追究
2025年08月21日
教育学部 加藤ゼミ「環境教育」フィールドワーク
2025年度 地域・ボランティア活動 教育学部(2025年4月開設)

2025年6月15日 (日)もりの学舎(愛・地球博記念公園内)
植物の名前の由来を学びながら、
森で探した植物に
五感を働かせてオリジナルの名前を考える体験をしました。
本学の教育学部では、学内での授業に加え、実社会での体験を通じて学ぶことのできる多様な授業を展開しています。そのひとつが「環境教育(フィールドワーク)」です。この授業では、自然の中に身を置き、五感を使って自然の不思議さやおもしろさを体感することで、子どもたちに実体験を基づいたリアルな学びを提供できる力を養うことを目的としています。本年度の活動は2025年6月15日(日)に、愛・地球博記念公園 もりの学舎でおこないました。
当日集まったのは26名の学生たち。始めにもりの学舎スタッフからもりの学舎についての説明をしていただき、その後、インタープリター(自然と人をつなぐ通訳者という意)の先導のもと、2つの班に分かれて森の中に入っていきます。
今回のフィールドワークのテーマは「植物の名前の由来を知ろう」です。散策の途中で出会った「モチツツジ」は花のがくや柄などに腺毛があり、触るとねばつくことからその名が付けられたこと、また、「ネジキ」は幹や樹皮がねじれている様子から名付けられたことなどを学びました。学生たちは、気になった植物や昆虫を見つけるたびにインタープリターに質問しながら、自然の中を楽しく散策しました。
しばらく森の中を歩いた後、少し開けた場所に到着しました。そこでインタープリターから「植物の名づけ親になってみましょう」との提案がありました。周囲に生えている植物をじっくり観察し、その特徴をもとにオリジナルの名前を付けてみようという活動です。学生たちはグループに分かれて気になる植物を観察し、その特徴から連想される名前を小さなボードに書き出していきました。例えば、木に生えているキノコを見て「森の生きものが座れそう」と想像して名付けた「コシカケダケ」、大きく曲がった木の幹を見て名付けた「ギックリ腰」、葉の色のグラデーションと風に揺られている様子から「ユレールグラデ」、木の節がこぶのように見えることから名付けた「kobu蔵さん」など、ユニークな名前が次々と誕生しました。インタープリターも、学生たちの豊かな想像力と自由な発想に感心している様子でした。学生たちからは「名前を付けることで愛着がわき、持って帰りたくなった」「近くで観察しているうちに、なぜその色になるのかと気になった」などの感想が寄せられました。
散策を終え、再びもりの学舎に戻りました。質疑応答の時間には、「もりの学舎では他にどのような体験ができるか」といった質問が寄せられました。
最後にインタープリターの方は次のようにまとめました。「植物に触れたり、匂いを嗅いだりすることで、自然とより親しい関係になれます。名前を付けることは、ものを認識することであり、その過程で愛着も生まれたはずです。季節が変わると森の様子も変化します。ぜひ、また遊びにきてください」
今回のフィールドワークを通して、自然の中で注意深く観察することの大切さを学ぶことができました。今後も、自然に触れながら学ぶ環境教育の機会を積極的に取り入れていきます。
学生コメント
文学部教育学科 3年 高田 旺果さん
普段はあまり野外体験をすることがなく、植物を注意深く観察して名前を付けるというのは初めての体験でしたが、とても楽しかったです。目的を持って観察しないと、見過ごしてしまうものが多いのだと実感しました。実際に触ってみたり、匂いを嗅いでみたりと五感を使った体験が印象に残りました。
将来、こうした体験を教員として子どもたちに伝えていきたいと考えているので、知識だけでなく、実際の体験があることでより説得力を持って伝えることができると思います。大学生活の中で多くの「伝えられるネタ」を蓄えていきたいです。