追究

2023年09月29日

創造表現学会主催『「伝える」から「伝わる」へ。 誰でもできるキャッチコピーづくりワークショップ』 池端宏介氏講演会

2023年7月19日(水)長久手キャンパス7号館731教室

本当に伝わるキャッチコピーとは何か?
コピーライター・池端宏介氏を招いて、実践型の講演会を開催しました。

 創造表現学部の創造表現学会は、学生の創造力や表現手法の幅を広げるため、さまざまなイベントを企画しています。その中のひとつとして、2022年度にコピーライターの池端宏介氏による講演会『コピーライター的:敷居の低い地域ブランド講座』を開催。今回はその続編として『「伝える」から「伝わる」へ。誰でもできるキャッチコピーづくりワークショップ』をおこないました(通常授業の「コミュニケーションデザイン論」と重ねて開催)。

 講演会は、池端氏の自己紹介から始まりました。1978年北海道の北見市に生まれ、日本デザインセンターなどを経て、札幌市のデザイン会社(株)インプロバイドに入社。現在、コピーライターやクリエイティブディレクターとして、広告をはじめブランディングやネーミングなどを仕事としています。もともと言葉や企画することが好きで、この道を選んだそうです。

 自己紹介が終わると、池端氏はさっそく「伝わるキャッチコピーをつくってみよう」と呼びかけました。しかし、そもそも伝わるキャッチコピーとは何でしょうか?そんな疑問を見透かしたように池端氏は伝わるキャッチコピーに大切な3つの要素を挙げます。それが「共感、発見、納得」だとのこと。その中でも共感を生むキャッチコピーは、課題やテーマをさまざまな視点でとらえるため「そもそも」を使えばたくさんの視点で考えやすくなるとアドバイスされました。「そもそもそれ(課題)は何?」、「そもそもそれの価値って何?」と問い直していくことで、課題やテーマの根本を深堀りできるようになります。その他にも言い回しを広げるコツについて、事例をもとに解説。事例には「モノより思い出」、「プール冷えてます」など、学生たちが日常で目にするキャッチコピーも多く、親近感も湧いたことでしょう。

 そして講演会はいよいよワークショップに入っていきます。池端氏は「実際にコピーをつくってみよう」と提案し、いま募集中の公募のひとつ、長崎新聞社の新聞広告を紹介。そのなかから長崎市管工業協同組合が募集する「生活者に水のありがたさ、毎日の快適な水回りを感じさせるコピー」を、今回の題材としました。このテーマを満たすキャッチコピーを25分間で考えます。学生たちは、これまで池端氏がお話しされた内容を思い出しながら頭をひねり、それぞれのアイディアを紙に書き出していきます。その間、池端氏は学生たちの席の間を歩き、各自が考案したキャッチコピーを見ながらアドバイスをしていきます。また、良いコピーを選ぶ基準として「わかりやすい」、「人を傷つけない」、「共感・発見がある」、「うまいこと言うなぁ」の4つを付け加えました。
 学生たちからキャッチコピー案を集めるとそれをスクリーンに投影して講評。優秀賞には、「生活に流れを」「海水は飲めない」「動物も植物も飲む」、最優秀賞には、「友だちとのケンカもウンチも、流せるのは水だけ」「安心安水」が選ばれました。

 その他にも佳作として選んだ案にもすべて一言ずつ講評を述べくださった池端氏。最後に「みんなのキャッチコピー、いいものがたくさんありました。このような公募は随時おこなわれているので、ぜひ応募してほしい」と締めくくりました。