追究
2026年08月21日
福祉貢献学部 学術講演会

2026年6月24日(水) 長久手キャンパス ミニシアター
世界の保育を学ぶ講演会を開催。
スウェーデンの「プロジェクト型保育」を知り、
保育の知見を深めました。
本学の福祉貢献学部では、2015年よりスウェーデンにある就学前学校(小学校就学前の乳幼児を対象とした保育施設)を運営する民間の会社・ヴォーガ&ヴィリアと交流を継続しています。


2026年6月24日(水)には、ヴォーガ&ヴィリアから現役の保育者を招いた学術講演会を開催。第8回目となる今回は、オルゴナ就学前学校教師のソフィア・ラドラーさん、準保育士のモニカ・グルカさんに、「橋」と「ドア」を題材とした実践教育の事例を紹介いただきました。テーマは、クリエイティブな素材でつくることを通して「橋」と「ドア」をもっと深く知る。受講者には福祉貢献学部の学生だけでなく、地域で活躍する保育関係者も多数参加されました。
ヴォーガ&ヴィリアでは、世界的に有名な幼児教育法「レッジョ・エミリア・アプローチ」とスウェーデンのナショナルカリキュラムに基づき、子どもの興味や疑問を出発点とした「プロジェクト型保育」を行っています。今回の事例では、保育者は子どもたちの遊びや発言を観察・記録し、その興味に応じて素材や環境、課題を用意。子どもたちは、写真や設計図を参考に「橋」を組み立てたり、自宅の「ドア」を描いて粘土や再利用素材でドアや部屋を表現したりします。さらに、活動に保護者も加わり、新しい技術や発想が子どもたちのさらなる探究につながっていくというものです。
このようなヴォーガ&ヴィリアの「プロジェクト型保育」は、スウェーデン国会が制定した法律と規則を大原則に置いたうえで計画。また、スウェーデンのすべての就学前学校は、「児童の権利に関する条約」の目的に合致していなければならず、さらに国会で採択されたナショナルカリキュラムに従う必要があります。このナショナルカリキュラムは、子どもたちにどのような活動を提供するかに関する目標とガイドラインを示すものです。
今回の「橋」と「ドア」を用いた「プロジェクト型保育」は、ナショナルカリキュラムから「就学前学校は子ども一人ひとりに発達する可能性を与えなければならない」という目標に焦点を当て、計画されました。「橋」は、さまざまな技術、素材、道具を用いて製作し、創造し、組み立てる力を育むためのツールです。「ドア」は、創造する能力、および絵画、製作、演劇、行動、歌、音楽、ダンスといったさまざまな方法で、体験や考えを表現し、他人と分かち合う能力を育むためのツールです。


ソフィアさんとモニカさんは、保育者が写真、動画、会話、作品などをもとに、継続的に振り返りや分析をおこなう中で、子どもたちの次なるチャレンジをどのように計画したかを紹介。これらの循環を通して、子どもたちの「創造性」「表現力」「問題解決力」「協働する力」などを育み、素材や形、空間、構造への理解を促していったことを述べました。そして、「これらの重要な能力を身につけた子どもは、絶え間なく変化する外の世界で生き抜くための力も身につけていけると考えている」と提唱し、まとめとしました。


質疑応答では、プロジェクト教育のなかで子どもたちが見せた具体的な反応や様子、指導計画の組み立て方、スウェーデンにおける学校教育と幼児教育の違いについてなど、学生や保育関係者からの熱心な問いかけがありました。ソフィアさんとモニカさんは一つひとつに丁寧に答えられました。
本学の福祉貢献学部では、国際的な視点を取り入れた実践的な学びを通して、子どもたちの成長や福祉を支える人材の育成に取り組んでいます。今回の講演会が、保育や福祉の分野を志す学生たちにとって、新たな学びや将来への視野を広げる機会となることが期待されます。












