追究

2024年03月13日

文学部教育学科 山本ゼミ「第76回瀬戸市美術展」「第28回みよし美術展」学生インタビュー

山本ゼミ6名の学生が
「第76回瀬戸市美術展」、「第28回みよし美術展」で受賞しました。

 教育学科の山本ゼミは図画工作を専門に、児童の発達に応じた造形表現や小学校での図工指導について研究を進めています。
 今年度は山本ゼミに所属する学生の4作品が「第76回瀬戸市美術展」で入賞。また、「第28回みよし美術展」においても5作品が入賞を果たしました。今回は受賞した6名に作品への思いやこれまでの学びについて伺いました。

3年 稲田菫さん
作品名:「薫風」 みよし美術展 入選

 もともと図工が好きだったこともあり、山本ゼミに入りました。この作品には、立体感を生み出す絵具「モデリングペースト」を使っています。舞台は三重県伊勢市の志摩地中海村。旅行で見た、その景色に感動し、絵にしたいと思いました。空や木々にはアクリル絵具、建物にはモデリングペーストと使い分け、建物の立体感を演出しています。柵やレンガの細かい線を描くのには苦労しましたが、納得のいく仕上がりになりました。受賞を聞いたときは、とてもうれしかったです。ゼミ活動を通して、表現の奥深さを知ることができました。4年次にはさらに自分の作りたいものに挑戦したいです。

4年 菅原由女さん
作品名:「海」 みよし美術展 入選

 立体感を演出するモデリングペーストに挑戦しました。旅行先の沖縄の海がとても綺麗で印象的だったので、絵にすることにしました。海が深い箇所には濃い色や緑色などを使用し、海の色合いにこだわりました。また、波打ち際や砂浜の質感も上手く表現できました。
 2年間のゼミを経て、絵を描く楽しさを知りました。他のゼミ生や先生から、いろいろな表現方法を教えてもらえたことが大きいと思います。図工が得意でない生徒にも楽しさを感じてもらえる授業づくりをしたいと思います。

3年 椙山奈津子さん
作品名:「残像」 瀬戸市美術展 入選

 恋人が留学することになり、会えなくなる寂しさを作品に込めました。記憶が時間とともに消えてしまいそうなさまを描いています。こだわったのは色遣いで、鮮やかな記憶の中にいる自分たちだから、黒色をなるべく使わず、描きました。自分が描きたいように描いて満足していましたが、他の人からも評価してもらえたことが嬉しかったです。
 1年間のゼミを通して、取り組んでみたいことがあったときに、先生が色々な選択肢を与えてくれました。教員になったときには、同じように子どもたちに選択肢を与え、取り組みやすい環境を作りたいと思います。また、私も図工が好きなので、教室の掲示物作りも頑張り、子どもたちが楽しく過ごせる教室を作れたらと思います。

4年 中島美空さん
作品名:「ショクヨク」 瀬戸市美術展 奨励賞
作品名:「課ガイJuぎょU」みよし美術展 入選

 図工が好きで、山本ゼミに入りました。「ショクヨク」は3年生のときに好きなものをテーマに描いた作品です。セーラー服が好きだったこと、友人の描くイラストには目玉焼きがいつも頭に乗っていたことを思い返しながら制作しました。
 「課ガイJuぎょU」は4年生のときに制作したものです。学校が好きで、夜の学校をイメージしながら描きました。お化けを描いていますが、手足をはっきりとさせることで、本当にお化けかどうかわからない仕掛けにしています。構図や色遣いには苦労しましたが、お化けの可愛らしさを表現できました。
 どちらの作品も表彰してもらえたことが嬉しく、より自分の作品を作ってみたいと思うようになりました。教員になったときには、子どもたちの作りたいものを作れるよう、ゼミでの学びを活かし、サポートしていきたいです。

4年 永井美羽さん
作品名:「海洋汚染と人魚」 瀬戸市美術展 入選
作品名:「視線を合わせて」 みよし美術展 入選

 「海洋汚染と人魚」は、3年生のときに制作した作品です。一目では綺麗な絵ですが、よく見ると星がゴミだったり、上に漂う白いものが海洋汚染の物質だったり。見る人が自由に想像してほしいと思いながら描きました。「視線を合わせて」は4年生のときの作品です。大きなキャンバスで描くことが初めてだったので、どうやって描けばいいのだろうと悩みました。どんな色彩が映えるのか先生に相談しながら描きました。
 2作品が表彰と聞き、好きで描いていたものが評価してもらえたことが、とても嬉しかったです。自分が描いたものを先生が好意的に受け止め、いいところを褒めてくださったおかげで制作意欲がわきましたし、自分を好きに表現していいのだと思えました。来年から教員として働くので、私もその子らしさを尊重した声かけをしたいと思います。

4年 天野すずさん
作品名:「聴いて」みよし美術展 入選
作品名:「夢から覚めても」瀬戸市美術展 入選

 絵を描くのが苦手な私だからこそ、絵を描く楽しさを知り、授業づくりに活かせるのではないかと思い、山本ゼミに入りました。「聴いて」という作品は、コロナ禍で制限されることの多かったライブが、緩和され戻りつつある今を表現しています。観客の声を聴くことができるようになってうれしいというアーティスト側の気持ちを表現しました。
 「夢から覚めても」は、3年生のときに描いた作品です。彫刻が好きだったので、先生からいただいた木枠を掘り、絵を描きました。猫は寝ても覚めても何も考えていないのではないかという思いがあり、あえて抽象画にしています。
 ゼミ活動を通して、変わったことは、美術館に行くのが楽しくなったこと。他の作品の制作意図や表現技法を見ると、発見があり、面白さを感じるようになりました。