追究

2025年11月14日

建築学部 ワルシャワ技術・経済大学との国際交流

2025年9月19日(金) 建築Annex棟 その他

建築を学ぶポーランドの学生と交流。
互いの学びを共有し、視野を広げる機会になりました。

 本学建築学部のPietro Vecchi先生のゼミでは、社会・自然・用途・歴史と調和する空間について研究し、デザインの実践に取り組んでいます。
 2025年9月18日(木)~21日(日)、ポーランドのワルシャワ技術・経済大学から野﨑先生と建築専攻の学生が来学し、本学の学生との国際交流がおこなわれました。ポーランドの学生は滞在期間中、本学の国際交流会館に宿泊しました。9月19日(金)には、Pietro Vecchi先生のゼミ生とワルシャワ技術・経済大学を中心とする学生が交流を深め、建築に対する相互の考え方やデザインへのアプローチについて意見交換をしました。この交流を円滑に進めるため、文学部の樗木ゼミ(2025年度より教育学部)に所属する学生が通訳としてサポートしました。さらに午後には星が丘キャンパスへ移動し、交流文化学部の佐藤先生のゼミやグローバルラウンジを訪問し、本学学生との交流を一層深めました。

 まず、学生同士の顔合わせがアイハウスでおこなわれました。その後、建築学部の学生が学ぶ8号棟へ移動し、見学が実施されました。各教室では授業内容やゼミの開始時期など、学びの体制について説明がありました。また、学生が制作した建築模型やデザイン作品なども紹介され、参加者の関心を集めていました。続いて、建築ANEXX棟に移動し、プレゼンテーションホールや構造実験室などの施設を見学しました。

 見学の後には、ポーランドの学生6名による研究発表がおこなわれ、リノベーションやインテリアデザイン、スケッチ課題などを中心に、各自の取り組みが紹介されました。日本文化をテーマとした課題では、茶室の色彩設計、照明計画、家具の配置など、細部にこだわったデザインプロセスが発表され、日本文化への理解と関心の深さがうかがえました。また、日本の温泉文化に着想を得たレストランのデザインなど、日本の様式を積極的に取り入れた提案も見られました。さらに、万博のポーランド館を想定したデザイン課題では、東欧の伝統建築である校倉造りや、それに基づいたインテリアの構成についての発表がありました。
 発表後には質疑応答の時間が設けられ、本学の学生からは「どの3Dモデリングソフトを使っているのか」といった具体的な質問が寄せられました。これに対し、ポーランドの学生からも「日本の建築設計事務所ではどのようなソフトが使われているのか」といった逆質問があり、技術面においても活発な意見交換がおこなわれました。

 その後、昼食を共にしながら交流を深める時間が設けられました。食事を囲んでの会話では、お互いの学びや現在取り組んでいる課題について紹介し合い、言語や文化を超えたコミュニケーションを楽しむ様子が見られました。

 本日の交流を振り返り、本学の学生からは「私たちは設計課題にじっくりと取り組むことが多いのに対し、ポーランドの学生は複数の課題を並行して進めていたり、複数の3Dモデリングソフトを使い分けていたりと、学びのスタイルに違いがあることが印象的でした。その違いが課題の内容や完成度にも表れていて、特にモデリングの作り込みがとても丁寧でした」「デザインにおける色の使い方も私たちとは異なり、普段から触れている文化や環境の違いが影響しているのだと、とても勉強になりました」と寄せられました。
 同じ建築を学ぶ海外の学生たちのアウトプットや取り組み方に触れることで、自身の学びを見つめ直す貴重な機会となったことでしょう。この経験を通じて得た気づきや学びを、今後の課題制作や研究活動に活かしてくれることを期待しています。