追究

2025年12月16日

ビジネス学部 チャレンジプログラムB(日比谷花壇)最終報告会

2025年8月1日(金)星ヶ丘キャンパス55C教室

日比谷花壇様のご協力のもと、
ポップアップストアの企画を立案。
最終報告会を実施しました。

 ビジネスの現場で必要となる経済学・経営学・マーケティング・会計などを、理論と実践の両面から学ぶ本学のビジネス学部では、企業と連携した実践的な学びを数多く展開しています。本年度も、現実の課題に対して企画を立案する授業「チャレンジプログラム」を実施しました。
 今年度は、日比谷花壇様のご協力のもと、ポップアップストアの出店企画に取り組みました。
 ここでは、2025年8月1日(金)におこなわれた最終報告会の様子をお伝えします。

●チームA

 チームAが提案したのは「生け花体験」です。単に生け花を楽しむだけでなく、生け花を通じて独創性や感性を刺激し、心身のリフレッシュを図ることを目的としています。多忙な現代人が生け花を体験することで、自分自身と向き合う時間を持ち、生け花を教えてくれる先生たちとのコミュニケーションを楽しむ場を提供することで、花が持つ魅力を伝えます。
 開催場所は、多くの人が行き交う久屋大通公園テレビ塔広場を想定しており、約50人(25組)の参加を目指します。企画では、想定費用なども算出されました。
 日比谷花壇様からのフィードバックでは、「生け花福祉」という言葉が用いられ、忙しい人々だけでなく高齢者などにも楽しんでもらえるよう、人と人が触れ合うコミュニケーションの機会としても活用したいとの提言がありました。

●チームB

 チームBは外国人観光客をターゲットに、日本の和文化を伝えるポップアップストアを提案しました。「公園で楽しむ生け花」と題し、お花見のシーズンに、桜の名所としても知られる名城公園での開催を想定しています。外国人観光客に生け花を体験してもらった後も楽しめるよう、「フォトブース」の設置や、花を持ち帰るためのラッピングなど、細やかな配慮がなされており、イベントとしての着眼点の良さが際立っていました。
 さらに、想定客数や費用感なども細かく算出されており、日比谷花壇様からも高評価をいただきました。
 同様の内容で鶴舞公園での開催も企画するなど、今後の展開が期待されるプレゼンテーションとなりました。

●チームC

 チームCは「わたしの咲かせる花」と題し、「性格診断」と「オリジナル花束」を組み合わせ、性格を花束で表現するポップアップ企画を提案しました。来場者はスタンプラリー形式で質問に回答し、最終的にひとつの花束が完成する仕組みとなっており、心理テスト感覚で花束の出来上がりを楽しむことができます。質問内容は「何もしていない時はどんな気持ちになる?」など、自分の性格や傾向に関するもので、「A:不安になる(ラベンダー)」「B:退屈だ(ガーベラ)」といった回答によって花の種類が選ばれます。
 ターゲットは10〜20代。この世代は自己肯定感が低い傾向があり、最近ではMBTI診断などの性格診断が流行していることから、花を通じて自分に自信を持てるような企画に至りました。このアイデアには日比谷花壇様も深く共感され、花の価値やギフト需要を高めるきっかけになるとの講評をいただきました。
 そして、このアイデアをさらにブラッシュアップし、11月15日(土)、久屋大通公園でポップアップストアを出店することになりました。

●チームD

 チームDは「花×性格×古着=新しいわたし。」をコンセプトに、特別なものと身近なものを掛け合わせて“新しい自分”に出会うことを目指した企画を提案しました。来場者は古着を使って花をつくり、その後、自分の性格に合ったキャラクターを選び、それらのイメージをもとに花束を仕上げてもらいます。
 若い世代の中には「生花は手入れが大変で買いづらい」と感じる人も多くいますが、古着という身近なアイテムを使って花束をつくることで、日常の中で気軽に花を楽しんでもらうというアイデアです。会場は大須商店街のギャラリースペースを想定しており、ショッピングや街歩きを楽しむ若者層の取り込みを狙っています。
 また、古着のリメイクはSDGsの観点からも社会課題の解決につながるとして、高い評価を得ました。

●チームE

 チームEは「ネガポジ変換」と題し、花と性格診断を組み合わせた花束づくりを提案しました。チームCとコンセプトは似ていますが、チームEでは花言葉が添えられており、3つの質問に答えることで自分の性格がわかる仕組みになっています。さらに、その性格を「ポジティブ」と「ネガティブ」の両面から表現する点が特徴です。
 例えば、ネガティブ面では「自己満足的」と診断された場合でも、ポジティブ面では「カリスマ的リーダー」と解釈することができ、自分の性格の両面を知ることで、自分を好きになるきっかけをつくります。
 日比谷花壇様からは、「ネガポジ変換」というキーワードが若い世代に響きやすいとの嬉しいお言葉をいただきました。

●チームF

 チームFはファミリー層をターゲットに、「花で作る家族の思い出づくり」をコンセプトとした企画を提案しました。親子で参加するポップアップストアとして、お互いをイメージした生け花をし、その後、似顔絵を描き合います。最後に花の種をプレゼントし、家庭で一緒に育てることで、親子の絆を深めるアイデアです。
 会場は雨天でも開催可能な利点を考慮し、栄のオアシス21を想定しています。日比谷花壇様からは、「オアシス21はさまざまなイベントが開催されているので、ファミリー向けイベントが行われる日に合わせて実施すれば、より多くの人に楽しんでもらえそうですね」とのコメントをいただきました。

 発表終了後、日比谷花壇のご担当者様より講評がありました。「多くの世代に花への関心を高めたいという思いからスタートしたプロジェクトでしたが、学生の皆さん自身が花に興味を持ち、生け花や花束が持つ価値や可能性を感じてくれたことが嬉しいです」とのお言葉をいただきました。
 最後には、本授業のコーディネーターを務められた大塚副学長からも挨拶がありました。大塚先生からは、「授業の前半では、花の生産や流通などについて学び、業界の課題を感じたことと思います。後半では、その課題を解決するために、さまざまなアイデアを模索しました。しかし、それらを実現するには、費用や時間、場所、相手の都合など、さまざまな制約があり、その中で価値を最大化することに苦労しながらもやりがいを感じたのではないでしょうか。この経験を糧に、自分に自信を持ち、さらに大きく成長していくことを願っています」と、学生へのエールが送られました。