追究

2025年07月29日

創造表現学部メディアプロデュース専攻 坂倉ゼミ 折本制作ワークショップ

2025年6月10日(火)長久手キャンパス 712教室

十人十色の作品が完成した折本制作ワークショップ。
後期制作に向けた作品作りのヒントや
新たな表現方法を学びました。

 創造表現学部 メディアプロデュース専攻の坂倉ゼミでは、写真表現を専門的に学んでいます。撮影技術をはじめ、展示イベントの企画立案・運営、作品の批評など、表現に関する知識やスキルを幅広く身につけています。

 2025年6月10日(火)には、3年生が折本制作のワークショップに参加し、新たな写真表現の手法を学びました。折本とは、長方形の紙に切り込みを入れ、一定間隔で蛇腹状になるよう折りたたんで1冊の本のようにしたもの。学生たちは、テーマを決めて撮影し、自身の世界観を投影した写真を1ページごとに貼りつけながら、折本によってさらに広がる表現を追求しました。

 折本制作の講師としてお招きしたのは、写真家兼グラフィックデザイナーとして地元の高浜市から海外まで幅広く活動している鷹巣 由佳様。鷹巣様は普段、紙を中心に布やアクリルなど様々な素材を用い、AI等の身近な先端技術と、偶然や確率考現学的観点から「予期せぬ予期」を探る作品制作をしています。折本制作は、まさに「予期せぬ予期」を作る作品。「基本的には同じ大きさの紙から始まるのに、切り方や折り方によっては縦長・横長で形が変わる。さらに紙の種類や印刷の仕方を選んでいけば、最後は全然違う形になるのが折本の面白いところ」と鷹巣様は話されます。

 3年生は、これから制作や展示について本格的に学ぶ段階に入ります。写真集と違い、小さくコンパクトに作ることができる折本は、写真を使った制作物の基礎を身に着ける学びの一環としても、「まずは1つの作品を完成させる体験」が得られる方法としても最適な表現方法。写真の切り貼りをするためのカッターの使い方から学べるのも、このワークショップの醍醐味です。また、坂倉ゼミでは「手作りや、アナログ的なのものから得られる感覚」を大切にしています。この折本制作でも、紙素材の手ざわり感、制作にかけた時間の痕跡や、人の手で作られた温度感でどのように作品を伝えられるのかを学べる機会となりました。

 今回のワークショップに参加した学生は、「元々、工作や折り紙で何かを作るのが好きだったので、写真を撮るだけではなくて、手作業で作品として作れるのが楽しい」「スマホや一眼で撮り方がバラバラの写真も、一つの作品になる」「折本は手遊びのような写真の楽しみ方で、見る人が楽しめる新しい展示の仕方を学ぶことができた」と話し、新たな学びの手ごたえを掴んだようです。出来上がった折本は、学生たちの自由な発想で十人十色の作品たちが並びました。今回の学びは、後期に開催予定の「図書館ではお静かに展」で発表する作品の制作に活かされていきます。この展示は図書館を舞台にした作品展で、坂倉ゼミの学生たちの作品を発表する場。今回の学びを得た3年生たちが、後期でどのような作品作りを行っていくのか、期待が高まります。