文化創造専攻

 2013年4月、本学大学院は既存の研究科の教育研究分野を維持するとともに大胆な再編統合をおこない、二つの新たな研究科を開設しました。その一つが文化創造研究科(旧研究科名称の一つをそのまま踏襲)です。専攻は文化創造専攻のみとし、五つの領域をもって組織する博士課程大学院としました。新研究科の領域名(対応する旧研究科の専攻・コース名)は次の通りです。

(1)国文学領域 (旧文学研究科 文学専攻 国文学コース)
(2)クリエイティブライティング領域 (旧文化創造研究科 創造表現専攻)
(3)図書館情報学領域 (旧文学研究科 文学専攻 図書館情報学コース)
(4)メディアコミュニケーション領域 (旧現代社会研究科 現代社会専攻 メディアプロデュースコース)
(5)都市環境デザイン領域 (旧現代社会研究科 現代社会専攻 都市環境デザインコース)

 科学技術の発展により、人類の文明は長足の進歩を遂げてきましたが、特に前世紀からの驚異的展開は、皮肉なことに一方では精神文化の荒廃を招来してもいます。その結果、現代社会にはさまざまな異変が生じ、文明が本来めざしていたものと相反する事態、すなわち暮らしにくい世の中が現出することになってしまいました。
そのような現代社会を生きる我々は、古人の精神的到達と蓄積された知恵とに学び、一方では文明の本質を見極め、かつその成果としての利器を使いこなしながら、生活の規範ともいうべき新しい「文化」を「創造」していかなければなりません。ともすれば、「文化」という言葉はスタティック(静的)な印象として捉えられがちでしたが、多様性に満ちた現代社会を生きるための「文化」は、否応なくアクティブ(動的)なものにならざるを得ません。研究科の名称を「文化創造」と銘打つ理由がここにあります。
現代社会が要請する科学技術と精神文化との融合のあり方について、「文化創造」という観点から思索し、凝視し、発見し、提案していくことが、本研究科の使命であると考えます。そのために、文学、文芸、情報学、メディア、造形デザインという、「表象」という点で共通項を持つ異分野をあえて1専攻にまとめました。5領域の一つを学びのホームグラウンドとして定め、そこを基点としてさらにその他の領域にも幅を広げることのできる教育課程としました。
本研究科は、各領域の専門的な研究を深めるとともに学際的視野をも身につけ、それにより高次元の創造的表現を追究することを教育目的とします。

 本学の教育理念および教育目標を標語化したキーセンテンスは次に掲げる通りですが、大学院においてもそのめざすところは変わりません。これらの考え方は、教育課程、教員配置、授業内容、時間割編成および指導方法など、教育研究のさまざまな場面に生かされています。

違いを共に生きる(多様な価値観を認め合う共生社会の実現)・・・・・・教育理念

  • 地域に根ざし、世界に開く(グローカリズムの実践)
  • 変わる(すぐに役立つ)ものと変わらないものを共に大切にする(革新と伝統の共存)
  • たくましさとやさしさを共に大切にする(生きる力と生きる意味の具備)

伝統は、たちどまらない(知的遺産の継承と新たな知の創造)・・・・・・スローガン

領域の紹介

国文学領域

  • 日本文学、日本語学および日中比較文学を中心に、隣接する諸領域を含む幅広い学修・研究をおこないます。
  • 人間存在についての理解と洞察、日本の文化、歴史、伝統に対する理解と関心を深めます。
  • 総合的な判断力・批判力を備え、深い知性と豊かな感性を合わせ持つ、人間力に優れた人材を育成します。

クリエイティブライティング領域

  • 小説、評論、童話、戯曲などの批評と創作方法の研究を中心に、隣接する諸領域を含む幅広い表現ジャンルを学修・研究します。
  • 活字を媒体とする創造的表現活動を、研究課題として深く追究します。
  • 生涯にわたって創造的な言語表現活動に携わることのできる知識と技術を持った人材を育成します。

図書館情報学領域

  • 情報メディア、情報サービス、情報システムなど、人間工学を含む広義における情報学を対象とし、隣接する諸領域を含む幅広い学修・研究に取り組みます。
  • 問題発見能力、批判的吟味能力、質的評価能力を持った有為な人材を育成します。
  • 図書館司書としての高度な識見と技術の修得をめざします。図書館情報学を専攻できる大学院研究科は、ほかには筑波大学と慶應義塾大学のみであり、本学は西日本では唯一の存在です。

メディアコミュニケーション領域

  • 放送、新聞、出版、広告などのマスメディア、インターネットや携帯電話などのデジタルメディア、ミュージアム、ファッションなどの多様な表現領域を研究対象とします。
  • さまざまなメディアについて、理論、実証、実践の三つの側面からアプローチします。
  • メディア社会の多様な動向を的確にリサーチできる高度な知識や技術、それらの動向を独自にデザインできる企画力、発想力を兼ね備えた人材を育成します。

都市環境デザイン領域

  • 都市と建築の計画、設計、維持、保全に関する専門知識を、理論と応用の両面から修得します。
  • 都市と建築を工学的な視点からだけではなく、文化的・社会的側面などからも捉えます。
  • 隣接する諸領域との関わりを重視して多面的かつ総合的な学修・研究をおこない、その成果を実社会での提案に結実できる高度な職業人を育成します。

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