追究

2024年02月02日

文学部講演会 オーストラリア(アボリジニ)の文化について

2023年12月19日(火)長久手キャンパス1号棟121教室

nomin universeを主宰するご夫妻
オーストラリアでの旅の経験談から
学生たちに大切なメッセージを届けていただきました。

 12月19日(火)、新しくなった長久手キャンパス1号館の121教室で文学部講演会がおこなわれました。講師としてお招きしたのは、YamachiさんとKazuyoさんご夫婦による「nomin universe」です。nomin universeは自然との融合調和をテーマに「農・音・アボリジナルアート」を通して健やかで豊かなライフガイダンスを届けるユニット。毎日 火を焚きDjembe(太鼓)が叩ける生活をするため2010年から里山で自給自足の暮らしをはじめ、2012年にはオーストラリアで強烈な皆既日食を体験。旅をしながら始めた「サウンドヒーリング」や「アボリジナルアート」とも出合い、現在のライフスタイルを確立したと言います。

 この日は「ドリームタイム~自分らしく生きる自給自足の暮らしとアボリジナルの知恵~」と題し、ご夫妻が体験したオーストラリアでの出来事を交えながら、ご夫妻が現在のライフスタイルをどのように確立したのか、その経緯を話していただきました。
 最初にnomin universeの活動内容として農(自給自足)、音(サウンドヒーリング、音源制作)、アボリジナルアート(展示、販売)をテーマとした詳しい内容をご紹介していただきました。この中でもアボリジナルアートは現地でご縁をいただいたアーティストを探し訪ね、絵画を描いてもらう活動をすでに10年くらい続けていることをお話いただき、そのきっかけとなったオーストラリアへの体験を詳しく教えていただきました。

 2012年に皆既日食を観るためにオーストラリアへ向かったご夫妻は、ケアンズから車で3時間ほどの荒野で5日間に渡り開催された皆既日食音楽祭へ。そこで世界中から集まった人々と強烈な皆既日食の体験をし、自然に生かされていることを実感。皆既日食が終わった後、現地で知り合った人からクルマを譲ってもらい、それで旅をすることにしたそうです。アルバイトをしながらお金を稼ごうと思ったものの、なかなか見つからず、楽器店で見つけたスチールパンを購入し、これでバスキング(ストリートパフォーマンス)を始めようと思い立ちます。始めてみると大きな反響があり、バスキングで旅費を賄えるようになったそうです。そこでYamachiさんは「自分が出来ることで人に喜んでもらうことや癒すことができる」ことを学んだと言います。
 その後、美術館やギャラリーでアボリジナルアートに出合い、ご夫妻が共通して好きになったアーティストも見つけたそうです。さらに「エアーズロック(ウルル)」での3日間のキャンプを経験し、時間の概念がないアボリジナルの「ドリームタイム」の世界を体感することができました。
 さらに砂漠の街「アリススプリング」ではある家族との出会いから、アボリジナルアーティスト達との交流も生まれました。そこで出会えたのは旅する中でご夫妻が好きになったアボリジナルのアー ティスト達だったのです。その方々とはアボリジナルアートムーブメントを牽引してきた名だたる長老たちでした。そこで作品制作にも携わり、時を共にしたことでアボリジナルのことをより深く知ることができたご夫妻は、日本でアボリジナルアートを通して彼らの歴史や世界観を伝えていこうと決心し、nomin universeの活動の一翼を担うことになったそうです。
 この旅を通じてご夫妻が感じたのは、心の声に従うこと、行動すること、経験を重ねること、自分らしさ、オリジナルを大切にすること、だと話していただきました。ご夫妻の経験談を聴いた後に、この4つの言葉を聴くとその重みが全然違うことに学生たちも気づいたでしょう。

 講演の後は親交のあるアボリジナルアーティストが描いた絵画をご紹介。また、ユーカリの木でできたアボリジナルの民族楽器「ディジュリドゥ」をYamachiさんが演奏し、会は終了となりました。
 会の終わりに総合英語学科の若山先生から「思いついたことを行動に移すのは難しいこと。でも、ご夫妻はそれを軽々とやってのける。その素晴らしさに感動しました」と締めの言葉をいただきました。