追究

2026年07月23日

人間情報学部 キャリアデザイン科目②

2026年6月13日(土) 長久手キャンパス7号棟B2教室

警察とIT業界、それぞれの現場から学ぶ。
情報社会を支える仕事への理解を深めました。

 本学では、学生が自身の将来を見据えながらキャリア形成への理解を深められるよう、各学部でキャリアデザイン科目を実施しています。授業では、企業や団体の第一線で活躍する方々や卒業生を講師として招き、仕事の内容や働くことの意義、進路選択の考え方などを学んでいます。

 2026年6月13日(土)、人間情報学部を対象としたキャリアデザインの授業を開催しました。当日は、愛知県警察より深川裕之様、田邊雄大様、酒井聖真様、金子真大様、鈴木崚平様の5名と、一般社団法人日本プライバシー認証機構の近藤里咲様をお迎えし、それぞれの専門分野やキャリアについてお話しいただきました。

 はじめに、千種警察署の深川様より、警察官と警察職員の違いや、警察業務の幅広さについて説明がありました。警察官は犯罪の取締りや予防、人命救助などを担う公安職である一方、警察職員は行政職として情報管理などの業務を担うことを紹介。交番勤務や刑事、交通、警備、音楽隊、サイバー犯罪捜査など、警察の仕事は学生たちが想像する以上に多岐にわたることが伝えられました。学生たちは、警察という仕事の中にも、自分の特技や学びを活かせるさまざまな可能性があることを知る機会となりました。

 続いて、情報管理課の田邊様からは、警察業務を支える情報システムについてお話しいただきました。落とし物検索や運転免許証に関するシステム、110番通報システムなど、学生にとっても身近な仕組みの裏側で、情報管理課がシステム開発や保守、ネットワーク管理、情報セキュリティなどを担っていることが紹介されました。システム開発では、要件定義から設計、開発、テスト、運用まで幅広く関わることができ、完成した時には達成感や自身の成長を感じられると語られました。情報分野を学ぶ学生にとって、自分たちの学びが社会の安全を支える仕事につながっていることを実感する内容となりました。

 情報技術戦略課の酒井様からは、サイバー捜査官の仕事や、情報技術を社会でどのように活かしていくかについてお話しいただきました。スマートフォンやパソコンに残されたデータを解析し、犯罪の証拠を見つけ出すデジタル・フォレンジックの仕事を紹介。さらに、生成AIやデータ分析などの技術も、ただ使うだけではなく、目的や限界を理解したうえで活用することが重要だと話されました。また、大学での基礎的な学びや研究、人とのつながりが現在の仕事にも活きていると説明し、学生たちへ「キャリアプランは完璧でなくてもよい」「まずは自分がどの方向に進みたいのかを考えることが大切」とメッセージを送りました。

 最後に、本学人間情報学部の卒業生である金子様からは、大学時代の過ごし方や就職活動、現在の交番勤務についてお話しいただきました。ゼミや部活動、アルバイトに取り組みながら就職活動を進めた経験や、現在は地域課の警察官として110番通報への対応、巡回連絡、交通違反の取締りなどに携わっていることを紹介。学生に近い立場の卒業生からのリアルな経験談に、学生たちは自分自身の将来と重ねながら耳を傾けていました。

 講義後の質疑応答では、休暇制度や警察官としての私生活での意識、警察学校への不安、仕事のやりがい、就職活動に向けた勉強方法など、学生から多くの質問が寄せられました。仕事のやりがいについては、事故現場などで感謝の言葉をもらった時や、解析したデータが事件解決につながった時、開発したシステムが現場の業務改善に役立った時など、それぞれの立場から具体的なエピソードが語られました。

 続いておこなわれた2講義目では、人間情報学部第1期生である一般社団法人日本プライバシー認証機構の近藤様からご自身のキャリアや就職活動の経験についてお話しいただきました。学生時代のエピソードから現在の仕事に至るまでの歩みが紹介され、将来の働き方や進路について考えるきっかけとなる講義となりました。

近藤様は在学中にITパスポートや図書館司書資格を取得し、卒業後はIT企業に入社。図書館システムを担当するシステムエンジニアとして、全国各地の図書館システムの構築や運用に携わってきた経験を紹介しました。図書館の貸出システムや検索システム、AIを活用した資料検索機能など、私たちの身近なサービスを支える仕事について具体的に語られ、学生たちはIT技術が社会のさまざまな場面で活用されていることを実感している様子でした。

 また、現在は日本プライバシー認証機構へ転職し、企業の個人情報管理体制を審査する業務に携わっていることも語られました。ニュースなどで目にする情報漏えい問題を例に挙げながら、企業が安心してサービスを提供できる環境づくりを支える仕事について説明。IT分野には開発以外にも多様なキャリアがあることを学びました。

 仕事内容についても詳しく紹介があり、システム開発はプログラミングだけでなく、お客様への提案から運用サポートまで幅広い工程で成り立っていると説明されました。技術力はもちろん、相手の話を理解し、自分の考えを分かりやすく伝えるコミュニケーション力の重要性も強調され、学生たちは社会で求められる力について理解を深めました。

 さらに、ご自身の就職活動の経験をもとに、業界研究や企業研究、OB・OG訪問の大切さについてもお話しいただき「誰かのキャリアがそのまま自分の正解になるわけではない」「自分がどのような働き方をしたいのかを考えることが大切」というメッセージを送りました。

 質疑応答では就職活動に直結する質問が多く挙がりました。自己PRについての質問に対し近藤様は、ご自身のアルバイト経験をどのように自己PRへつなげたのかを紹介しながら、特別な経験だけでなく、日々の取り組みの中にもアピールできる要素があると説明されました。
 そのほか、SEとして働く中で感じたやりがいや苦労、転職を決意した理由、出社とリモートワークそれぞれの良さなど、実際に社会で働く卒業生ならではの率直な経験談も語られ、学生たちにとって、働くことをより身近に感じながら、自分に合った進路や働き方を考えるきっかけとなる質疑応答の時間となりました。

 学生たちは、実際に社会で活躍する卒業生だからこそ語れるリアルな体験談に耳を傾けながら、自分自身の将来像やキャリアについて考える貴重な機会となったことでしょう。