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2016年04月08日

平成27年度 相談窓口担当者向け対応マニュアル「多文化ってこういうこと~結婚・離婚編~」完成報告会

平成27年度 相談窓口担当者向け対応マニュアル「多文化ってこういうこと~結婚・離婚編~」完成報告会

平成28年3月10日(木) あいち国際プラザ

外国人に対する「相談業務」をサポートするマニュアル制作に
榎田ゼミの4年生が協力。完成にともない、報告会を開催しました。

 3月10日(木)、あいち国際プラザで、愛知県国際交流協会と愛知淑徳大学 交流文化学部榎田ゼミの4年生が主催者となり、「平成27年度 相談窓口担当者向け対応マニュアル『多文化ってこういうこと~結婚・離婚編~』完成報告会」が開催されました。

 このマニュアルは、愛知県国際交流協会と榎田ゼミの学生が約1年間かけてつくりあげたもの。長年の相談業務の中で、外国人相談者の文化的背景を知ることが問題解決の糸口になるとわかり、相談件数が多い「結婚・離婚」をテーマに掲げ、各国の文化的特徴をひとつの冊子にまとめ、共有の財産として活かすことを目的につくられたマニュアルです。榎田ゼミの4年生は、「今までのゼミ活動の経験を活かして、形あるものを残したい」、「地域の問題解決に貢献したい」という思いから、マニュアル制作に参加しました。インドネシア、タイ、韓国、中国、ネパール、ベトナム、フィリピン、アメリカ、ブラジル、ペルーの10カ国の文化や国の制度を調べ、さらに過去10年分の相談内容を分析。実際の相談業務に立ち会いながら、問題の理解を深め、76ページにもわたるマニュアルを完成させました。
 このマニュアルの完成報告会では、前半は榎田教授が「多文化社会に暮らすということ」というテーマで講義。冒頭、「日本は移民を受け入れるべきか、否か」と問題提起し、日本の人口減少や高齢社会の問題を語りました。そして、それらの問題に世界各国はどのように対応しているのか、シンガポールや韓国、ドイツ、アメリカなどの各国の施策を紹介しながら、これからの日本のあるべき姿を会場の参加者に問いかけました。

 後半は、参加者が5つの班に分かれてグループワークを実施。「夫と離婚し、今付き合っている人と結婚したい」と訴える外国人にどのようにアプローチするか話し合い、それぞれのグループの意見を発表し合いました。その後、榎田ゼミの学生が愛知県国際交流協会の交流共生課長をはじめ、愛知県内の自治体で外国人に対する相談業務をおこなう第一線で活躍するプロの方々を前に、堂々と冊子の内容を説明。各国の結婚・離婚に関する制度の比較表や具体的なケースを取り上げて、その解決策を紹介するページ、国別の特筆すべき文化の特徴などを紹介するページを設けていることを解説しました。
 このマニュアルは今後、各自治体に配布され、外国人に対する相談業務を手助けしていきます。愛知県の外国人滞在者の豊かで平和な生活を支えるための一助となるマニュアル制作に関わった榎田ゼミの学生にとって、この経験は誇りとなって、卒業後も一人ひとりの人生を支えていくことでしょう。