追究

2014年02月21日

第2回 ビジネス学部 インナーゼミナール大会

第2回 ビジネス学部 インナーゼミナール大会

ゼミで学んだ専門知識を持ち寄り、
違いを認め合いながらビジネスを広い視点で考察しました。

 ビジネス学部では、実社会で活きる幅広い知識・スキル、思考力、コミュニケーション能力など「ぶれないチカラ」を持つビジネスパーソンの育成をめざしています。2年次からは、ゼミ活動が開始し、経営、会計、情報、国際ビジネス、マーケティングなど幅広い専門領域の学びを、指導教員のもとで探求することができます。2月21日(金)には、研究や実践を重ねながら互いに学び合い専門性を高めるゼミの枠組みを超え、「知識と視野を広げること」「研究に対するモチベーションの向上」をめざし、複数のゼミで合同開催する「インナーゼミナール大会」がおこなわれました。

 参加したのは、流通やマーケティングを専門とする大塚ゼミ、コーポレートファイナンスを専門とする三矢ゼミ、企業マネージメントを専門とする真田ゼミ。「携帯キャリア」「電子製品メーカー」「自動車メーカー」のそれぞれで、代表する企業2社を多角的な視点から分析・比較しました。企業研究、中間レジュメや質問書・回答書の交換など、半年間かけて段階的に進めてきた研究の成果を発揮するインナーゼミナール大会。まずは2年生が中心となって開会式がおこなわれました。開会にあたって三矢先生は「社会ではどんな場面でも柔軟に対応できる幅広い知識が求められます。今日のこの機会をぜひ、自分の視野を広げるために活用してください」と挨拶をしました。そして、学生たちが3つの分科会に分かれ、考察・討論会がスタートしました。それぞれの分科会に参加した2つのゼミに所属する学生たちが専門知識を活かして、企業比較をした結果をプレゼンテーション。マーケティング戦略、製品戦略、流通戦略、主要事業、環境活動、財務状況、経営スタイルなど、1つの企業を多角的な視点でとらえることができ、互いの知識から新たな発見が生まれたようでした。

 互いに企業に対する理解を深めた後、分科会ごとに定められた議題について討論会がおこなわれました。業界全体の課題や市場の変化など、より広い観点から同業他社2社をさらに細かく比較・検討。学生たちはゼミ活動で身につけた自身の知識とすりあわせながら活発な質疑応答、意見交換をおこなっていました。ディスカッションの進行役は各ゼミの意見のポイントを的確につかんでホワイトボードにまとめ、論点を確認しながら有意義な議論を支えていました。

第1分科会 大塚ゼミA、真田ゼミ

■比較企業:携帯キャリア「ソフトバンク」「ドコモ」

つながりやすさや投資の有効性など企業目線で、
ビジネスの知識を活かした議論を展開。

 携帯キャリアの三大企業のうちの2社、ソフトバンクとドコモを比較しました。大塚ゼミは企業戦略に着目。グループ会社の多さや自社コンテンツの多さを企業の特徴の一つとして発表しました。一方、真田ゼミはネットワーク戦略に着目。国内戦略と海外戦略を比較し、考察しました。両者の見解を発表した後、つながりやすさや投資の有効性などについて議論を展開。差別化が難しい2社をどんな視点でとらえると、企業の優劣がつけられるか互いの知識を持ちより、考えを深めていました。

第2分科会 三矢ゼミA、大塚ゼミB

■比較企業:電子製品メーカー「サムスン電子」「台湾積体電路製造」

国の違いをどのように乗り越えて、
正確に比較するか、議論を戦わせました。

 韓国の最大手電子製品メーカー・サムスン、台湾の最大手電子製品メーカー・台湾積体電路製造。ともに世界規模でビジネスを展開し、電子製品業界を引っ張る存在です。三矢ゼミはファイナンスの視点から、大塚ゼミはマーケティングの視点から企業を分析・検討していきました。まったく異なる視点から企業を見つめた2つのゼミ。国をまたいで2つの企業を比較するというハードルを半導体事業という共通事業や財務評価という客観的データに着目することでクリアし、議論は熱を帯びていきました。

第3分科会 大塚ゼミC、三矢ゼミB

■比較企業:自動車メーカー「スズキ」「ダイハツ」

市場をとらえる目と財務をとらえる目、
両者を活かし、考えを深めていきました。

 軽自動車の分野において、日本国内で激しいシェア争いをしているスズキとダイハツ。ダイハツはトヨタグループの1社で強固な地盤があることが特徴であり、スズキは二輪車の製造・販売にも力を入れているといった、異なる特徴を持っている2社を比較・検討しました。大塚ゼミは、ダイハツは部品調達の仕組みが市場の変化に流動的に対応できると評価。三矢ゼミも財務面から見て投資家目線で考えた場合はダイハツのほうが安全性に長けている、と互いの意見をすりあわせながら、結論を導いていました。


 熱い議論が交わされた分科会終了後、閉会式がおこなわれました。「全体の総括」では議長団の学生が分科会の講評を述べるとともに、今後のゼミ活動や就職活動に向けて、エールを送りました。開会のあいさつとして大塚先生は「自分たちの専門領域と異なる人たちと同じテーマで意見を交わすことで自分に足りないものを見つめる良いきっかけになったと思います。ぜひ、今回のインナーゼミナール大会をきっかけに、今まで以上に勉強に打ち込んでください」と学生たちにメッセージを伝えました。長時間にわたった議論を通じて多くの気づきや視野の広がりを実感していた学生たち。今回のインナーゼミナール大会は、ビジネスの知識を多角的に深めるだけではなく、違いを尊重し合い認め合う、ビジネスパーソンに欠かせない力を磨くきっかけとなったことでしょう。