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学び・研究

全学日本語教育部門 授業実践報告会

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全学日本語教育部門 授業実践報告会
全学日本語教育部門 授業実践報告会

社会で求められる日本語力をどう養うか?
授業をさらに充実させるため、教員同士が意見を交わしました。

ものごとを的確に理解し、考えを深め、それを相手に適切なことばを使って伝えることで、よりよい議論、よりよい人間関係をカタチにする――こうした思考力やコミュニケーション能力のベースとなる「日本語力」は、社会を生き抜く力になります。そこで愛知淑徳大学では、学生たちの日本語力向上をめざし、全学共通教育の日本語表現科目を基礎から発展までレベル別・目的別に開講しています。軸となるのは、全学必修科目の「日本語表現T1」。「事実を正確にわかりやすく説明する力」「論理的に自分の意見を述べる力」の修得に重点を置き、学生同士が互いに学び合う実践的な授業を展開しています。
9月3日(火)、日本語表現科目のさらなる充実をめざして「全学日本語教育部門 授業実践報告会」が開催され、全学日本語教育部門の教員が授業報告や研究成果の発表などをおこないました。学部・学科をこえて教員同士が活発に意見交換する場となり、学生一人ひとりの成長をより力強く後押ししたいという教育への熱意に満ちあふれていました。

《第1部》平成25年度授業報告会

平成25年度「日本語表現T1・T2」実施報告
全学日本語教育部門准教授 外山敦子先生

 外山先生は「日本語表現T1」の特色として「ピア活動」を紹介。ピア活動とは、学生同士で小グループをつくり、互いに協力し合って問題解決を図る学習方法のことです。文章の素材となるアイデアを数多く、幅広く出すために、仲間同士で意見交換をしたり、草稿の段階で添削し合ったり、学生たちが積極的に関わり合いながら学びを深めています。こうした学修により、一人ひとりが主体的に考え、適切な言葉で表現する力を伸ばしていると外山先生は語りました。
また「日本語表現T2」については、各自が勉強した内容を教え合う「ジグソー学習法」による文献精読の様子やグループ発表の授業風景などが紹介されました。さらに、テストによる到達度や受講学生の感想、次年度に解決すべき課題も具体的に挙げられ、授業内容の改善・発展に活かされる報告となりました。

《第2部》実践報告・研究発表会

■話しことばの修正における'語レベルの言い換え'への依存
―オノマトペ由来の連用修飾表現「しっかりと」の使用から―
全学日本語教育部門講師 深津周太先生

 オノマトペ(擬音語、擬態語)由来の副詞は、日常会話によく使われています。深津先生はこの言葉が文章にも多用されていることを問題視し、「しっかりと学ぶ」などの口語が含まれた文章を学生たちがどう書き換えるか、授業の小論文課題を活用して調査しました。結果、明らかになったのは、学生たちは「しっかりと」という単語のみを書き直す"語レベルの言い換え"に依存していること。話し言葉を書き言葉にする際、単語を修正するだけでは文章全体のニュアンスが変わる場合もあり、句・文レベルでの言い換えが必要になります。深津先生は、学生たちの語彙力、表現力をより豊かに養うことをめざし、句・文レベルでの言い換えを促す授業づくり・テキストづくりに強い意欲を示していました。

■小論文における論証の評価方法について ―語用論的見地から―
全学日本語教育部門講師 森本俊之先生

 森本先生は学生たちが授業課題として執筆した小論文を分析し、論証の評価方法を探りました。「『新聞は必要ない』という意見に対する自分の考えを述べよ」という課題に対し、学生たちはインターネットによる情報の収集をおこない、東日本大震災発生時の報道など具体的な事例を挙げ、小論文を作成。その主張、主張の理由、理由を裏づける事実が論理的にまとめられているか、森本先生は書かれた情報の質・量・一貫性から論証の「実証性」と「説得性」を評価しました。学生の文章を教員の主観によらず客観的に評価し、指導に活かしていくことの重要性が明示され、適切な評価基準を設定するため、複数の評価者によるクロスレビューの必要性など、今後の授業づくりに関する課題を教員同士で共有する機会となりました。

■ピア活動の効果を高めるグループ編成 ―小論文のグループ添削における実践を通して―
全学日本語教育部門准教授 外山敦子先生

 「日本語表現」をより実り多い授業にするためには、「学力レベルが異なる学生同士のグループ」「学力レベルが同じ学生同士のグループ」のどちらで活動をさせたらよいのか。この問いに焦点を当て、外山先生はピア活動に有効なグループ編成について研究しました。実際に「日本語表現」の授業で検証し、提出された小論文課題の内容や学生たちのふりかえりなどから分析。そして、「学力の異なる学生同士のグループ」の方が、学修効果が高いことを明らかにしました。さまざまな人に自分の文章を批判的に読んでもらい、文章の改善策を仲間と共に検討する――そうした学び合いの中で「考える力」「伝える力」を磨くなど、日本語教育の本質を見据えた授業づくりの大切さを再認識する研究発表となりました。

「日本語表現」科目では、文献探索のための各種データベースの使い方を修得事項の一つとしており、朝日新聞を含めた、新聞記事データベースの使い方を学修しています。大学の授業におけるデータベースの活用事例について、取材記事が公開されていますので、ぜひご覧ください。
http://www.asahi.com/information/db/jirei/archive19.html別ウィンドウで開きます。