愛知淑徳大学 体験講義 2015 レポート

平成27年10月12日(月・祝) 長久手・星が丘キャンパス

高校生に“リアルな大学”を知る機会を提供。
将来の目標や夢につながる、体験講義を実施しました。

 高校生の皆さんを対象に、大学で学ぶ目的や将来の目標を見つけてほしいと愛知淑徳大学が実施している「体験講義 2015」。大学生と共に通常授業を受けることができ、高校生にとって、より“リアルな大学”を知るきっかけになっています。長久手キャンパスの開会式では、高大連携推進委員の永井 聖剛先生が「今日はありのままの大学を体験できる唯一の機会です。授業はもちろん、ぜひ休み時間の学生の様子や大学周辺の環境にも目を向けてみてください。そして、今日の体験講義がこれからの勉強のモチベーションにつながることを期待しています」と挨拶。その思いに応えるように、高校生はそれぞれの授業に参加し、大学ならではの専門性の高い学びの奥深さを実感しました。今日の体験講義をきっかけに、自らの目標に向って、大きく一歩、踏み出すことでしょう。


授業PICK UP 長久手キャンパス

文学部 国文学科「中国文学講義b」
担当:寺尾 剛 4号棟3階 433

 授業で取り上げたのは、最も古い七夕伝説と言われる孔子の『詩経』。ホワイトボードに漢文を書きながら、中国に伝わる牽牛(けんぎゅう)と織女(しょくじょ)の恋物語を解説しました。ストーリーの背景にある中国の文化にも触れながら文学の奥深さを説明した寺尾先生。次から次へと展開される寺尾先生の話に、高校生は熱心にメモを取り、耳を傾けていました。

中国で暮らしていた寺尾先生は実体験をもとに、中国の昔話について解説しました。

ホワイトボードに次々と書き込まれるキーワード。高校生は大学ならではの学びを体感しました。


人間情報学部 人間情報学科 「認知情報システム論」
担当:三和 義秀 8号棟2階 825

 「皆さんは、悲しくなりたい時にどうやってぴったりの本を選ぶでしょうか?」。そんな問いかけから始まった三和先生の授業。性格や脳の働きによって、読書をした後の感情はどう変わるのか、実際に学生たちを対象におこなったアンケートや海外の事例をもとに授業を進めました。人の心と情報の関係をひもとくことで、人間の不思議さにも触れられる授業となりました。

パワーポイントやビデオを用いて解説する三和先生。高校の授業とはひと味違った授業でした。

手元のレジュメとスライドを見比べながら、先生の解説に聞き入る高校生たち。


健康医療科学部 スポーツ・健康医科学科「バイオメカニクス」
担当:池上 康男 11号棟5階 11501

 フローリングの床の教室でおこなわれた池上先生の授業。物理学に基づく運動時の身体の動きをテーマに授業が進みました。床に埋め込まれたプレート上を学生が歩くと、その動きがグラフ化されて、スクリーンに映し出される仕組み。高校生も実験に参加し、プレート上で垂直跳びをして力の加わり方などを体験的に学修しました。

池上先生もプレート上を走ったり、歩いたり。身体を動かしながら解説しました。

実験と解説がリアルタイムで進む授業に、高校生も興味津々といった様子でした。


文学部 英文学科「専門演習II ― Becoming a good translator ― 」
担当:Isabelle BILODEAU 1号棟4階 1412

 この授業では高校生も含めて15人という少人数クラスで、ネイティブの先生からじっくり翻訳のスキルについて学びました。この日は英単語の種類について解説した後、日本語のアニメ『赤毛のアン』を題材に、実際にどのように英語で翻訳されているのかを高校生と大学生がペアになって話し合いました。全編英語で進行される、質の高い学びを体験することができました。

「梅雨は英語で何と言うでしょう?」。学生一人ひとりに問いかけながら授業を進めるビロドー先生。

先生の英語を聞き漏らすまいと、真剣な表情の高校生たち。大学生とペアになって授業を受けました。


創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻「空間設計IV」
担当:清水 裕二 8号棟5階 プレゼンテーションルーム

 高校生がまず取り組んだのは「マショマロチャレンジ」。マショマロとパスタなど、決められた材料だけを使用し、一番高い塔を作ったチームが優勝という、建築の構造が学べるゲームです。大学生と一緒になって競い合った後は、学生たちが取り組んだ「人の居場所をつくる」という課題のプレゼンテーションの審査員として参加。能動的な学びが凝縮した授業でした。

*2016年4月、メディアプロデュース学部より名称変更

各グループをまわる清水先生。高校生のおもしろいアイデアに先生も感心。

大学生と一緒になってアイデアを絞り出す高校生。楽しみながら大学の学びを体験しました。


福祉貢献学部 福祉貢献学科 社会福祉専攻/子ども福祉専攻(学部共通)「相談援助の基盤と専門職II」
担当:末田 邦子 7号棟3階 732

 社会福祉士が担う相談援助、その仕事の内容や援助方法などを学ぶのがこの授業です。第3回目となる今日の講義では「ソーシャルワークの権利擁護」をテーマに解説。権利擁護の種類や介護される当事者を主体的に支援者が関わることの大切さを伝えました。高校生たちはレジュメにキーワードを書き写しながら、社会福祉士の仕事について理解を深めました。

「相談援助は利用者主体が基本です。実習に行くとその大変さに気づくはずです」と末田先生。

講義とDVDで相談援助について深く理解した高校生。夢につながる授業にその眼差しも真剣。


授業PICK UP 星が丘キャンパス

交流文化学部 交流文化学科「観光文化2(観光マネジメント)」
担当:加納 和彦 4号館2階 42A

 「なぜ人は旅に出たくなるのでしょう」と質問を投げかけ、学生の考えを引き出しながら講義を進めた加納先生。旅の心理学、国内外の観光ビジネスの現状、旅行会社が企画するパッケージツアーの利点などについてわかりやすく解説しました。経済や地理、文化などの幅広い知識が必要となる観光学の奥深さに、高校生は関心を高めているようでした。

旅行会社で実務経験を重ねた加納先生が、「旅」「観光」を学ぶ意義を伝えました。

旅先での経験を思い返しながら、真剣に受講していた高校生たち。


ビジネス学部 ビジネス学科「企業論」
担当:浅井 敬一朗 5号館5階 55B

 さまざまなステークホルダー(利害関係者)との関係によって成り立つ「企業」。その構造や実態を理解するために、世界的に有名な企業のマーケティング活動や途上国での雇用問題などを例に挙げ、企業経営のあるべき姿を考察しました。企業は社会に対してどのような責任を果たすのか、社会から何を期待されているのか、理解を深める時間となりました。

企業の経営目的・活動について、わかりやすい言葉で解説した浅井先生。

「株式会社のステークホルダー」を書き出すワークでは、高校生たちも積極的に発言。


ビジネス学部 ビジネス学科「ゼミナールⅣ」
担当:真田 幸光 1号館5階 15C

 東アジアの地域経済や国際金融をテーマとする真田ゼミでは、専門知識だけでなくビジネスパーソンとしてのマインドや思考力、行動力などを修得する実践的な学びを重視しています。この日は3年生が就職活動を想定した模擬面接を実施。ディスカッションしながら「相手に伝わる自己PR」を模索する学生の姿に、高校生は憧れのまなざしを向けていました。

「仲間と議論して新たな学びを創る。それが大学です」と高校生に語りかけた真田先生。

模擬面接のグループワークに高校生も参加しました。


グローバル・コミュニケーション学部 グローバル・コミュニケーション学科「Persuasion」
担当:Danny T.MOLDEN 4号館2階 42C

 「English is fun and useful!」とメッセージを贈り、英語コミュニケーションの豊かな表現方法を伝えたモルデン先生。この授業はすべて英語で進行しました。「なぜ・誰が・どこで・いつ」を明確に話すことの大切さ、発音をよくする口の動かし方などをわかりやすく解説。初めは緊張気味だった高校生たちも「ALL ENGLISH」の学びを楽しみました。

リラックスして英会話を楽しめるよう、モルデン先生は笑顔でレクチャー。

ゲームを取り入れた体験型授業に、自然と引き込まれる高校生たち。


グローバル・コミュニケーション学部 グローバル・コミュニケーション学科「Introduction to Communication」
担当:平田 亜紀 4号館2階42C

 コミュニケーションとは何か?コミュニケーションを学ぶことで何ができるようになるのか? そうした問いに応える学びに、高校生たちは英語を使って取り組みました。「自分をアイスクリームの味に例えて自己紹介しよう!」というワークがおこなわれ、さまざまな個性を持つ人と互いに理解し合うことの楽しさ、尊さを一人ひとりが実感しました。

平田先生は、高校生にやさしく話しかけ、思いを引き出していました。

英語に限らず「ことば」を使ったコミュニケーションそのものを考える時間になりました。

* 2016年4月、グローバル・コミュニケーション学部 開設