
「違いを共に生きる」ことの尊さをより深く理解する、
福祉を志す学生にとって貴重な講演会となりました。
愛知淑徳大学は「違いを共に生きる」という理念のもと、人々が互いの違いを認め合い、互いに支え合って生きる社会をめざした教育に力を入れています。その中でも福祉貢献学部は、「人間理解」を重視して福祉を幅広く学び、「福祉マインド」を豊かに育むことを大切にしています。そこで学術講演会も定期的に開催し、実社会のさまざまな事例から学びを深め、福祉に対する視野や考え方を広げる機会としています。

7月23日(月)には、社会福祉法人あおぞら共生会 副理事長を務める明石洋子氏を講師にお招きした講演会が、入学して間もない1年生を対象におこなわれました。演題は「『ともにいきる』ってどういうこと ~子育て、こころ育て、ひと育て~」。自閉症でありながらも公務員としていきいきと働く長男・徹之さんのお話も交えながら、明石氏は学生たちに「共生」についてわかりやすく語ってくださいました。
講演の冒頭で「日本中が『違いを共に生きる』社会になるように、講演活動に励んでいます」と語った明石氏。自閉症のある子どもの母親になって初めて、多くの人が障がいについてほとんど何も知らず、誤解や偏見を持っていることを痛感したそうです。「同情でも憐れみでもなく"理解"がほしい!」と切望した明石氏は、同じまちに住む地域の人々に積極的に働きかけ、"正しく知ってもらう"ことから支援の輪を広げていきました。「最も大きなバリアとなるのが"無関心"。関心を持つことが"こころのバリアフリー"の一歩なのです。さまざまな人と共に生きていく上で"知ろうとする姿勢"が大切でしょう」。明石氏の言葉を熱心に書き留めながら、学生たちは真剣なまなざしで聞き入っていました。

講演では、徹之さんが地域の中で自分らしく生きていけるよう、「チャレンジする思いを育む」子育てに励んだことについても語られました。「子育てで重視したのが、自己決定。何事も徹之の思いを尊重し、自分自身で決定させました。だからこそ彼は"高校で勉強したい!""公務員になりたい!"という意思や目標を抱き、それを自ら実現することができたのだと思います。障がいの有無に関わらず、"自分が何をしたいか"という意思が育った子は、主体性、自主性が育ち、社会で自立することができるのです」と明石氏。実際、徹之さんは、自閉症もひとつの個性だと理解する地域や職場の人々に見守られ、毎日楽しく、一生懸命に働いています。映像でもその前向きな姿が紹介され、学生たちは「いかに社会で自立し、自分らしく生きるのか」についても考えを深めていました。

「一人ひとりが互いの"違い"を認め合い、"違い"を楽しめる社会になってほしい。皆さんにも、そうした考えを持って福祉を学び、日本に、世界に、"こころのバリアフリー"を広げてもらえたらと期待しています」とやさしく語りかけた明石氏。その熱い志を受け取った学生たちは、「違いを共に生きる」ことの尊さをより深く理解して福祉を追究し、あたたかな変化を社会に広げていくことでしょう。