追究

2026年03月04日

2025年度 中古文学ゼミ卒業論文報告会

2026年1月28日(木)長久手キャンパス1612・1616教室

卒業論文を10分間にまとめて後輩たちに発表。
学年を超えた学びと交流の場になりました。

 文学部 国文学科の中古文学ゼミでは、平安時代の古典文学について研究しています。作品の背景にある意図などを読み解き、発表や議論を重ねながら、新たな解釈を見出していく学生たち。その学びの集大成となるのが、約1年かけて作成する卒業論文です。
 2026年1月28日(木)には、4年生17名による卒業論文報告会が開催されました。同じゼミに所属する3年生と、来年度から所属予定の2年生に向け、卒業論文の内容を10分間にまとめて発表。会場には卒業論文の現物も展示され、自由に手に取って閲覧できる貴重な機会となりました。

 4年生たちが卒業論文の題材にした古典文学作品は、『枕草子』『源氏物語』『伊勢物語』『落窪物語』『和泉式部日記』『更級日記』『とりかへばや物語』です。『源氏物語』については、7名の学生が取り上げていましたが、登場人物だけでなく、物語にたびたび登場する手紙や言葉の真意、物の怪など、さまざまな視点で独自性や新規性を見出していました。
 今回の卒業論文報告会では、作品の概要、テーマを選定した理由、卒業論文の構成、論証のプロセス、結論などについて後輩たちにわかりやすく解説。先行研究を幅広く調べ、掲げたテーマを独自の着眼点で紐解きながら、考察を深めていった4年生の研究内容を聞き、3年生と2年生は向学心を高めていました。

 発表の後には、質疑応答の時間が設けられ、3年生はもちろん、2年生も積極的に質問していました。「卒論のテーマに興味を持ったきっかけは?」「論文を作成するうえで、どういうことに苦労したのか」「先行研究との違いを見つけるヒントが知りたい」など、後輩からの率直な問いに対し、4年生は自身の経験を踏まえて回答。これから卒業論文に取り組んでいくうえで、研究の手がかりとなるよう具体的にアドバイスしていました。

 報告会の最後には、担当教員である外山敦子先生が4年生に向け、ねぎらいの言葉を贈りました。また、講評として「卒業論文で一番重要なのは問いの設定です。問題意識が明確で、先行研究を調べても解決しないような疑問が、卒業論文のテーマに適しています。4年生のみなさんは、学びの集大成にふさわしいテーマに行き着きました。胸を張って、卒業の日を迎えてください」と伝え、報告会を締めくくりました。
 卒業論文の作成を通して身につけた思考力や分析力などは、これからの人生において大きな武器となることでしょう。

【2025年度中古文学ゼミ 卒業論文テーマ】
『枕草子』における藤原斉信―各章段における役割からー
『源氏物語』紫の手紙―試される力量―
『源氏物語』の「うちほほゑむ」―瞬間的な笑いの真意をめぐってー
『源氏物語』の女童―犬君を中心にー
『源氏物語』における「物の怪」―役割の変化をめぐってー
『源氏物語』紫の上の二度の<死>ー仮死を経た内面的変化―
『源氏物語』回想される葵の上―光源氏の中の存在意義―
『源氏物語』「心にくし」と六条御息所―明石の君と比較してー
『伊勢物語』における「泣く」―救いを求める呪術的行為としてー
『伊勢物語』第二十三段考―「化粧」が意味するものー
『落窪物語』姫君の「泣く」―感情表現に隠された真意―
『落窪物語』における姫君―「恥」の変化と新たな姫君像―
『落窪物語』あこきの役割―継母との対立を軸としてー
『和泉式部日記』における性別反転表現―女歌・男歌の観点からー
『更級日記』の夜の効果―夜中・暁、月という要素―
『とりかへばや物語』の女君の幸福―四の君との比較からー
『とりかへばや物語』男君の変化―社会的役割に注目してー