追究

2022年06月10日

文学部 教育学科「環境教育」フィールドワーク

文学部 教育学科「環境教育」フィールドワーク

2022年5月7日(土) 愛・地球博記念公園 もりの学舎 地球市民交流センター

木々や草花の名前の由来って知っていますか?
自然の触れ合いながら、名前の謎に迫るフィールドワークを体験しました。

 文学部 教育学科の専門科目「環境教育」では、フィールドワークを取り入れた授業を行っています。これは自然の中に身を置き、五感を使って環境の不思議さやおもしろさ実感することで、子どもたちにリアルな授業ができることを目的にしてします。2022年5月7日(土)、このフィールドワークが愛・地球博記念公園 もりの学舎でおこなわれました。
 初夏の日差しが降り注ぐ中、集まったのは教師を目指す学生たち。はじめにもりの学舎のスタッフ・井上さんから、今回の体験を通して子どもたちに自然のおもしろさを伝えられるような先生になって欲しいと挨拶があり、その後、インタープリター(自然と人をつなぐ通訳者という意)の先導で森の中に入っていきます。

文学部 教育学科「環境教育」フィールドワーク

文学部 教育学科「環境教育」フィールドワーク

 今回のテーマは「植物の名前の由来を知ろう」です。普段何気なく見ている植物ですが、すべてに名前があり、その名前に由来があります。森の中で生きている木々や草花を観察しながら、その名前と由来を学んでいきます。

文学部 教育学科「環境教育」フィールドワーク

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 最初に紹介してくれたのは、多くの学生が知っている「百日紅(サルスベリ)」。木の肌がツルツルになることから、猿が登れない様子をイメージして名付けられました。「メタセコイヤ」は当初「セコイヤ」に似た木の化石として発見されたのですが、後に中国で現存していることを確認。ギリシャ語の「後の、変わった」という意味を持つ「meta」を組み合わせ、メタセコイヤになったのだとか。その他にも花茎を触るとネトネトする「モチツツジ」、藤原定家の恋の話がモチーフになった「テイカカズラ」など、インタープリターからさまざまな由来が飛び出し、学生たちは話を聞きながら何度もうなずいていました。

文学部 教育学科「環境教育」フィールドワーク

文学部 教育学科「環境教育」フィールドワーク

 しばらく森の中を歩いた後、インタープリターから「植物に自分流の名前を付けてみましょう」と周囲にある植物を観察し、その特徴から新しい名前を付ける企画を提案されました。学生たちはじっくりと植物を見ながら、渡されたボードに名前を書いていきます。書けたらその名前を全員で発表していきます。枝ぶりがカナヘビの手のような形をしていることから「カナヘビノテ」、ツンツンと伸びた形状と筒のような葉の巻き方をかけて「ツンツングサ」、葉の裏側を触ると指が貼りつくような抵抗感があることから「スベラズ」など、学生からは次々と個性豊かな名前が出てきます。インタープリターは名前とはそのものを象徴する大切なものであり、名前を付ける行為は表現方法のひとつとして社会に出てからも役に立つと思いますとまとめました。学生からも「名づけはそのものを注意深く観察するきっかけになりました」「普段見ている植物でも、知らない名前のものばかりだった」「触って感じることは大切だと知り、見ただけでは分からない触感があって驚きました」などのコメントがあり、多くの気付きを得たようです。
 このフィールドワークは、自ら体験したことでしか学べない貴重な機会となりました。今後も自然を見て、触れて、感じる環境教育を継続していきます。