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第2回人間情報学部講演会・第4回文学部講演会 学術情報流通を考えてみよう ―ビジネスモデルの違い―

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第2回人間情報学部講演会・第4回文学部講演会 学術情報流通を考えてみよう ―ビジネスモデルの違い―
第2回人間情報学部講演会・第4回文学部講演会 学術情報流通を考えてみよう―ビジネスモデルの違い―

筑波大学附属図書館長を務める応用情報学の教授が、
学術情報を発信・活用するための新システムについて語りました。

 人間情報学部とその前身である文学部図書館情報学科の学生を対象とした講演会「学術情報流通を考えてみよう ―ビジネスモデルの違い―」が、10月22日(月)に開催されました。講師としてお招きしたのは、筑波大学 図書館情報メディア系 中山伸一教授。小説の読後感など感性データの計測と予測の研究などに取り組み、応用情報学を牽引しながら、筑波大学附属図書館長も務めていらっしゃいます。今回の講演会では、研究論文や学会誌など学術雑誌の価格高騰を背景に、「学術情報をどのように発信し活用すべきか」をわかりやすく解説してくださいました。日頃、授業やゼミでの研究を通じてさまざまな学術雑誌に触れている学生たちは、学術情報が流通する仕組みやその課題を知り、興味深そうに中山教授のお話に聞き入っていました。

 「小説などの一般的な書籍と学術雑誌を比較したとき、その流通における大きな違いは何だと思いますか?」という中山教授の問いかけから講演会はスタートしました。
書店などを通して社会全体に広く流通する一般書籍の場合、情報の消費者(読者)が出版費用を書籍の代金として支払うビジネスモデルが成立しています。一方、学術雑誌の流通においては、学会内や大学間といった特定の範囲内における双方向の情報共有を目的としています。中山教授は、「学術雑誌の場合は情報の発信者が消費者に、消費者が発信者になることもあるのが特徴です。こうした背景を踏まえ、学術雑誌のビジネスモデルは大きく変化しつつあります。近年では、大学等が学術情報をウェブ上で公開する"機関リポジトリ(情報の貯蔵庫)"の作成や、学術論文をどこからでも無料で閲覧できる学術雑誌の"オープンアクセス"化が行われています」と解説。こうした取り組みは、日本国内でも一部の団体でスタートしつつあります。実際に中山教授が委員長を務める「国公私立大学図書館協力委員会(CCJUL)」では、欧州原子力研究開発機構(CERN)が中心となって進めているオープンアクセスプロジェクト「SCOAP3」への参加を決めています。SCOAP3の目的は、大学図書館等が学術雑誌の購入費用に充てていた資金をオープンアクセスの運営に転用し、高エネルギー物理学分野の学術雑誌をウェブ上で手軽に、しかも無料で閲覧できるようにすること。「大学図書館には、学術情報の蓄積・照会をおこない、研究者の活動を支援する役割が求められています」と中山教授は語り、学術情報を低コストで共有できるシステムの必要性を強く訴えました。

 講演の終盤には学生が「学術情報を共有するシステムを整備していく中で、今後はどのような取り組みをされる予定ですか?」と質問。中山教授は「出版社との価格交渉などを担う大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)の活動を通じて、社会の発展に役立つ学術情報を安定的に確保し、研究者の方々に提供したいと考えています」と答えてくださいました。「今日は、学術情報を共有するための様々な方法についてお話ししましたが、結論はあえて出しません。最良のビジネスモデルを考えるのは、皆さんです」と熱いメッセージを送り、約90分の講演を締めくくりました。学生たちは、中山教授の熱気あふれる話の中で、学術情報の集積拠点としての大学図書館に大きな期待が寄せられていることを知り、今後の大学図書館の役割やあり方を考究する良い機会となったことでしょう。