追究

2025年11月13日

ソフトバンク株式会社 生成AI公開講座

2025年9月25日(木) 星が丘キャンパスCCC

ソフトバンク株式会社から
最新の生成AIについて講義をしていただきました。

 本学は、IT・通信業界の大手企業であるソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク(株))とパートナーシップ協定を締結しています。9月25日(木)には、ソフトバンク(株)CSR部門から油谷浩樹様と吉田伸二様をお招きし、生成AIの活用方法などについて教えていただきました。受講した参加者の大半は、CCCでボランティア活動をおこなっている学生たちです。講座後には、生成AIを活用して社会課題をどのように解決できるか、そのヒントとなるワークショップも開催しました。

 講座の冒頭では、油谷様からCSRについて解説がありました。CSRとは「企業の社会的責任」を意味し、単に利益を追求するだけでなく、事業を通して社会に貢献する活動をおこなうことを指します。ソフトバンク(株)はこのCSR活動の一環として「地域社会の課題解決」を推進していることをご紹介いただきました。また、生成AIは新しいものを生み出すたけでなく、自分の考え方を整理する際に役立つと強調され、ChatGPTと対話を重ねていくことで、思考が整理されるメリットがあり、そのような活用方法もお勧めしていただきました。生成AIの活用は今後の社会で必要とされるスキルのひとつになるとし、この機会をきっかけに生成AIの可能性を知ってほしいと伝えました。

 生成AIの具体的な講義に入る前に、吉田様からソフトバンク(株)が開催する「ソフトバンク生成AI活用アイデアコンテスト」について説明がありました。このコンテストは、大学生・大学院生・高等専門学生を対象に、生成AIやAIエージェントを活用して、社会課題や生活の身近な課題を解決するアイデア、企業のイノベーションや生産性向上につながるアイデアを募集するものです。最優秀賞には賞金1,000万円が用意されている、非常に大規模なコンテストです。吉田様は「ぜひこの機会に皆さんのアイデアを提案してください」とお話されました。

 生成AIの講義は「そもそも生成AIとは何か?」という基本的は解説からスタート。生成AIの仕組みや得意なもの、不得手なものなどを紹介していただきました。さらに、もっともらしい誤情報を生成する「ハルシネーション」、個人や組織の評判を損なう「ディープフェイク」といった用語の説明や、ChatGPTの進化についても詳しく解説していただきました。

 生成AIの基本を学んだところで、次はChatGPTを活用したアイデアを生み出すためのワークショップを実施。吉田様は「技術主体」と「悩み主体」という2つの方向性があると説明し、それぞれの具体的な方法を紹介しました。油谷様からは「ChatGPTに質問するときは、ChatGPTにどのような役割を担わせるのか。その設定が重要です。たとえば『あなた(ChatGPT)は優秀なマーケターです』と前置きしてて質問すると、より明確な回答を得られます」とのアドバイスもありました。
 その後、ChatGPTへのプロンプト(ユーザーが入力する指示や質問)をはじめ、ユーザーとChatGPTの1対1の対話ではなく、複数の登場人物を設定して議論させる方法など、アイデアを生み出すさまざまな手法を教えていただきました。さらに思いついたアイデアをプレゼンテーション用の資料をまとめる方法として、生成AI「Gamma(ガンマ)」を活用する方法も紹介されました。タイトルやターゲット、課題、内容を設定するだけで、自動的にプレゼンテーション資料を作成できるというものです。学生たちは「プレゼン資料も作ってくれるんだ!?」と驚き、生成AIの進化とその活用の重要性に深く感心している様子でした。

学生コメント

交流文化学科 国際交流・観光専攻 2年
冨田和奏さん

 震災支援を目的とした学生団体「なごやであそび隊」に所属しています。現在は地域の児童会で防災講座などを開催し、防災の重要性を広める活動をしています。
 生成AIの存在は知っていましたが、今回あらためそのすごさを実感しました。私たちは児童と触れ合う機会が多いため、ChatGPTに児童たちが喜ぶ企画立案やこれから私たちが活動する上で負担が少なく、長期的に活動を継続していく方法などを問いかけ、それらのヒントを得たいと思っています。

ビジネス学部4年 長尾莉華さん
グローバルコミュニケーション学部2年
松原心美さん

 足助、下山など豊田市の山間地域を中心に町おこしをしている学生団体「そとそと」に所属しています。
 生成AIは約1年前から就職活動時の企業分析などに活用していましたが、今回生成AIの進化に触れ、驚きの連続でした。それと同時にうまく活用すれば、私たちの活動の幅も広がると思いました。いま私たちは害獣駆除で9割廃棄されてしまう鳥獣をジビエとして活用できないかと考えています。その方法をChatGPTに考えてもらったり、この活動自体を広めていくためのアイデアを提案してもらったりできると思いました。