交流

2026年07月30日

ちょこっとボランティア講座リレー 障がい者の就労の可能性について

2026年5月27日(水) 長久手キャンパスCCC

得意や芸術的才能を活かす、障がい者雇用についての講演で
働き方や居場所づくりについて学びました。

 本学のコミュニティ・コラボレーションセンター(以下、CCC)は、学生にボランティア活動を紹介し、学生と地域社会をつなぐ架け橋としての役割を担っています。学生たちはボランティア活動を通して、自主性やボランティアへの意識を高め、社会で役立つスキルを身につけています。

 2026年5月27日(水)、ボランティアや社会貢献についての理解を深める「ちょこっとボランティア講座リレー」を開催。株式会社AJクリエイトの川本様、本学の卒業生で作家のSUZUHIRO様をお招きし、障がい者雇用と得意を活かしたアーツ雇用をテーマにご講演いただきました。

 始めに川本様からAJクリエイトの事業の一つである「アーツ雇用」について説明がありました。アーツ雇用とは、得意分野や芸術的な才能を活かした障がい者雇用の形です。障がい者雇用を検討している企業に対し、芸術を得意とするアーツ人材の紹介やマッチングをおこなっているAJクリエイト。これまでに50名超の採用実績があり、アーツ人材の働きがいや自己肯定感の向上に寄与していると説明されました。就職先は愛知県にとどまらず、全国の企業へと広がっています。川本様は「障がいの有無に関係なく、才能を活かして社会で活躍できる場をつくりたい。それが『自分らしく働く』ことにつながっていく」と語られました。

 続いて、アーツ人材として採用され活躍している本学の卒業生・SUZUHIRO様より、創作を始めたきっかけや、アーツ雇用をめざした経緯、現在の仕事内容についてお話いただきました。

 幼少期から絵を描くことや物語をつくることが好きだったと振り返るSUZUHIRO様。しかし、大学時代に家庭環境への不安を抱え、多忙さで気を紛らわせようとする中で精神的な病気を患い、創作活動が難しくなったそうです。卒業後はアルバイトをしながら過ごしていましたが、発症から6年ほど経った頃、主治医から病名を告げられ、そのショックから仕事を続けることが困難になったと振り返ります。

 その後、福祉作業所で「気持ちの吐き出し方がわからない」と福祉スタッフに相談したところ、絵を描くことを勧められ、再び創作活動を始めるように。キャラクター制作や、花言葉・詩を用いた表現など、自身やひとのこころ、思いを作品に込めるようになったといいます。
 アーツ雇用をめざすようになったきっかけは、「絵を仕事にしたい」と思うようになったことでした。毎日作品を描くことが習慣となる中で、AJクリエイトの取り組みを知り、応募。仕事を始めてからは体調も安定し、自分のペースで働けることが大きな支えになっていると話します。

 現在は、所属企業の依頼に応えるほか、公募展へ出展する際には所属企業名を記載することで、企業の広報活動にもつなげていると話されました。最後には、SUZUHIRO様が自身の作品の特徴や制作背景について紹介。「絵を仕事にしたいと思ったときに、アーツ人材という仕組みに出会えたことに感謝しています」と語られ、最後には学生たちへ温かなエールとともに講演を締めくくられました。

 参加した学生からは「SUZUHIROさんと近い境遇にあり、卒業後の働き方について考える上で参考になりました」「福祉を学んでいるので、障がい者雇用といった場づくりについて話を聞くことができてよかったです」といった声が寄せられ、それぞれに学びのある機会となった様子がうかがえました。CCCは今後も、学生たちの主体性を尊重し、地域に貢献できる人材を育成していきます。

SUZUHIROさん(所属:アイアール株式会社)

 病気体験を語るピアサポートの場にこれまで何度か参加しており、今回は「その経験を活かし、ぜひ就労体験の共有を」と声をかけていただき、参加しました。実際に前で話していると、学生の皆さんが真面目に目的意識を持って参加していてくれていることが伝わり、とても嬉しかったです。
 アーツ人材の雇用については、まだ社会的な認知が十分に広がっていないと感じます。障がいの有無にかかわらず、好きなことを仕事にできるということを、もっと多くの人に知ってもらえたらと思います。