追究
2026年01月13日
愛知淑徳大学開学50周年特別記念講演会「地球生まれで旅育ち」
2025年度 学園創立120周年・大学開学50周年記念行事 展示会・講演会・発表会

2025年11月1日(土) 星が丘キャンパス2号館6階講堂
広い世界を知って、自分自身を俯瞰で見る。
「共生」の示唆に富んだメッセージが届けられました。
愛知淑徳大学の大学祭「淑楓祭」がおこなわれた11月1日(土)、開学50周年特別記念講演会が星が丘キャンパスで開催されました。講演者にお招きしたのは、漫画家・文筆家・画家としてご活躍のヤマザキマリ氏。「地球生まれで旅育ち」というテーマで語っていただきました。会場には学生や卒業生、教職員、愛知淑徳中学校・高等学校関係者など大勢が集まり、ヤマザキ氏のご講演への期待に満ちていました。
開会に先立ち、五島幸一学長が登壇し「本学は理念『違いを共に生きる』のもと、価値観、個性、能力などあらゆる違いを乗り越え、尊重し合い、自らも発展していくことをめざしています。ヤマザキさんも異文化を体験し、多文化に身を委ねられていらっしゃいます。今日は貴重なお話が聞けることを楽しみにしています。」と挨拶を述べられました。
司会を務めたのは、本学卒業生であり、五島学長のゼミ生でもあったフリーアナウンサーの村瀬寛美氏。スムーズに講演会を進行してくださいました。




ヤマザキ氏は17歳で単身イタリアに渡り、フィレンツェの国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を専攻。以来、世界各国で生活や旅をしながら創作活動を続けていらっしゃいます。今回の講演では、14歳のときのヨーロッパ一人旅から、17歳で始めたイタリアでの暮らし、20代でシングルマザーになり、子どもを養うため挑んだ漫画制作、イタリア人の比較文学研究者との結婚、各国での生活や国際転校の連続だったお子さんの成長、創作活動の裏話まで、時間の限り数多くのエピソードを語ってくださいました。
代表作の一つである『テルマエ・ロマエ』は、海外生活で湯船に浸かることができない中、「お風呂に入りたい!」という気持ちから着想し、制作したと語られたヤマザキ氏。「作品づくりで大切にしているのは、自分のリソースを広げること。本を読む、人の話を聞く、何かやってみるなど、いろんなことにトライすると、結晶のように新作のひらめきが出てきます。」「人間はいろんな感情になった方がいい。幸せなことばかりではなく、不条理なことにも向き合うと、物事への冷静な視点や些細なことへの喜びが持てます。失敗も断念も貴重な経験。いろんな気持ちを味わって感受性を豊かにすることが、表現力につながります。」といった創作活動に関することも笑顔で語られました。
講演会の最後には質疑応答の時間が設けられました。「日本のタテマエ社会で自分らしさを保つには?」という質問に対し、ヤマザキ氏は日本が島国として個人主義ではなく「人と人との調和」を重んじてきた歴史について解説した上で、「生き方は自由です」と回答。「世界を広く知って、自分を知る。俯瞰で自分自身を見ることが大切です」と語られました。視野を狭めず、多様なものに触れて広い世界に踏み出し、自分らしい生き方を見つけること、さまざまな「違い」を知り、リスペクトし合って共生することの大切さを、ヤマザキ氏のお話から感じることができました。
ヤマザキ氏がユーモアを交えながら世界各国での日々を語られた約80分間。「違いを共に生きる」ことの真髄を学ぶ、意義深い時間となりました。


















