交流

2026年09月01日

長久手市立北小学校校内現職夏季研修会:教育学部加藤先生

2026年7月23日(木) 長久手市立北小学校

教育学部の加藤先生が長久手市立北小学校からの依頼を受け、
教職員向けの研修会を実施。
ゼミ生も参加し、現場の教職員方とワークショップに取り組みました。

 本学教育学部の加藤智先生が長久手市立北小学校より依頼を受け、同校の校内現職教育夏季研修会の講師を務めました。研修会には加藤ゼミの4年生6人も参加。今後の小学校教育において重要視される「総合的な学習(探究)の時間」について同校の教職員約45人に講義した後、ゼミ生もグループに入り、授業づくりに活かせるワークショップに取り組みました。

 加藤先生は本学教育学部の准教授であるほか、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官(国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官併任)を兼任し、総合的な学習(探究)の指導資料づくりにも携わっています。まずは探究的な学習の概念について説明。調べ学習と混在されがちですが、「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」の一連で終わらず、その過程を繰り返し、課題を更新していくことが本質であると話しました。

 また、総合的な学習(探究)のポイントになるのが「自身と社会の関わり」。データによると日本の子どもたちは他国に比べて国や社会に対する当事者意識が低い傾向にありますが、学校教育に総合的な学習(探究)が取り入れられたことが、「自分の行動で国や社会を変えられると思う」という意識が向上していることにつながっているのではないかと加藤先生は話します。

 総合的な学習(探究)において大切な「課題の質」を上げるポイントについて加藤先生は「Need(他者や社会から求められていること)」「Will(やりたいこと)」「Can(できること)」の3つの要素を挙げ、「この3つをつなげることが重要」だと説きました。いくつかの学校での事例を紹介。そのひとつに、北海道和寒町での取り組みがありました。

 まずはNeedに「廃棄されるカボチャを有効に活用してほしい」という地域の思いがあります。Willには「町の人のためになることをしたい」という小学生の思い、Canには「コンビニの商品開発」が挙げられました。子どもたちが地域の人から直接話を聞くことで、地域の困りごとを知ることができたり、地域のために何かしたいという思いを強くしたりするきっかけに。「その足場掛けをするのが教職員の役割」だと加藤先生は参加した教職員の方々に伝えます。この小学校では1年間の活動を終えた後も、有志で活動を続けていきたいと意欲をみせる子どもたちがいるそうです。

 具体事例をいくつか紹介した後に、参加した教職員とゼミ生がグループにわかれ、同校における総合的な学習(探究)ではどんなNeed、Will、Canがあるか、またそれらに必要な「足場掛け」の分析について、アイデアを付箋で貼ってまとめるワークショップを実施しました。

 最後に加藤先生は「Needに子どもたちが気づけるためにどんな体験をさせると良いか、実際にアイデアを出し合ってみると見えてくるものがあったのではないでしょうか。教職員同士で共有できる良い機会になったのではと思います」と話しました。また同校の校長先生からは「これまでスムーズに進まなかった点こそがポイントなのだと実感しました。理論と実例を交えながら話してくださったことで腑に落ち、これから総合的な学習(探究)を進めてうえで、立ち返って考えられる拠り所ができた」とお礼の言葉が述べられました。

 ゼミ生たちにとっても、現場で働く教職員方の声を聞き、一緒に話し合いながらNeed、Will、Canを考えていく経験は、今後教員をめざしていくにあたって貴重な財産となることでしょう。本学ではこれからも地域の学校現場と連携しながら、教員養成における実践的な学びを進めていきます。