追究

2018年01月19日

創造表現学部 学生企画イベント「美術館とソーシャルメディアの可能性―シェアされるアート。森美術館の取り組みと、これから―」

創造表現学部 学生企画イベント「美術館とソーシャルメディアの可能性―シェアされるアート。森美術館の取り組みと、これから―」

2017年11月24日(金) 長久手キャンパス 512教室

学生がやりたい企画・イベントを実現。ソーシャルメディアの可能性と未来についての講演会を開催しました。

 創造表現学部とメディアプロデュース学部※では、所属する学生が、あこがれの作家・アーティストの講演会を開催するために企画を立案するプロジェクトをおこなっています。企画審査会でプレゼンテーションし、企画を採用された学生が、約3カ月間かけて講演会の実現のためにプロジェクトを進めます。
 今回は「美術館とソーシャルメディアの可能性」をテーマに、長谷川紗彩さん(メディアプロデュース学部3年※)が、洞田貫 晋一朗さん(森美術館 マーケティンググループ 広報・プロモーション担当)を招き、講演会を実施しました。

創造表現学部 学生企画イベント「美術館とソーシャルメディアの可能性―シェアされるアート。森美術館の取り組みと、これから―」

創造表現学部 学生企画イベント「美術館とソーシャルメディアの可能性―シェアされるアート。森美術館の取り組みと、これから―」

 講演会の中で洞田貫氏は、昨今美術館の来場者(特に若年層)が減っている現状を踏まえ、マーケティング調査や様々なプロモーション活動を行う中で、森美術館ではメディアでの発信に目を向けたこと。現在、企業がメディア戦略をするにあたり、トリプルメディア「owned media(自社のwebサイト)、paid media(支払いを必要とする広告)、earned media(消費者のSNS)」が活用されている中、そこに4つ目のメディアを投入し、プロモーション活動を行っていることを紹介されました。
 この4つ目のメディアは、"shared media"と呼ばれ、来場者がSNSで投稿したコンテンツをシェアしてもらうように働きかけるものです。写真の撮り方やハッシュタグの付け方などを記した看板を入口に置いたり、フリーWi-Fiを飛ばし、その場で拡散してもらうようにしているそうです。その成果もあって、森美術館では、SNSを多用する40代以下の来場者が増えました。
 「今まで、写真撮影が禁止だった美術館が多く、それが古き良き美術館の在り方でもあると思います。しかし、メディアが世を席巻しているこの時代において、ソーシャルメディアは必要になってくるのではないかと、私は考えています」と語られた洞田貫氏。メディアと社会の関わりを学ぶ創造表現学部とメディアプロデュース学部の学生にとって、ソーシャルメディアとプロモーションの現状と未来を考える、有意義な講演会となりました。

学生インタビュー

今回の経験を糧に、興味のある世界に飛び込み、挑戦したいと思います。

創造表現学部 学生企画イベント「美術館とソーシャルメディアの可能性―シェアされるアート。森美術館の取り組みと、これから―」

メディアプロデュース学部 3年※
長谷川紗彩さん

 私は、アート作品を観賞することが好きで、先駆的なイベントや展示物を多く手掛ける森美術館に、定期的に足を運んでいました。そして今回、依頼させていただいたのは、若年層の集客に成功している森美術館さんのプロモーション活動が、卒業論文のテーマ「美術館とSNSとポピュラー文化」にもつながると思ったからです。
 最初は、森美術館のwebサイトから問い合わせ、8月頃から本格的にプロジェクトを始動しました。しかし、講演内容が固まる中、講義の集客に難航しました。フライヤーを作って大学で配ったり、SNSで呼びかけたりしましたが、今回のイベントを満席にすることができませんでした。その一方で、美術に興味のある大学外の参加者が多かったのが印象的でした。この結果を受けて、愛知県内の芸大や近隣の美術館など、ターゲットを絞って告知をすれば良かったと反省しました。これは、講演のお話にもつながることで、美術に興味のあるターゲットへ告知することで、そこから情報が拡散し、多くの集客が望める。講義内容と取り組んだプロジェクトの重なる部分に気づけたことで、プロモーション戦略を立案するための力を養うことができたように感じています。本イベントに協力していただいた森美術館さんへの感謝の思いを深くするとともに、今回の経験を糧に、今後の学修や研究、就職活動に活かし、何事にも挑戦し続けたいです。

※メディアプロデュース学部は、2016年4月より創造表現学部に名称変更