学生チューター インタビュー

中里 公香さん、下里 菜摘さん、佐藤 由唯さん

WSDでの勤務経験を就職活動に活かしました!

中里 公香さん、下里 菜摘さん、佐藤 由唯さん

写真左から

・中里 公香(なかざと きみか)さん
チューター歴3年(2~4年次)
・下里 菜摘(しもさと なつみ)さん
チューター歴3年(2~4年次)
・佐藤 由唯(さとう ゆい)さん
チューター歴2.5年(2~4年次前期)

3名とも、文学部国文学科2018年度卒業

2年生からライティングサポートデスク(以下WSD)業務に従事し、現在4年生の中里公香さん、下里菜摘さん、佐藤由唯さん。卒業を間近に控えた3人に、WSDでの勤務経験が就職活動にどのように活きたのかをお聞きしました。(聞き手:WSDスーパーバイザー 外山敦子・増地ひとみ)

WSDでの経験は珍しいから、面接の時に覚えてもらえて得でした。

WSD増地:いよいよ卒業ですね。中里さん、下里さんは4年次の後期まで、佐藤さんは4年次の前期までWSDで勤務してくれました。3人ともWSDでの勤務経験が就職活動に役立ったそうですね。早速ですが、就職活動との関わりについて聞かせてください。まず一般企業に内定している佐藤さんと中里さん、志望先に提出するエントリーシートや履歴書に、WSDでの勤務経験をどのように書いたのですか? また、工夫した点などはありますか。
佐藤:私は、履歴書の「アルバイト」欄や「学生時代に頑張ったこと」の欄に「WSD文章指導員」として勤務経験を書きました。
書く時の工夫としては、まず、WSDでは学年も学科も違う初対面の人の相談を受けるので、短時間で心を開いてもらわないとできない仕事である点をアピールしました。それから、WSDに来た相談者が考えに行き詰まった時は、こちらから答えを言うのではなく、相談者の考えを引き出せるように質問の仕方を変えたりしますよね。それを「頑張ったこと」として書きました。
中里:私も、履歴書の「アルバイト」欄にWSDの仕事のことを書きました。
私の場合は自己PRとして「相手の立場に立って考える」という点を打ち出していたのですが、WSDの仕事は、その自己PRポイントと共通点があります。WSDでは一方的に添削をするのではなく、「相手の立場に立って、相手の成長を促す」ことを大事にしますよね。そこで、自己PRにつながるエピソードの一つとして、アルバイトの欄にWSDの勤務経験のことを書きました。

佐藤 由唯さん

WSD増地:それで、面接の時の感触はどうでしたか? WSDのアルバイトの経験について尋ねられましたか? どんなところに面接官の方は興味を持たれたのでしょうか。
佐藤:面接ではほぼ100%尋ねられました! まず「WSD文章指導員? これは何?」というところから質問が始まりました。そこで、「先生ではなく、先輩学生が後輩学生の文章の指導をしているんです」とか、そのほかWSDの運営の特徴を説明すると、「ほかの大学にはあまりない施設なんだね」と関心を持ってもらえました。そこから、先ほど話したような「頑張ったこと」のアピールにつなげることができました。
中里:私も「このアルバイトは何?」「何を教えるの?」と尋ねられることが多かったです。「文章作成の知識や技術を単に教えるのではなく、文章の書き手と一緒により良い改善策を見つけていく」仕事であることを説明しました。自己PRにつなげて、「相手の立場に立って、相手の成長を促す指導ができるように頑張っています」という話をしました。「貴重な経験をしているね」というリアクションが、やはりありましたよ。
佐藤:面接の話の種には絶対なりますね。ほかの応募者は持っていないエピソードですから。例えば、2次試験の時に「変わったアルバイトをしていた子だよね」と言われたこともありました。自分を覚えてもらう上で、とても良い材料になったと思います。
WSD外山:就職活動では、まず存在を覚えてもらうことが大事ですものね。佐藤さんも中里さんも、「貴重な経験をしている学生」という認識を持ってもらえたのでしょう。

下里 菜摘さん

WSD増地:下里さんは教員採用試験に合格したわけですが、応募書類の準備や面接についてはどうでしたか?
下里:私は、高校の国語の教員を志望して採用試験の対策をしていました。ですから、願書を書く上で、WSDで小論文の支援をしてきた経験は大きなアピールポイントでした。大学受験の2次試験では小論文が課される場合もあるからです。また、佐藤さんと中里さんも話していたように、他の人は持っていない希少価値が高い経験でもあります。
2次試験の個人面接では、願書に基づいて質問されました。私の場合は、自己PRをWSDでの経験を基に書いていたこともあって、面接の中身は全てWSDに関することでした。やはり「これは何ですか?」「どこの大学にもある組織なんですか?」から始まりました。
そして、「つらかったこと、大変だったこと」「楽しかったこと、達成感を感じたこと」もWSDの話になりました。例えば、「全然書けない」と相談に来た学生が「書けそうです」と言ってくれた時に「WSDの仕事をしていてよかった」と感じた経験などを話しました。面接官の反応も良かったと思います。

4年次の就職活動とWSDでの仕事を両立させるには

WSD外山:皆さんそれぞれに、WSDの勤務経験を就職活動に有効活用したのですね。ただ、4年生の就職活動中は、授業やWSDの勤務などとの両立が、正直難しくはありませんでしたか? 佐藤さんは、4年生の前期まででWSDを退職しましたね。
佐藤:私は、後期は卒業論文に集中しようと、前期で退職しました。でも、実際は前期の就職活動中のほうが忙しくて、後期はそれほどでもありませんでした。いまさらですが、後期もWSDで勤務していたほうが、絶対に学校に行かなければならないので卒業論文の執筆がさらに進んだはず(笑)。今となっては、後期も続けておけばよかったと思います…。
中里:就職活動中は、面接などの予定が急に入ってくるのが大変でした。WSDの利用者が予約してくれているのに、交代できるスタッフがいないと自分の都合で予約がキャンセルなってしまうから、それが心苦しかったです。シフトの組み方や働き方が選べるしくみがあったら、気持ちが楽だったかもしれません。

中里 公香さん

WSD外山:率直な感想と提案をありがとう。これから就活生向けのバックアップ体制を整えていけるといいなと思っています。
WSD増地:就職活動中も勤務を継続しているほうが、面接で「現在進行形の話」ができますね。そのほうが皆さんの貴重な経験がさらに活きるのではないでしょうか。4年生になったタイミングで辞めるのはもったいないです!
それでは最後に、これからWSDのスタッフになっていく後輩に向けてメッセージがあればお願いします。
下里:普通のアルバイトの場合、上の人に指示されるまま、マニュアル通りに働きますよね。でも、WSDでは2年生や3年生でも運営の改善点などの意見を出せて、実際にどんどん良いほうに組織が変わっていった。今のWeb予約システムもそれで実現しましたよね。
佐藤:本当にそう。学生スタッフ同士でアイディアを出し合って、例えば掲示物を作る計画を立てたりするのは楽しかったです。みんなでWSDという場を作っている感じだし、温かい職場ですね。
中里:「自分が努力して成長した」ことを実感できるし、周りの人にも「成長したね」と言ってもらえる。常に見守ってもらいながら温かい環境で3年間アルバイトができたのは、とても良い経験でした。文章の指導というと、「自分にできるのかな」と最初は不安もあったけど…。
佐藤:確かに始めたばかりの頃は不安だったけど、みんな未経験だからスタートは一緒だし、みんなで同じ研修を受けるし、わからなかったら先輩たちに聞ける環境だった。
左から 増地、中里さん、下里さん、佐藤さん、外山

左から 増地、中里さん、下里さん、佐藤さん、外山

中里・下里:だから、やってみたら意外と大丈夫でした!
中里:「私にできるかな」くらいの不安感を持っている人のほうが責任感も強いし、そういう人こそがきっと向いていると思う。だから、これからWSDのスタッフになる後輩には、「同じ不安を持った人たちが集まるから、一緒に研修を積んで頑張って!」と言いたいです。
下里:WSDの仕事は自分のスキルアップにもなるし、成長できます。もし興味があるのなら、絶対に挑戦したほうがいいと思います!
WSD外山:「不安はあるけれども、それはみんな一緒だよ」ということでしょうか。
WSD増地:みなさんの言葉がきっかけになってWSDで働く人たちが出てきそうですね。楽しみです。
今日は貴重な体験談をありがとうございました。みなさんの今後の活躍を期待しています。

(2019年1月)