トイレ8」を設計。2025年には「U-35 Architects exhibition」でゴールドメダル賞を受賞するなどの活躍を見せています。講演では、国士舘大学でレクチャーをした「あなたというプレゼンテーション」をもとに、プレゼンテーションのコツを学生たちに伝授。「せっかくいい提案であっても、プレゼンテーションで損をしている学生さんが多い」と述べ、プレゼンテーションの重要性について説かれました。「トイレ8」の設計にまつわる裏話をはじめ、東京都にある実家の学習塾をバーへリノベーションした設計事例、「U-35 Architects exhibition」で展示した模型が雑誌『VOGUE』で特集されたことなどを紹介。独立後、建築をどのように考え、どのような効果を生み出してきたのかをわかりやすく伝えました。田代様は、「プレゼンテーションの限られた時間のなかで、設計したものに凝縮した自身の経験、問題意識、魅力などを正しく伝えられるよう、今回の講義がみなさんにとって、自分を俯瞰して見られる機会となれたら嬉しい」と、本講演の思いを語りました。

 講演後は、建築学部 建築学科 建築・まちづくり専攻と住居・インテリアデザイン専攻、および創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻(※)で実施した設計系授業において特に優秀な作品を選抜し、学生がプレゼンテーション。工藤様・田代様より講評をいただきました。多様な視点から意見をいただき、学生たちはさまざまな気付きが得られたようです。講評を通じ、建築学部の2つの専攻で異なる特徴が見出され、「今後、専攻を横断し、融合した学びの機会を創出することで新たな建築の世界が見られそう。このような専攻形態は他の大学にはあまりないため、非常に楽しみです」と、工藤様と田代様より期待が寄せられました。

 プレゼンテーションと講評の後は、最優秀賞に加え、工藤様・田代様それぞれが個人賞を選出。最優秀賞には創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻(※)4年の大村果乃子さん、工藤様の個人賞には創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻(※)3年の児玉衣乃里さん、建築学部 建築学科 住居・インテリアデザイン専攻 2年の間瀬恵莉花さん、田代様の個人賞には創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻(※) 3年の谷口優凪さんの作品が選ばれました。4名には選考理由が伝えられ、工藤様と田代様より建築に関わる書籍が贈られました。最後に総評として、田代様は「みなさんの作品を見て、建築を学び始めた頃の気持ちを思い出しました。今ある純粋な興味関心を持ち続け、自分の内側から出てくる言葉で建築を語れるようになっていただけたらと思います」。工藤様は「今回優秀作品に選ばれなかった人も、今日この場所にいることがすごく大事。今日のことを糧にして、目標を持って今後も取り組んでいただきたい」と激励の言葉が送られました。

 学生たちは、業界の第一線で活躍されている建築家からのアドバイスを通して、自らの作品を客観的に振り返り、新たな課題や改善点を発見することができました。今回の経験を今後の学びに生かし、設計や制作に対する理解をさらに深めていくことが期待されます。

■最優秀賞学生コメント

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻(※) 4年 大村果乃子さん
発表テーマ 「日常の核となる小学校―交通動線を受け入れ地域と子どもを結ぶ―」

 「小学校の現代化プロジェクト」という設計課題に挑み、地域課題を未来へつなげていくという考えを評価いただけて嬉しかったです。さらに、「小学校だからこそ低学年から高学年の児童の体格差によるスケールの違いを捉えて、操作性のある建築を考えていけるとよりよくなる」と、自分で気づけなかった視点からアドバイスをいただき、今後の設計に活かせる貴重な気づきとなりました。今後の卒業制作では、講評でたびたび話に上がった「誰のための建築か」に重きを置いて取り組みたいと思います。

※2025年4月より、建築学部となりました。