追究

2025年07月25日

交流文化概論 留学生別科 学生プレゼンテーション

2025年6月2日(月)星が丘キャンパス 25A教室

留学生別科の学生が、日本での留学生活についてスピーチ。
異文化について理解を深め、留学へのモチベーションを高める機会となりました。

 交流文化学部の1年生を対象とした授業「交流文化概論」では、複数の教員が登壇し、それぞれがどのような研究分野で学問を追究しているのかを紹介します。学生にとっては、学部の学びの全体像を理解し、今後の学修の方向性を考える機会となっています。2025年6月2日には、「留学生から話を聞く」という初めての試みの企画で、本学の留学生別科の学生にスピーチしてもらいました。
 始めに太田先生は、大学理念である「違いを共に生きる」を取り上げ、「留学生に今の生活について話を聞くことは、これから留学を考えている学生にとって、きっと大きな学びになるはずです」と述べ、交流文化学部の学生と留学別科の学生が同じ空間で共に学ぶことの意義を強調しました。

 登壇したのは、イギリス出身のオリバーさん、バングラデシュ出身のアディバさん、韓国出身のカンさん、ドイツ出身のエレナさん、中国出身のリュウカさんの5人です。
 最初の話題は、留学生それぞれの母国と故郷について。参加した学生たちは、国名や文化についてある程度の知識は持っていたものの、今回初めて知る内容も多く、異文化を理解する貴重な時間になりました。話の途中には、留学生のジョークに笑いが起こる場面もあり、終始和やかな雰囲気で進行しました。

 漫画やアニメ、小説、料理などを入り口に日本語を学び始めたという人が多い中で、コロナ禍のパンデミックの期間に時間を有効活用しようと日本語を学び始めたという声も聞かれました。アディバさんやエレナさんは、留学を志してから何度も試験に挑戦し、ようやく留学の夢を叶えたと当時を振り返ります。実際の留学生活については、どの留学生も「大学の先生やスタッフ、学生のサポートのおかげで楽しく過ごせている」と語り、雪を見たり、華道や茶道を経験したり、学生寮で親交を深めたりと、充実した留学生活を送れているようでした。一方で、日本語の勉強については大変だと話す学生も多く、日々の課題に懸命に取り組んでいるようでした。中には、「半年ほど経ってようやく授業の半分ぐらいを理解できるようになった」と話す学生もおり、留学してからの努力がいかに重要であるかが伝わってきました。本学の留学生別科では、とても多くの宿題が出されるので、留学生たちは「愛知宿題大学」と呼んでいるようです。

 最後に将来の目標を話してもらいました。日本語能力試験N1レベルの合格や大学院進学、日本語教師としての活躍、日本企業への就職など、さまざまな目標が語られました。留学生たちは、聴講する学生に向けて、「留学はいいチャンスです。ぜひチャレンジしてみてください」と伝えました。社会人になってから留学を始めたカンさんは、意見表明をはっきりするという韓国の文化と日本の文化の違いに触れながら「自分の考えを発信して失敗することが、何よりの学びになります。たくさん挑戦し、たくさん失敗して、いい大人になってください」と熱いエールを送りました。

 スピーチの修了後には、質疑応答の時間が設けられました。文化の違いについてオリバーさんに質問が寄せられる一方で、留学生の側から学生たちへ質問が投げかけられる場面も。「留学生についてどう思いますか」という質問に対し、「日本に来てくれてうれしい」「遠い国から勇気をもって来てくれたのはすごい」といった温かい反応がありました。話題は言語にも広がり、何か国語話せるのかという問いに対し、5か国語と話す留学生には驚きの声が上がりました。太田先生は、「今は複数の言語を学べる時代です。たくさん勉強して、興味を持ち、多くの人と関わって視野を広げて欲しい。国と国との架け橋になろうというぐらいの意志を持ってほしい」と力強く締めくくりました。

 留学生別科の学生から、日本での留学について話を聞くことができた交流文化学部の学生たち。留学前の準備や、実際に留学してからの苦労など、リアルな体験を共有してもらうことで、留学へのモチベーションを高める貴重な機会となりました。本学は、これからも大学理念「違いを共に生きる」のもと、異なる文化的背景に持つ学生たちが共に学び合える環境を提供し、国際的に活躍できる人材の育成を目ざします。