追究

2024年03月08日

創造表現学部 メディアプロデュース専攻 村上ゼミ 卒業プロジェクト展 「NFTと価値の創造展 Your NFT Journey」

2024年1月21日(日)長者町コットンビルディング

NFTとデジタルアートの価値を考えるきっかけに。
村上ゼミの学生が卒業作品展を開催しました。

 創造表現学部 メディアプロデュース専攻 村上ゼミでは、メディア・アートを専門的に学びます。2024年1月21日(日)長者町コットンビルディングで、村上ゼミ所属の和泉大輝さんによる卒業プロジェクト展「NFTと価値の創造展 Your NFT Journey」が開催されました。

 NFTとは、デジタルデータの所有権を証明するテクノロジーです。複製されやすく、価値の低いものとみなされがちだったデジタルアートが、NFTの技術によって、一点モノのアートとして価値づけることができます。この展示会では、プログラムによって無限かつランダムに生成されるアートを、鑑賞者がクリック一つで作ることが可能に。デジタルによる「偶然性」や「開拓性」に重きを置いた、新たな価値創造を体験することができる空間になりました。

 まず目に入るのが「KANJI∞」という作品。マウスカーソルの動きに合わせてサイズや色の異なる漢字が生成され、オリジナルの作品が生まれる仕組みにしています。クリック一つで作品が出来上がる「TVINYH」という作品は、「Tomorrow Value in Your Hand」という文字を載せ、「アートの価値が鑑賞者にある」ことを表現。その他、プログラミングによって色がランダムに変わる「ヘキサゴン」や、丸や四角がランダムに生成される「∞シリーズ」、100個の円が生成される「100EN」といった作品が並びます。デジタルアートとアナログアートを並べ、アートの価値創造について考えられる空間にしています。

 また、空間を区切った先に、同展に参加する学生が制作した3DCGによるデジタル作品を配置。CG作品と、「偶然性」「開拓性」によって生成されるデジタルアートの価値の違いについても考えられる仕掛けにしました。

 NFTについて知っている人も知らない人も興味を持ってもらえるよう、工夫を凝らした展覧会。調査を重ね、表現へと昇華できた経験は、大きな自信となったことでしょう。本学は、これからも学生の学びのサポートを続けていきます。

学生コメント

創造表現学部 メディアプロデュース専攻 4年
和泉大輝さん

 NFTに関する卒業作品展にしたいと思っていたものの、なかなか方向性が定まりませんでした。そんななか、現代美術家の村上隆さんの『芸術起業論』という作品を読み、デジタルアートは複製されやすく、価値がつきづらいと判明。デジタルアートの価値の見出し方に興味を持ち、制作に至りました。4年生の夏休みにいろいろな展示会をまわり、方向性が決まりました。
 NFTとデジタルアートの価値について、プログラミングなどの知識がない方でも親しみ、知ってもらうことが、この展覧会のゴールです。ボタン一つで誰もがアーティストになれることで、デジタルアートについて興味を持ってもらいたい意図がありました。作品の見せ方や配置には苦労しましたが、ゼミ生や先生にアドバイスをもらい、美術館らしさを感じられる空間になりました。
 NFTという、あまり知られていない分野の展示会でしたが、たくさんの人に見てもらえました。「NFTの展示をしているんですか」と声をかけてもらえることもありました。多くの人に知ってもらうという狙いはうまくいったのではないかと手応えを感じています。また、学外の方に作品を見てもらうことは、厳しい目で見られることだと思います。学生のうちにそういった経験ができて、よかったです。卒業後もデザインに関わることを続けていきたいと考えています。