追究

2026年08月21日

食創造科学科「食文化論」ゲストスピーカー 日清食品 正箱尚久氏

2026年6月1日(月) 長久手キャンパス 1号棟1階 多目的ホール

日清食品「完全メシ」シリーズの商品開発について講演。
食品開発への理解を深め、自身のキャリアを考える機会になりました。

 食創造科学科では、定期的に学外の専門家を招いています。2026年6月1日(月)には、「食文化論」の授業で日清食品ホールディングス株式会社の正箱 尚久様をお招きし、「食品開発の現場:日清食品の“完全メシ”」をテーマに講演会を実施しました。

 「チキンラーメン」や「カップヌードル」をはじめ、スカルプケア商品、プラントベースうなぎなど、フードテクノロジーを活用した商品開発に取り組む日清食品。その集大成として生まれたのが、最適化栄養食「完全メシ」です。日本人の食事摂取基準に基づき33種類の栄養素を調整し、理想的な食事をとることが難しいときの選択肢として開発されました。また、減塩テクノロジーや三層製麺技術、「謎肉」などの技術に加え、データベースの活用やコーポレートシェフの監修を通じて製品化されていると正箱様は説明されました。

 続いて、商品開発の流れについて説明されました。正箱様の所属する研究部門は、最適化栄養食の効果や影響を評価し、商品を世に送り出す役割を担うほか、食分野の課題解決につなげる技術・フードテックの開発も担当しています。また、商品企画は専門部署だけでなく、開発部門やマーケティング部門、顧客の声、コラボ企業からの提案など、多様なアイデアから生まれることも紹介。どの部署でも企画に携わる機会があることを学生に伝えました。

 さらに正箱様は開発職の役割について⾔及されました。⽇清⾷品ではデータベースで最適なレシピを算出できますが、数値通りの試作だけではおいしさや⾒た目、⾷感に課題が残ることもあります。そのため、開発担当者の経験や知⾒に加え、フードテックや他部署の⽀援を受けながら進めているとのこと。また、発売後もパッケージの簡素化によるごみ、物流コストの削減、風味の改良など、さらなるアップデートへ繋げるサイクルが重要だと説明されました。

 最後に正箱様は、「在学中に全⼒で研究や学びに取り組んだか」が⼤切だと語られました。「卒業研究のように仮説・実⾏・検証を経て、⾃分の⾔葉で説得する⼒は研究職以外でも活きる」と述べ、学業の意義を伝えました。さらに、プログラミングやプレゼン⼒、英語⼒といったスキルもキャリアを切り拓く武器になると語られました。

 質疑応答では、完全メシの開発裏話から就活の心構えまで伺いました。特に「学生のうちに多く質問し、失敗の経験をたくさん積むべき」という言葉は、学生たちの心に響き、今後の学生生活や就職活動に向けて、主体的に挑戦していく姿勢の大切さを実感したようでした。

 授業終了後には学生主体の「ランチミーティング」が開催され、受講生をはじめ、多くの学生が会場に集まりました。学生たちは完全メシを味わいながら正箱様のお話に耳を傾け、質疑応答では、「ユニークなCMについて」や「開発時の苦労」など、活発な質問が飛び交いました。

 最前線で活躍する方のお話は、学生が食品開発への理解を深め、キャリアを考える貴重な機会となりました。これからも本学は、学生たちに多様な経験と機会を創出し続けていきます。