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式辞

2025年度卒業式祝辞

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。心よりのお祝いを申し上げます。
今日の旅立ちは、小学校、中学校、高等学校、大学と16年にわたる学校生活の集大成と言えましょう。さまざまな人に支えられ、守られてきたことへの感謝を胸に、これから社会人として支える側、守る側へと変わる、晴れやかな門出のときです。この先皆さんが、それぞれの翼で羽ばたき、自分らしく輝いていくことを願っております。

皆さんが本学に入学された4年前、ロシア軍のウクライナ侵攻が始まり、翌年にはハマスのイスラエルへの大規模攻撃が起こりました。いまなお、世界各地で争いが絶えません。そうした分断の時代でありながらも、昨年の大阪・関西万博では多くの国・地域の人々が集い、笑顔で交流を深める姿が見られました。

その大阪・関西万博の催事をプロデュースした藤本あゆみ氏は、
「正解がない中で、自分たちで仮説を立て、走りながら直していく。そのプロセスの中にしか、新しい価値は生まれません」
「『こうあるべき』という既存の枠組みを一度取っ払って、自分たちが本当にワクワクする未来を想像すること。そこからすべてが始まります」と述べています。
社会に出ると、選択の連続で教科書通りの答えが見つからない場面ばかりかもしれません。しかし、迷うことを恐れないでください。最初から完璧をめざすのではなく、まずは一歩を踏み出し、動きながら、失敗しながら自分なりの答えを築いていく。そのプロセスや経験が、皆さん一人ひとりのかけがえのない財産になるはずです。

また、昨年の開学50周年建築学部記念講演会でご来学いただき、大阪・関西万博で会場デザインプロデューサーを務めた建築家・藤本壮介氏は「多様なものがバラバラなまま、お互いを否定することなく、一つの大きな多様性として緩やかにつながっていく。それが、これからの世界が目指すべき姿だと思っています」と述べられました。
これから皆さんが歩む社会は、正解が一つではありません。多様な人々がそれぞれの力や個性を出し合うことで目標が成し遂げられていくでしょう。そのとき、どうか本学で培った「違いを共に生きる」姿勢を思い出してください。相手を理解すること、人とのつながりから学ぶこと、「違い」が新しい価値を生み出すこと。その積み重ねが、一人ひとりの人生を、そして社会を、温かく照らしていくと信じています。

皆さんの輝かしい未来を心から応援しております。
本日は誠におめでとうございます。

令和8年3月17日
愛知淑徳学園 理事長 小林 三太郎