
2026年9月3日(木) ウィルあいち
字幕翻訳同好会の学生が韓国映画の字幕翻訳に挑戦。
作品に込められた想いを観客に届ける貴重な経験となりました。
1996年に始まった「あいち国際女性映画祭」は、世界各国の女性監督による作品や女性に着目した作品を取り上げる祭典です。男女共同参画社会の実現に向け、女性の生き方や女性と男性の相互理解など、さまざまなテーマの作品を上映しています。今年は9月2日(水)~4日(金)にウィルあいちとミッドランドスクエアシネマで開催され、国内外の映画17作品が上映されました。
9月3日(木)にウィルあいちで上映された『済州に生きる(Sumbisori)』は、ソウルでの生活に行き詰まり、故郷・済州島へ戻った主人公の物語です。そこで再会したのは、生涯にわたり海女として生きてきた母や祖母。済州で過ごす中で、次第に自分らしくいられる場所を見つけた主人公は、母や祖母と同じように海女になることを決意します。しかし、母は娘が海女になることに大反対。なぜ母は娘の決意を受け入れられないのか、祖母・母・主人公、それぞれの世代が抱える葛藤と互いを思うがゆえのすれ違い、そして済州で海女としてたくましく生きる女性たちの姿が描かれています。
この作品の日本語字幕翻訳は、三重野聖愛先生の監修のもと、本学の「字幕翻訳同好会」に所属する学生と卒業生が手がけました。翻訳には33名が携わり、それぞれの技量に応じた分量を担当。秒数に対する字数の制限や情報の取捨選択に加え、方言や文化的背景、韓国独特の慣用句などにも注意を払い、また前後のストーリーを確認し、登場人物のキャラクターが自然に伝わる字幕をめざして取り組みました。

今回の字幕翻訳を振り返り、「海女が舟に乗って海に出るときに歌う民謡を翻訳するときは、日本の舟唄を参考にすると良いというアドバイスが勉強になりました」「見てくれるお客さんのことを一番に考え、字幕を見ただけでその世界観に入り込めるように意識しました」といった学生からの声が寄せられました。
また、字幕翻訳を経験したことで、「限られた文字数で翻訳する力がついた」「韓国語だけでなく、日本語の表現の幅も広げることができた」と成長を実感する学生の声もありました。さらに、「他人の翻訳を見て、自分の翻訳が分かりにくかったかもしれないと不安になりましたが、『自分にしか出せない翻訳だから、自信を持ってほしい』と先生に励ましてもらい、翻訳に少し自信がつきました」と、翻訳に対する手応えを感じた学生もいました。
上映当日、鑑賞した学生は「自分が字幕を担当したシーンを観て、とても感慨深い気持ちになりました」とコメント。上映後に開かれたトークイベントでは、観客から監督への質問が相次ぐとともに「感動した」といった感想も寄せられました。こうした観客の反応に触れることで、学生たちは、作品に込められた想いを自分たちの字幕を通して観客に届けることができたと実感。字幕制作の意義を改めて感じる、貴重な機会となりました。