追究

2025年03月06日

ビジネス学部 企業分析プロジェクトB 最終報告会

2025年1月10日(金) 星ヶ丘キャンパス 13C教室

学生たちが食品卸売業の企業分析を実施。
財務や業界環境を分析し、今後の展望も提案しました。

 本学のビジネス学科現代ビジネス専攻ビジネスアカウンティング専修では、簿記・会計の基礎を固め、「財務会計」「管理会計」「経営分析」や「ゼミナール」などの履修を通じて専門的かつ実践的なアカウンティングの知識や技能を修得させて、企業経営を数字で読み解く力を 育てています。その実践として「企業分析プロジェクト」がおこなわれています。
 今回の「企業分析プロジェクトB」の授業では、ビジネス学部の森洵太先生の指導のもと、3年生が創業75年の総合食品商社・株式会社トーカン様の企業分析をしました。
 2024年11月8日(金)にトーカン様より卸売業という業種についての説明や会社の歴史、取扱商品、企業ビジョン、事業内容、業績などを説明していただきました。その後、学生たちは4つのチームに分かれて企業の財務や将来展望などを分析。その成果を発表する2024年度の最終報告会が2025年1月10日(金)におこなわれました。

 最初のチームは「業界環境の分析」を担当。トーカン様のような卸売業が置かれている外部環境やリスク・課題についてPEST分析の手法を用いて、政治的要因・経済的要因・社会的要因・技術的要因の視点から詳細に分析しました。そしてそれらがトーカン様の経営にどのように影響するのかを考え、今度の強みや課題を報告しました。

 二つ目のチームは「財務諸表分析」を担当し、トーカンの財務諸表から収益性・安全性・効率性の観点から時系列分析を行い、合わせて他社比較も行いました。トーカン様は近年、M&Aによる事業拡大が会社としての大きな変化となっています。それらの改革にも注目しながら、今後の財務的方向性を示しました。
 三つ目のチームが担当したのは「持株会社の分析」です。2019年に経営統合によって誕生した持株会社「セントラルフォレストグループ株式会社」について、投資家の観点から統合効果について分析しました。発表では、なぜ合併ではなく統合を選んだのか、両者の違いは?といった点にも指摘が及びました。この指摘により、経営統合によって両社の強みが生かされるという利点が明確になり、投資家目線でも今後、注目される企業であることが報告されました。

 最後のチームは、「将来性分析」をおこないました。トーカン様の成長性について、あらゆる数字を分析するだけでなく、学生目線での新規事業の提案にも注目が集まりました。「東甘堂の商品をふるさと納税の返礼品にする」「地域限定のトーカン直販市を開催する」などの案には、トーカン様は「社内では出てこなかったアイディアです」と新たな視点を得られたことに大変喜んでおられました。

 報告の最後にはトーカン様から「自分の会社であってもここまで詳しく調べて、自社について考える機会は少ないです。2025年は中期経営計画の最終年となりますので、今回の調査報告を参考に経営改善・発展に着手したいと思います。企業分析では一般的な指標にこだわることなく、その業界業種にあった指標を用い、的確な分析を行うことで、頼り甲斐ある会計サポーターに成長できると思います」などと総評をいただきました。
 学生たちはこれらの経験をいかし、会計の知識をさらに深め、自身の就職活動の際の企業選びにも役立ててほしいと思います。