健康豆知識

上手な怒り方

世の中は理不尽なこと、不愉快なこと、苛つくことで溢れている。怒りは何らかの対象に向かっているようで、実は自身を苛んでいる。そこで、怒りを自らコントロールしコミュニケーションを改善するアンガーマネージメントの手法が1970年代に米国で誕生した。2018年に開催された日本女性外科学会で秋田大学の蓮沼直子氏は上手な怒り方を紹介している。
まず、伝える内容の主語を「私」にすること。「あなたは○○だ」の代わりに「私はこう感じている」と言えば批判と応酬の構図になりにくい。
次に、過去の話を持ち出さない。「あなたっていつもそうよね、あの時だって・・」は、夫婦喧嘩をエンドレスにする。私を主語にすると過去の話が出にくくなる。
さらに、「ちゃんと」「しっかり」「もう少し」など、具体性に欠ける言葉を避ける。「ちゃんとやってって言ったよね」「だからちゃんとやったじゃないか」という会話は怒りを沸騰させる。
怒りをなくすことはできないがコントロールすることはできる。精神衛生上まことによろしいことである。

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