躍動

2026年08月04日

建築学部 設計展Flap2026@東海 審査員賞受賞

vol.118

建築学部 建築学科 建築・まちづくり専攻2年

建築学部の2年生が設計展Flap2026@東海で審査員賞を受賞しました。

 本学の建築学部 建築学科 建築・まちづくり専攻2年生の宇佐美桜さんが、設計展Flap2026@東海で審査員賞を受賞しました。

 設計展Flapは、建築を学ぶ大学2・3年生と、高等専門学校に通う5年生を対象とした設計コンペ。学生のうちからプロの建築士によるフィードバックがいただける、貴重な機会です。東海エリア限定の開催は本年度が初めてとなります。応募は「住居」、「自由課題」から、いずれかのテーマを選択。本設計展のために制作した作品だけでなく、大学で取り組んできた設計課題でも応募できます。宇佐美さんは「住居」のテーマで、「人と自然をつなぐ雁行」を題材に設計プランを考案。図面やパースによるプレゼンテーションシートと模型を制作しました。受賞の感想や、設計の上でどのような点にこだわったかなど、お話を伺いました。

 宇佐美さんが提出した設計プランは、授業課題で制作していたもの。長久手市 根嶽(ねたけ)にある170㎡の土地に、子ども2人を含む4人家族が住む一軒家を計画するという課題でした。宇佐美さんは、住宅地でありながら自然豊かなエリアでもある根嶽の土地で、「家族のふれあい」や「地域の人たちとのつながり」、「自然との共存」を図れる家をめざして、プランを検討。そこで取り入れたのが、建物や各住戸を斜めや前後にずらして配置する「雁行(がんこう)」と呼ばれる設計手法です。

 「南東角地で隅切りがあったり、台形のような斜めの形をしていたりする敷地だったため、『雁行を取り入れてみるといいかも』と思いつきました」と、宇佐美さん。雁行の形状を活かしながら、敷地に対して建物も斜めに配置し、道路側から建物への視線が向くように計画。庭には畑のスペースを設け、通りがかる地域の人たちとの交流の場となるよう提案しました。

 雁行設計のメリットの1つに、開口部を多く取り入れられることが挙げられます。「東西の窓はFIX窓にして、採光を確保し、南北の窓は大きく設けることで、風の抜け道をわかりやすくしました」と、雁行設計の利点を活かし、光と風をたくさん取り入れられるよう計画したことを語りました。また、「1階にキッチン・ダイニング、2階にリビングと、あえて住居スペースを分けました。食事をするときも、リビングでゆっくりするときも大きな開口部から外の自然を感じられるように部屋を配置しました」と、自然との共存をめざした設計プランについても説明。さらに、「キッチン・ダイニングとリビングの床にすのこを採用し、1・2階の間も風が抜けるよう計画。LDKのつながりを持たせるだけでなく、木の香りが行き渡るように考えました」と、五感を満たせる家になるよう工夫したとのことです。

 家族とのふれあいの場作りについては、「キッチン・ダイニングとリビングを、1・2階それぞれの中心に配置することで、お風呂に入るとき、自室に行くときなどに必ずそこを通るように計画しました。また、雁行を取り入れたことで、階段下のヌックスペースや、外を見ながら作業ができるスペースも設けることができ、ふれあいの時間だけでなく、プライベートな時間も確保できる計画になりました」と、住む人が心地よく暮らしていける工夫を凝らしたそうです。

 さまざまなこだわりを語った一方で、実際にある敷地や家族想定をもとに設計プランを描いたのは、この授業課題が初めてだったとのこと。「設計する中で、建ぺい率や北側斜線などの建築基準法、必要な柱の位置など、考えることが多くとても大変でした」と、苦労も語りました。

 受賞にあたり、建築士によるフィードバックでは、建築パースが良く描けていることについて高い評価を受けたとのこと。一方で、プランについては、「空間ごとに高さを変えて棲み分けをしてみても良いのではないか」「模型で天井の梁をさらに表現できれば、木の雰囲気がより伝わるのではないか」など、今後の設計につながるアドバイスをもらえたようです。

 最後に、今回の制作を通じて学んだことを尋ねました。「まず実感したのは、どんな学びもいつか何かのヒントになるということ。授業で学んだことを少しずつ設計に取り入れていく中で、あのときの学びがこうしてつながるんだと、点と点が線で結ばれる感覚がありました。また、家という大きな計画に取り組んでみたからこそ、細かなディティールにこだわるという自分の強みにも気づくことができたので、参加してよかったです。今後の課題は、自分の考えを相手にわかりやすく説明するプレゼンテーション力。将来、建築の道に進むと建築を知らない方にもわかりやすく説明する力が必要になるので、磨いていきたいです」と、今後の意気込みも述べました。