追究

2024年12月11日

創造表現学部 メディアプロデュース専攻 村上ゼミ 「東山植物園 星が丘門 映像制作」

2024年8月16日(金)東山植物園 星が丘門トンネル

東山植物園の来園者が通るトンネルで放映する、場所の特徴を活かした発想を取り入れた2本の動画を制作しました。

 創造表現学部 メディアプロデュース専攻の村上ゼミでは、様々なメディアを統合し効果的に扱う方法を学んだうえで、人と人のつながりに対して創造的にアプローチする方法を学んでいます。これまで産学連携プロジェクトや学外の文化施設での作品発表にも数多く取り組んできました。
 今回は、再生プランを策定して変わり続けている東山動植物園を管理する名古屋市との連携により、東山植物園の入口となる星が丘門を入ってすぐにある、園に続くトンネルにて放映する動画を制作しました。

 このトンネルは、令和5年度に内装を一新するリニューアル工事をおこない、高さ3m、幅12mに及ぶ大スクリーンの映像を投影できるプロジェクターが設置されており、その活用として「植物園を紹介する動画を作ってほしい」という相談から始まったプロジェクトです。
 2023年の秋ごろ、リニューアル工事を担当した名古屋市役所の方から村上先生にお話があり、動画の目的をはじめ、現在の来場者や動画のターゲットなどについて打合せを実施。2024年度に新3年生となる村上ゼミの学生たちが取り組むことが決まりました。
 学生たちは、4月に東山植物園を見学。学生たちは「東山植物園が、こんなに広いとは知らなかった」「自分が想像していた植物園よりも、ここまでたくさんの植物があるとは思っていなかった」といった感想を持ちました。本プロジェクトを担当してくださった名古屋市緑政土木局東山総合公園再生整備課 課長補佐の水田佳佑様は「自分たちとしては積極的にPRしてきたつもりでしたが、思っていたよりも東山植物園の内容について伝わっていませんでした。それも一つ、私たちとしては学びになりました」と振り返りました。

 ゼミでは、まずは細かなチームに分けることなく、全員で意見を出し合いました。「他の学生の意見を聞くことで、自分の意見との違いを感じたり、それをもとに自分の意見をブラッシュアップできたりするし、組み合わせることで、より良いアイデアにつながることを体験してほしかった」と村上先生は考えたと言います。
 そこで出た意見をまとめ、5月には「植物園の課題」や「動画のターゲット層の設定」などを元に4パターンの企画を提案。水田様は「自分たちがポイントだと感じていた、スクリーンの間にある隙間をいかに埋めるか、という点をクリアした提案ばかりでした。不安な点を考慮しつつ、私たちが思いつかない大胆なアイデアに驚きました」と感じられたようです。
 水田様をはじめとした名古屋市役所の方々の意見を反映させながら、2つの動画に絞り込み制作を開始。ゼミ生16名も二つのチームに分かれ、6月の中間発表会、7月の動画完成、7月末の放映へと、スピード感を持ってのぞみました。

■東山動植物園 オフィシャルブログ
愛知淑徳大学との連携による動画の制作について >

 完成した動画のタイトルは「ズーボ ウォーク」と「映えスポットBOOK」です。「ズーボ ウォーク」は、東山動植物園のマスコットキャラクターである「ズーボ」を活かしながら、来場者が植物園に向かって歩くスピードを想定して、歩いている自分の速さに合わせるように映像が変わっていくことがポイント。放映期間が夏であることから、夏の夜をテーマに夏の植物をちりばめ、見どころを紹介していく映像に仕上げました。

 「映えスポットBOOK」は、施設の構造上やむをえないスクリーンの隙間を、本の間にすることで気にならずに映像を楽しめるよう工夫しました。コンセプトは「四季の植物や花と映えスポット」で、図鑑をめくるように映像が動き、四季折々の植物や、写真映えしそうなスポットを学生目線で見つけ、紹介する映像になりました。また、ただ映像を見るのではなく、通路の対面にある大きな鏡を背景に自分の写真を撮ると、その鏡に植物が移りこむ仕掛けもほどこしました。
 水田様からは「映像のストーリーや仕上がりの技術はもちろん、鏡を活用するという若者目線のアイデアは、この場所の新しい活用法とも言える、大きな学びになりました」とコメントをいただきました。
 東山植物園では、このスクリーンを活用した映像放映をこれからも続け、より幅広い方々に東山植物園を訪れ、その魅力を伝えていってほしいと考えているそうです。その一つの役割として、愛知淑徳大学の村上ゼミの映像が役に立ち、学生たちとしても大きな経験となりました。