医療貢献学科 言語聴覚学専攻

2020年度 進路決定者


愛知県厚生農業協同組合連合会 安城更生病院

岩城 星伽 さん
健康医療科学部 医療貢献学科 言語聴覚学専攻
愛知県立知立東高等学校 出身

言語聴覚士にとって大切なのは、専門知識・技術だけでなく、リハビリテーションを通じて築く患者さまとの信頼関係。

言語聴覚士として急性期病院で働き始めて2年、現在は主に、脳梗塞などで入院する患者さまに対して飲食物の飲み込みや言葉の機能に関するリハビリテーションをおこなっています。同じ疾患でも症状は患者さまによって異なります。嚥下・構音・高次脳機能に関する検査から、検査結果をふまえたリハビリテーションの計画、実施まで、患者さまと向き合い取り組んでいます。担当する患者さまの多くは、ご高齢で人生の大先輩。尊敬の心と相手の気持ちに寄り添った声かけを大切にして、信頼していただくことを第一としています。
その姿勢を学んだのが、在学中に経験した学内実習です。症例協力ボランティアの方に対して検査・訓練などを実際におこない、リハビリテーションに意欲的に取り組んでいただくには、安心感や前向きな気持ちを引き出すためのコミュニケーションが重要だと実感しました。 また、4年次の卒業論文では楽しみながら取り組める嚥下訓練を追究しようと考え、「棒付き飴を用いた口腔・嚥下機能訓練の効果」というテーマで執筆しました。身近なものを活用した舌や唇のトレーニングを検討し、高齢者の誤嚥予防につながる方法を考察。今でもより意欲的に取り組んでいただけるような工夫を考えていくことを大切にしています。
今後も向上心を持ち続けて、患者さまと信頼関係を築き「この人になら任せられる。頼ってみよう」と思っていただける言語聴覚士をめざし、努力を重ねていきます。

社会福祉法人 石川整肢学園 金沢こども医療福祉センター

田口 紗希 さん
健康医療科学部 医療貢献学科 言語聴覚学専攻
愛知県立名古屋西高等学校 出身

さまざまな経験を自信にかえて。言語聴覚士になる思いと向き合いながら過ごした4年間

言語聴覚士という職業を知ったのは高校生の時。愛知県内の大学で唯一1年次から資格取得に向けたカリキュラムが整っていたことに惹かれて本学へ進学しましたが、覚えるべき知識の広範さ、講義や実習の多さなど、想像を超える大変さに圧倒された4年間でした。学内実習で症例協力ボランティアのお子さまと上手く関われなかったり、レポートが再提出になったりした時は、自分は言語聴覚士に向いていないのではと悩みました。それでも、学外実習やボランティア経験を積み重ね、先輩方の話を聞くうちに言語聴覚士になるという気持ちは自然と固まっていきました。小児領域に進むと心が決まったのは、小児領域の療育医療センターでおこなった学外実習。子どもたち一人ひとりのリズムを大切に言葉がけをする言語訓練の様子にやりがいを感じ、もっと学びたいという思いを強くしました。まだまだ知識や技術は足りません。まずは言語聴覚士としてのスタートラインに立ち、少しでも快適なコミュニケーションが叶うよう、患者さまとそのご家族を支えていきたいです。

2015年度 進路決定者


名古屋第一赤十字病院

村瀬 完太 さん
健康医療科学部 医療貢献学科 言語聴覚学専攻 2015年度卒業
愛知県立旭野高等学校 出身

1年次から学内のクリニックで専門的に学ぶことができる環境に魅力を感じ、愛知淑徳大学に入学しました。学内実習では大学にお越しいただいた患者さんに検査をおこなわせていただいたり、それぞれの患者さんに適した訓練方法を学生同士で考えたりするといった経験を通して、多くの患者さんと接する機会を持つことができました。また学外実習では、患者さんに対して広い視野を持つことの大切さを実感しました。実習前は、患者さんの障害や検査結果を自身の知識に当てはめて、“この症状が出るということは、この障害に違いない”と画一的に考えがちでした。その結果、他の障害や症状を見落としてしまったこともあり、現在は障害や検査結果に囚われることなく、目の前の患者さんをよく観察、理解し、生活背景や性格まで考慮するようになりました。いま私は、急性期※の患者さんを対象とした病院に勤務し、検査や訓練をおこなっています。在学中の実習やボランティア活動を通して患者さんの日常生活まで接した経験から、退院後の生活までイメージすることを心掛けています。これからも患者さん一人ひとりの背景にある障害や症状、環境についても理解し知識を深め、患者さんやそのご家族に寄り添った支援をめざしていきます。
※病気やけがによる症状が急激に現れる時期。患者さんの容体が急変する場合も多い

2014年度 進路決定者


磐田市立総合病院

仲間と一緒だからプレッシャーに打ち勝てた!
苦手な面接はキャリアセンターのサポートで克服。

鈴木 寿奈 さん
健康医療科学部 医療貢献学科 言語聴覚学専攻 2014年度卒業
浜松市立高等学校 出身

大学に進学する時、将来は人の役に立つ仕事をしたいと思い言語聴覚士をめざすことに決めました。そんな私が愛知淑徳大学を選んだのは、充実した施設や学生へのサポート体制が整っていることに魅力を感じたから。講義で学んだ知識のほか、小児集団言語訓練室でおこなう小児向けの言語訓練や、個別訓練室でおこなう成人向けの言語・嚥下(えんげ)訓練などで実践的な技能を身につけ、やがて迎えた4年次の就職試験。人前で話すことが苦手な私は面接試験前の2カ月間、毎週キャリアセンターに通い、しっかりと面接の練習をしていただいたおかげで落ち着いて面接本番に臨むことができました。そして4年次の秋には第一志望だった病院から内定をいただき、"なにがなんでも卒業前に国家試験に受からなければ!"というプレッシャーの中、大学の多目的スペースで仲間達と共に夜遅くまで試験勉強に打ち込みました。言語聴覚士になるという同じ目標に向かって進む仲間達と「絶対に合格しよう!」と激励しあいながら勉強に集中。また、国家試験に向けてゼミの先生が模擬問題を作成し、集中対策をしてくださったことも合格の大きなカギとなりました。現在は言語聴覚士として、成人の入院患者さまと小児の外来患者さまの言語訓練をおこなっています。訓練は患者さまの状態に応じた環境でおこなう必要があるため、大学のさまざまな演習・実習で学んだ経験を活かし、患者さまに適切な環境を見極めています。


2012年度 進路決定者


学校法人藤田学園 藤田保健衛生大学病院

藤田 祥子 さん
医療福祉学部 医療貢献学科 言語聴覚学専攻 2012年度卒業
※現・健康医療科学部 医療貢献学科 言語聴覚学専攻
愛知県・私立愛知淑徳高等学校 出身

「言語聴覚士」とは、病気や事故、発達上の問題などで、ことばや聴こえに障がいのある方を支援する専門職です。そして、国家資格である言語聴覚士の資格取得を目標とするのが言語聴覚学専攻です。多くの体験学習や実習などを通して、高い専門性と臨床能力を養い、人の痛みに共感できるやさしさと障がいに対する社会環境を改善していく強さを身につけたコミュニケーション障害学のスペシャリストをめざすことができます。その中でも、とくに『学外実習』は、実習先の医療機関で患者さんに接することができる有意義な体験でした。実際の現場では、どれだけ知識が豊富であっても、一人ひとり異なる患者さんの状態を正しく評価することの難しさを知り、だからこそ日々学び続ける姿勢が大事なのだと実感。アドバイザーの先生から教えていただいた「現場に立つ先生方の思い」や「患者さんとの向きあい方」は、強く心に残っています。また、この専攻では実際に使用する検査キットや器具、聴覚検査の防音室など設備が充実しているため、それが現場でどのように使われているのか、何のための用具なのかを学べるのは、とても良い環境でした。さらに、言語聴覚学の専門的な学びに特化するだけでなく、保育学や心理学、医療福祉制度に関する授業など多分野の科目を幅広く履修したことで、言語聴覚士として広い視野を養うことができ、その知識は就職後の現在も活かせていると思います。今後も一人ひとりの患者さんと向きあい、必要とされているサポートにつなげることができる言語聴覚士をめざしていきます。


社会福祉法人十愛療育会 地域療育センターあおば 言語聴覚士

障がいだけを見ず、生活全体を見る。
子どもたちの将来を見据えた訓練を。

上田 愛実 さん
医療福祉学部 医療貢献学科 言語聴覚学専攻 2012年度卒業
名古屋市立名東高等学校 出身

努力と工夫で意思疎通を図りながら、訓練をおこない、達成できた時の喜びを患者さまや利用者さまと共有することができる職業。それが私の思う、言語聴覚士の仕事です。現在は、主に就学前の障がいのある子どもへの訓練を保護者の方と話をしながら、考えおこなっています。資格の勉強は試験のための勉強と思われがちですが、大学で得た言語聴覚学の専門知識や実習での経験は、どれも実践に基づくもので、今でもノートを見返すほど役立っています。この先も子どもの障がいだけを捉えるのではなく、その子の生活全体を見ながら、一人ひとりに合わせた訓練を心掛けていきたいです。


2010年度 進路決定者


医療法人白山会 白山リハビリテーション病院 言語聴覚士

患者さまのために、真剣に考え抜く。
その熱意は、学生時代に培った主体性から生まれた。

永草 貴之 さん
医療福祉学部 医療貢献学科 言語聴覚学専攻 2010年度卒業
愛知県立春日井高等学校 出身

退院後、少しでも元通りの元気な生活を送っていただくために、私にできることは何か――。私はつねに、患者さまの立場に立って考えることを大切にしています。大学では失語症や高次脳機能障害のある方の訓練プログラムを作成するなど、自ら考えて学ぶ機会が豊富にありました。こうした考え抜くプロセスは、現在の仕事にも役立っていると感じます。患者さまが自ら、自分の生き方を確立していけるように、実施すべき支援を模索し、寄り添い続けていきます。