報告

2015年02月19日

愛知県主催「多文化共生フォーラムあいち 2014」

多文化共生フォーラム

平成26年11月22日(土) ウィルあいち3階 大会議室

本学教育学科・小島祥美准教授がコーディネーターを務め、
愛知県の「多文化共生フォーラムあいち 2014」が開催されました。

 愛知県には約20万人の外国人が暮らし、地域のさまざまな分野で活躍しています。また、公立学校における日本語指導が必要な児童生徒の人数は全国最多。少子化にともなう若年労働者の減少やグローバル化の進展により、今後も在住外国人が増え、教育や生活・就業サポートなどの充実もますます求められるでしょう。こうした時代において、日本人、外国人ともに互いの文化や価値観を認め合い、共に学び、共に働き、共に笑顔で暮らす"多文化共生社会"に向けた取り組みが進められています。
 11月22日(土)、名古屋市のウィルあいちにて愛知県主催「多文化共生フォーラムあいち 2014」がおこなわれ、県民、教育機関、NPO、行政など多様な立場から多文化共生のあり方を考えました。司会進行やコーディネーターを務めたのが、本学文学部教育学科・小島祥美准教授。「多文化共生と教育」をテーマに、外国人児童・生徒の未来への可能性を広げる教育や学習支援の実現をめざし、行政やNPOとの協働や次代を担う教員養成に力を注いでいます。

 今回のフォーラムでは、多文化共生作文コンクール優秀作品朗読、多文化共生に関する鼎談、パネルディスカッションなどを実施。子どもから大人まで、さまざまな目線に立って多文化共生社会の実現を見据え、共によりよい未来をつくるための意見交換や思いの共有をおこないました。
 本学の理念「違いを共に生きる」には、性別、国籍、言葉、文化、障がいの有無などさまざまな違いを認め合い、互いを尊重し合って誰もが"自分らしく"生きる社会への思いが込められています。この理念を胸に、各専門分野を究めた学生たちが社会へ羽ばたき、多文化共生社会の担い手として活躍することを願っています。

◆鼎談「多文化共生による持続可能な地域づくり」
多様性を認め合うこころを、愛知県から全国に広げよう。

 愛知県知事・大村秀章氏、名古屋外国語大学学長・亀山郁夫氏と小島准教授による鼎談では、「"多様性"を認め合うことが持続可能な社会をつくる」という見解に立って話を展開。「国を越えて人と人が共感し合う、トランスナショナル・アイデンティティの養成を大学などの教育機関でおこない、多文化共生を担う人材を育成する」「外国人が日本語教育の人材を育成する」「医療や防災などでの通訳ボランティア、通訳システムを広げる」など、さまざまな取り組みが語り合われました。そして、愛知県が「日本の多文化共生モデル地域」となるよう協働の輪を広げていくことの決意を共有。小島准教授が「地域で暮らすすべての人、すべての子どもたちが活躍できる次代の社会づくりに、タッグを組んで挑みましょう」と締めくくると、会場からは賛同を示す大きな拍手がわき起こりました。

◆パネルディスカッション「次世代へつながる多文化共生社会」
すべての子どもたちが、"自分らしさ"を発揮できる社会へ。

 「次世代へつながる多文化共生社会をつくるには、外国にルーツを持つ子どもたちの教育が重要になります」という、コーディネーターを務めた小島准教授の語りかけからスタート。パネリストは、名古屋外国語大学学長・亀山郁夫氏、外国人生徒を対象としたキャリア教育事業をおこなう特定非営利活動法人フロンティアとよはし理事長・河村八千子氏、豊田市立中学校教員・伊木ロドリゴ氏、Pas a Pas~多国籍青年ネットワーク代表の大学生・大島カーリン氏の4名。外国にルーツを持つ子どもの視点、彼らを支援する大人の視点、その両面から、日本語を母語としない子どもの教育や高校・大学への進学支援、キャリア支援などについてディスカッションしました。"外国人"として差別するのではなく、"その子自身"を見つめ、"同じ地域に住む子ども"として見守り、サポートしていくことが一人ひとりに求められると語り合いました。