追究

2025年07月30日

人間情報学部 キャリアデザイン科目①

2025年5月31日(土) 長久手キャンパス 511教室

就職活動やキャリア形成の現状と、実際の心構えや考え方について、
キャリアコンサルタントの先生や、ビジネスパーソンからお聞きしました。

 本学では、学生が仕事を含めた広い意味で人生を切り拓くための考えを深めるサポートをするため、学部ごとにキャリアデザイン科目を設置。社会のさまざまな分野で活躍している専門家や卒業生をお招きして、就職活動や働き方、将来ビジョンの描き方などを伝えています。
 2025年5月31日(土)に人間情報学部の学生を対象におこなわれたキャリアデザインの授業では、本学の非常勤講師でもある樋口貴子先生より就活・キャリア形成について、株式会社リックテレコムの関根禎嘉様より就職活動の心構えやキャリアの考え方についてお話しいただきました。

 樋口先生からのお話は、大学生を取り巻く就職事情から始まりました。今年度の卒業生は、昨年度の卒業生に比べて面接開始時期や内々定が出る時期が早い傾向になっているため、本講義の対象である3年生は、さらに早期化することが予想されるとキャリア形成を考え始める時期を早めるよう意識づけます。一方で、早期化によって学生が安易に就職先を決めてしまう傾向が見られるため、最終決定をする際の心構えも伝えました。

 就職活動の全体像に続いて、それぞれのキャリア形成についてのお話もありました。どのような仕事に就きたいか、そのうえで、どのような価値を提供したいか、どのような社会貢献に意義を見いだすか、という自分に合う事業の探し方を伝えます。また、人間情報学部の学生にとって身近となるAIが社会でどのように活用されているか、逆にAIでは代替が難しい人間の能力についてのお話は、学生たちが自身のスキルや能力の活かし方へのアドバイスとなりました。
 企業側の目線からのお話もあり、「企業はどのような人材を求めているか」という内容に併せて、新卒の採用面接で企業側が注目している行動特性についても紹介。面接での回答において自身の強みを活かした内容の伝え方についてのヒントは、学生にとって新しい視点を得ることができました。

 続いてご登壇した関根様は、「AI時代のキャリアデザイン」をテーマにトークを展開。就職活動では自分の「興味」を重視し、出版社に就職。約10年間勤務した後にシステム会社での営業と広報の仕事を経て、3社目となる現在の会社で編集記者をされています。
 就職活動の際は「やりたいことができる会社」という軸をもって活動。どれだけ稼げるかよりも、自分が将来どうなりたいかを意識されたと言います。その軸に後悔はないものの「もっとスタートを早めて情報収集すればインターンシップをするなど他の選択肢もあったかもしれない」と振り返ります。現在の仕事は「興味」を満たし、「適性」も感じている⼀⽅で、「興味」と「適性」が異なる⼈もいるので、⾃分の得意なことも就職活動に活かしてほしい、とアドバイスを送りました。

 講義終了後は、学生からたくさんの質問がありました。「やってみたいことがあるが自信がない」という質問に対しては、「できるかできないかは、やってみなければわからない。やりたいなら、やってから、できるかできないかを判断するべき」と背中を押します。「いろいろな企業の話を聞くと、どの企業にも魅力を感じる」という悩みには「その気持ちを大切にしてほしい。できるならすべての会社に応募して、さらなる魅力があるかを感じて進んでいきましょう」とアドバイスされました。関根さんが編集記者をされているため、学生から「文章を書くスキルをどう高めればよいか」という質問も上がりました。それに対しては、「制限時間と文字量を決めて書くことを何度も繰り返すと上手になる。言いたいことをわかりやすく、時間内で一定の文字量にまとめる力の基礎は小論文の練習で身についた」とお答えいただきました。

 具体的なお話の数々は、学生がキャリアを考えるうえで参考になるもの。学生たちは今日のお話を活かしながら、本格化する就職活動にのぞんでいくことでしょう。