報告

2013年12月04日

「オープンエンズ アイランド展」関連イベント 【講演会】デザイナーを生きる。― 午前2時起きの超朝方仕事術 ―

「オープンエンズ アイランド展」関連イベント【講演会】デザイナーを生きる。― 午前2時起きの超朝方仕事術 ―

24時間365日、デザイナーを生きるということ。

 11月26日(火)から12月12日(木)まで長久手キャンパスで開催された「オープンエンズ アイランド展」。広告デザインに軸足を置き、幅広い制作活動をおこなうデザイン事務所・株式会社オープンエンズの軌跡を表す作品が展示会場に並びました。企業ポスターや美術館のリーフレット、新聞広告など、そのジャンルは実にさまざま。また代表取締役であり、アートディレクターでもある、矢野まさつぐ氏が手がけるアートワーク作品の数々も展示されました。

 12月4日(水)には、関連イベントとして矢野氏による講演会がおこなわれました。演題は「デザイナーを生きる。―午前2時起きの超朝方仕事術―」。クリエイティブの最前線で活躍するアートディレクター、グラフィックデザイナー、また、デザイン事務所の経営者という肩書きを持つ矢野氏は、ありのままの自分の生き方を明るい笑顔で語りました。
矢野氏がグラフィックデザイナーになると誓ったのは、高校2年生のとき。以来、デザイナーへの最短ルートを考え、歩みを進めたそうです。「学生時代にアルバイトでお世話になったデザイン事務所にそのまま就職し、グラフィックデザイナーとして一歩を踏み出しました。しかし、それは決して平坦な道ではありません。特に、独立してからしばらくは、仕事に追い詰められている状態でした」と矢野氏は当時を振り返りました。

 仕事に追われる日々を乗り越える原動力になったのが、「"やりたいこと=デザイン"をやりたい!」という気概。自分のシンプルな気持ちを貫いて仕事に打ち込んだからこそ、「デザインは生き方に等しい」という自身の哲学が見えてきたと、矢野氏は学生たちに伝えました。「世の中にあるもの、すべてがデザインです。たとえばある風景を見ても、僕はデザイナーとしてその風景を見ます。起きてから寝るまで、僕はデザイナーなんです」と、「デザイナーを生きる」という演題に込めた仕事への誇りやデザインへの思いを熱く語りました。

 講演会の後は、矢野氏と学生が直接ことばを交わす質問タイム。「デザインをする上で必要なものは何だと思いますか?」などの質問が寄せられ、矢野氏は一つひとつにていねいに答えました。「自分の価値観を深め、聞く力・見る力を磨く訓練が、デザインでは大切だと思います。24時間デザイナーであることを意識していたら、自ずとついてくる力でしょう。さらに重要なのが、"咀嚼力"。相手の気持ちや物事の本質をかみくだいて正しく理解しなければ、正しい提案、的確なデザインができないと思います」。
人の思い、企業の理念、伝えたいメッセージをまっすぐに受けとめ、多くの人の心に響くデザインを追い求める矢野氏。そのゆるぎない仕事観、人生観にふれた学生たちは、「自分はどう生きたいのか」を深く考えながら、日々の学びや制作活動などに邁進していくことでしょう。