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2013年01月10日

英文学科生のための「留学経験者が語る」会

英文学科生のための「留学経験者が語る」会

長期留学の経験を4年生3名が熱く語り、後輩たちの向学心を刺激

英文学科は、学科独自の留学プログラムとして、イギリスやオーストラリアでの海外セミナーを実施しています。学生たちは3、4カ月の間、留学先の大学の授業、現地の学生やホストファミリーと共に過ごす日々を通して英語コミュニケーション能力を養い、異文化交流の楽しさを肌で感じています。そして、向学心をさらに高めた学生の多くが、国際交流センターなどを活用して次なる長期留学(交換留学など)にチャレンジしています。

 1月10日(木)には、約1年間の長期留学を経験した英文学科4年生3名による「英文学科生のための留学経験者が語る会」が開催されました。留学に関心のある1年生から3年生まで50人以上が意欲的に参加し、会場は活気にあふれていました。
登壇したのは、アメリカに1年間留学した石田遙さん、オーストラリアに1年間留学した小塩裕仁さん、カナダに1年間留学した磯部未来さん。それぞれスクリーンに写真や資料を映し出しながら体験談をいきいきと語り、留学の魅力や必要な準備、心構えなどを後輩たちに伝えました。

 4月から公立中学校の英語教員として働き始める石田さんは、教務事務室で教職課程科目の履修に関して相談しながら長期留学の準備を進め、教員になるという目標の実現と留学を両立したことを説明しました。「英語力をしっかり伸ばしたいと考え、世界130カ国以上で実施されているケンブリッジ英語検定の対策クラスに所属し、さまざまな国の留学仲間たちと一緒に勉強に打ち込みました。結果、英検準1級に相当するケンブリッジ英語検定FCEに合格し、TOEICスコア790点以上を達成しました」。海外で大きく成長した石田さんの留学中の目標は「やりたいことをやり抜く!」「日本人同士でも英語!」「現地で友人をたくさんつくる!」という3点。「文化、言葉、価値観、さまざまな"違い"を理解し合い、人とのつながりを広げていった経験を通じ、人としての幅が大きくなったと感じています。今後、英語教員として、生徒たちに英語を学ぶことのおもしろさ、異文化交流の楽しさを伝えていきたいと考えています」と明るい笑顔で語りました。

 続いて登壇した磯部さんは、移民国家であり多様な文化に触れることができ、ビジネスイングリッシュも学べるところに惹かれてカナダへの留学を決意したそうです。「留学して間もない頃は、思うように意思が伝わらないこともありましたが、ホストファミリーと積極的に会話したり、さまざまなアクティビティに参加して色々な人と交流したり、自ら行動して英語力も高めていきました」と自分から一歩を踏み出すことの大切さを後輩たちに伝えました。「留学中にお薦めしたいのが、日記をつけること。毎日どんなことに挑戦し、乗り越えたのかを書いて、自分としっかり向き合うと良いと思います。それが確かな成長につながり、就職活動でも自信を持って自己PRできる力になります。私自身、留学が大きな自己成長につながる経験になり、そこで培われた行動力が希望の就職を果たす力になりました」と語った磯部さん。グローバル企業から内定を獲得し、留学はもちろん英文学科で養った思考力や英語コミュニケーション能力などを活かして働いていきたいと意欲に満ちていました。

 オーストラリアに留学した小塩さんは、語学留学ではなく、メルボルンにある小・中・高一貫校で、日本語のALTとして働く経験をしました。英語で日本語を教えるのは、初体験だったとのこと。臆することなくチャレンジを重ねた小塩さんの話に、後輩たちも真剣なまなざしで聞き入っていました。「特に印象深く心に残っているのが、初めて日本語を学ぶ生徒たちを受け持った時のこと。自分自身の英語習得を思い返し、"自ら考えて使う"ことを重視した授業を実践しました。失敗を恐れずに一歩を踏み出すと、世界が大きく広がることを実感しました。百聞は一見にしかず。世界の今を自分で見て、聞いて、感じて、考え、行動することが、留学の意義です」と、小塩さんは力強く語りました。「愛知淑徳大学は留学のサポートが充実し、教員や職員の方々も親身にサポートしてくださいます。その環境を活かし、どんどん外に出ましょう!」と後輩たちの留学や学習への意欲を高める、熱いエールを送り発表を締め括りました。

 3名の講演の後、個別相談の時間が設けられ、石田さん、磯部さん、小塩さんそれぞれを囲むようにして学生たちが集まり、次々と質問を投げかけていました。留学中の体験談に留まらず、就職活動や教員採用試験対策など進路決定に関する話にもおよび、参加した学生たちにとって将来に対する視野も広げることのできた有意義な時間となったようです。講演した学生は、実際に提出したエントリーシートや履歴書などを見せながら書き方をレクチャーし、「面接試験では、在学中にどんな目標をどう達成し、何を学んだのか、自分の言葉でアピールすることが大切です。だから留学にも目的意識を明確にして臨んでくださいね」と具体的にアドバイスすると、就職活動中の学生たちは熱心にメモを取りながら耳を傾けていました。

 今回の「留学経験者が語る会」では、先輩から後輩たちへ、世界に学びのフィールドを広げて自分の可能性を伸ばしていくことの魅力が伝えられました。今後も多くの学生たちがさまざまな国でチャレンジを重ね、大きく成長していくことでしょう。