交流

2025年05月26日

2025年度チャレンジファンド公開コンペ

2025年3月12日(水)星が丘キャンパス5号館1階アクティブ・ラーニングスタジオ

2025年度の活動に向けて、
公開コンペがおこなわれました。

 本学では、「コミュニティ・コラボレーションセンター(以下、CCC)」を設置して、学生にボランティア活動を紹介し、学生と地域社会をつないでいます。ボランティア活動に従事した学生たちは、さまざまな経験を積み重ね、自主性や社会課題への意識を高め、社会で活躍できる人材として成長しています。さらにCCCでは、「チャレンジファンド」を制定し、学生たちのボランティア活動を支援。コンペティションを実施して、活動実績や今後の活動方針などをプレゼンテーションし、採択された学生団体に地域貢献活動に必要な諸経費が助成されます。
 2025年3月12日(水)に「チャレンジファンド2025公開コンペ」が実施され、コンペでは計9団体が参加し、各団体が地域の課題や具体的な活動予定、将来の展望などについて発表しました。
 以下では、各団体のプレゼンテーションをダイジェストで紹介します。

アミーゴ/子ども応援団体

 学生団体「アミーゴ」は、外国にルーツを持つ日本在住の子どもたちをサポートしています。現在、日本には外国にルーツを持つ子どもたちのうち、日本語支援を必要とする児童生徒数が58,000人いると言われています。ここ2年で約10,000人が増加しました。しかし、まだ日本語を十分に習得していない子どもたちは授業についていくのが難しく、クラスメイトとのコミュニケーションを楽しむことも困難な状況にあります。そこでアミーゴでは「日本語を学ぶ楽しさ」を感じる場を提供する活動を続けています。
 2025年度では、みんなで本を読む多読活動や自分の出身国について発表する場を与えるなどを実施。また大学に訪問する機会をつくって将来の選択肢を増やせるような活動に力を入れたいと発表していました。

Fsus4/音楽というコミュニケーションで1つになろう

 「Fsus4(サスフォー)」は、地域のデイサービスセンターや障がい者支援施設で訪問演奏をおこなっています。地域に笑顔を増やし、違いを理解することを目的としており、今回のプレゼンテーションでは、「大学生と障がい者との関わり」や「高齢者の余暇活動」についての調査を報告。そこには19〜29歳の若い世代は社会貢献意識が高いものの実際には障がい者との関わる機会が少ないことが浮き彫りになっており、また高齢者の余暇活動は生きがいに繋がっていることがわかりました。そこで2025年度は定期演奏を通じてこれまで以上に継続的な関係性を構築し、さらに施設ごとに年齢層や身体の状態を把握して楽曲を選択してみんなが楽しめる場を作りたいと意欲を高めていました。

きらきら☆したら/伝えよう、きらきら輝くしたらの魅力

 「きらきら☆したら」は、少子高齢化や伝統行事の担い手不足などの問題を抱える愛知県設楽町の人々と交流し、そこで学生たちが感じた魅力をイベントやSNSで発信しています。主な活動は3つあり、1つは地域を訪問して奉納歌舞伎や源流フェスに参加して地元の人と交流すること。2つ目は学祭やワークショップなど地域外で設楽の魅力をアピールすること、そして3つ目がInstagramを活用したSNS運用です。2025年はこれらを継続するだけでなく、数値目標を決めて取り組むと発表。地域外のイベントではアンケートを実施し「認知度50%」を目標にPR活動を続けていく予定です。SNS運用では自分たちがまたリピートしたくなる景色や場所をどんどん発信していくことができたらと思います。

そとそと/おいでん!豊田市魅力の町

 「そとそと」は2021年から活動をスタートし、主に豊田市足助、下山地区の地域課題に対して取り組んでいます。
 足助地区香嵐渓は紅葉シーズンには非常に多くの人が訪れます。しかし、冬季の観光客は少ない状況です。紅葉以外の豊田市の魅力を伝えることで関係人口が増えるよう、SNS発信や大学にてパネル展示をおこなっています。また、野生鳥獣による農作物被害も深刻です。多くの人にこのジビエの現状を知ってもらえるよう、学修後にジビエフランクの販売や鹿皮を使ったがま口ワークショップを開催しました。次年度は課題に関する勉強会を増やし豊田市の魅力やジビエについてさらに深く理解する機会を設けて、発信力を高めたい思います。また、新たなジビエ商品を考えるつもりです。

ユニこまPlus+/自分色を表現できる社会に

 「ユニこまPlus+」は障がい者の支援を目的とした団体で、主に「被服のリメイク活動」や障がい者でも楽しめるスポーツ「ボッチャの普及活動」などをおこなっています。障がいの特性によっては被服の着脱や排泄が困難であったり、着たい服が着られないという悩みを持っている方がいます。そこで「ユニこまPlus+」で当事者と被服関連企業をつないで、被服をリメイクし、好きなファッションを楽しめるように提案。そしてボッチャの普及ではトワイライトスクールで小学生とボッチャを楽しみ、障がい者への理解を促しました。2024年は対象者が見つからず被服のリメイク活動ができなかったため、2025年度は障がい者支援団体と協力して対象者を見つけ、ファッションショーの開催までつなげたいと意欲を高めていました。

エコのつぼみ/里山保全を地域住民の力で

 愛知県美浜町の里山保全に努める「エコのつぼみ」が取り組んでいる社会課題は、放置竹林問題です。そこで「エコのつぼみ」では、学生が竹林整備のために足を運び、さらにワークショップやトワイライトスクールでの授業を通じて竹害についての認知を広めています。竹林整備は美浜町でおこなってきましたが、次年度は名東自然倶楽部さんとも連携し、身近な名東区でも放置竹林問題の解決に貢献することになりました。美浜町での竹林伐採活動は引き続き継続して、美浜町で作られた竹炭を活用した消臭グッズを作るワークショップを開催するなどして、今後もさまざまな世代に向けて環境保全意識を高めていきたいと語りました。

チームわんわん/ワン・アシスト

 「チームわんわん」は手足が不自由な方をサポートする介助犬の認知度向上を目指して、啓発活動を続けています。大学祭や地域の児童施設でクイズをはじめとしたレクリエーションを実施して、参加者に楽しみながら介助犬について知る機会を創出してきました。2024年は小学校でも啓発活動がおこなわれ、さらに活動の幅が広がっていることを実感。2025年度は介助犬ユーザーやユーザーを支える人たち、そして自分たちにとっても暮らしやすい社会をつくるため、活動の幅を広げていきたいと発表。子どもたちを対象としたイベントに加えて、大人の方々や企業に向けたイベントも実施したいと語りました。これらの活動を通じて、介助犬の同伴拒否や社会参加のしにくさといった現実的な問題に直接アプローチしていく予定です。

らぶ♡やお/子どもの居場所づくり

 「らぶ♡やお」は子どもの貧困問題に注目し、子どもたちの居場所づくりに取り組んでいます。「子どもたちにバランスの良い食事や人と関わる機会を提供したい」という思いのもと、NPO法人楽歩さんと連携しながら、県営住宅に住む子どもたちへのお弁当配りをサポートし、積極的にコミュニケーションを図ることで関係性構築に努めてきました。
 2025年度は県営住宅の子どもたちを対象とした「あそび場」の提供を新たな活動として掲げました。こうしてお弁当配りに加えて、遊びを中心とした居場所を提供することで、子どもたちと顔を合わせる機会が増え、また子どもたち同士のコミュニテイが創出されると考えています。

コミュカフェ/コミュカフェという「タネ」から つながりという「花」を咲かせようプロジェクト

 「コミュカフェ」は特別養護老人ホームとケアハウスの一角を活用して、レクリエーションの機会を設け、地域住民や施設利用者との交流のきっかけづくりに励んでいます。近年では地域のつながりも希薄になり、独居世帯の孤独化も社会問題になっています。「コミュカフェ」では、各施設でコミュニケーションを促すことで、地域のつながりをつくり、さらに施設利用者に関しては健康状態を把握しやすくして認知症対策につなげています。2025年度は地域での認知度を高めて、参加者を増やしていきたいと語り、「コミュカフェなら困りごとも相談できる」と言われるような安心安全な場づくりをめざしています。