追究
2025年07月11日
建築学部 清水ゼミ 愛知万博20周年記念事業 愛・地球博20祭「彩の回廊」
2025年度 地域・ボランティア活動 建築学部(2025年4月開設)

2025年4月26日(土)〜5月25日(日) 愛・地球博記念公園
県内12団体24チームの作品が愛・地球博記念公園に集結!
清水ゼミの学生たちが自然の叡智をテーマにした大型作品を展示しました。
建築学部*の清水ゼミでは、建築や都市についてのデザインを通して現代社会の課題解決に取り組んでいます。ゼミ生たちは年間を通じてさまざまなプロジェクトに参加しており、大学近隣の自治体や団体と連携した地域活性化プロジェクトや空きアパートのリノベーションなどテーマは幅広く、複数のプロジェクトを通じて多角的な視点を磨きながら、よりよいまちづくりへの提案や設計・企画力の向上に挑戦しています。
その一環として、清水ゼミのメンバーが愛・地球博20祭「彩の回廊」に参加しました。これは愛知万博の開催20周年を記念する事業の1つで、県内12大学、24の学生チームが集い、愛・地球博20祭の会期中の愛・地球博記念公園でインスタレーション(空間演出)を行う常設展示イベントです。園内4か所の展示スポットに設置された大型のモジュールに、学生たちが創意工夫した個性豊かな大型作品が設置され、来場者を楽しませました。
今回、清水ゼミが作品を展示したのは、愛・地球博記念館周辺の階段。もともとあった木製のモジュールに竹を入り込ませるようにあしらって森の中にいるような空間を表現しました。
作品の制作にあたっては「見る人に季節の移ろいや自然の美しさを感じられる空間を楽しんでもらう」「愛知万博のテーマであった〝自然の叡智〟から学び、それを次世代へ受け継いでいく」というテーマが与えられており、清水ゼミはその中で「5月」を担当。プロジェクトリーダーを務めた藤本さんは「桜が散って新緑が芽吹く季節を表現することを意識しました」と話し、ゼミ生たちと意見を出し合って竹を使った作品を設計しました。
作品に使う竹は、長久手市のながくて里山クラブさんにご協力をいただき、竹林整備で伐採した竹を使用することに。2月にはゼミ生たちが竹林整備に参加し、環境保全の観点から竹林整備の重要性や廃棄される竹の再利用などについても考える良い機会になりました。
デザインにおいては、竹をどのように設置すれば森のようになるのか、質量や耐久性などにも考慮しながらデザインするのが難しかったと話し、先輩たちに尋ねながら設計を進めました。
また施工では、学内でシミュレーションをしたものの、現場に訪れると図面だけでは気づけなかった学びも得られた様子。当初は竹を紐で固定する予定でしたが、現場では強度を考えて、急遽、ビス止めを加えることに。これにより固定箇所が増えて設置の手間がかかったことなど、やってみないとわからないことが多々あり、大きな学びにつながりました。
さらに展示後は造園業者の協力を得て、使用した竹をチップに加工する予定です。竹チップは木の根本に蒔くと、雑草対策や土壌改良、根の保護に役立つとされており、長久手市の公園整備での活用が期待されています。
こうして環境循環を体現できる作品づくりができるのも清水ゼミの大きな学び。1ヶ月間の作品展示の間、多くの来場者に憩いと自然の豊かさが届けられることでしょう。
学生コメント
創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻*
4年藤本春喜さん
既存のモジュールをいかし、竹をどのように設置したら森のようになるかを考えました。自然のように不規則にデザインしたかったのですが、施工の難しさに直面し、実際には安全性を優先し、「できる範囲でどうやって理想の形を実現させるか」について考え抜きました。
設置期間となる4月〜5月は晴れる日が多い季節。階段で立ち止まって上を見上げ、竹の隙間からの木漏れ日を味わってほしいです。
*創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻は2025年4月より、建築学部になりました