成長

2019年12月25日

建築を題材にした高度なコミュニケーションが、成長の秘訣。

vol.61

現代社会学部 現代社会学科 都市環境デザインコース (現・創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻)OG[2014年度卒]

「君は営業に向いているよ」。面接官のひと言で、営業の道へ。

 「設計の中で一番難しいのは、住宅だろう」。就職活動をするときも今も変わらず、そう思っています。それは、博物館や美術館、公共施設などと比べると、敷地も資金も限られているから。制限が多い中でお客さまの要望をいかに叶えられるか、そんな高度な題材の設計をしたいと「住宅メーカー」を中心に就職試験を受けていました。しかし、後々就職することになるエサキホームの面接の際に、当時の総務部長から「君は営業に向いているよ」という言葉をもらいます。就職活動をする中で、「営業もおもしろそうかも」と思い始めた矢先だったので、二つ返事で「やってみたいです!」と即答。住宅メーカーの営業としての一歩を踏み出しました。
 しかし、内心は「やってみたい」という期待と、「自分にできるだろうか」という不安が入り混じった複雑な心境でした。実は私、しゃべることに自信がなく、人見知りだったのです。営業は自分から前のめりにお客さまにアプローチして、テンポの良いセールストークを武器に商品を売り込んでいく。そんなイメージがあったので、私の不安は消えることがありませんでした。

人見知りを逆手にとって、自分らしい営業スタイルを確立。

 しかし、そのイメージは間違っていたことに社会人2年目頃に気づきます。押しの一手でお客さまにアプローチするだけが営業じゃ決してない。いかにお客さまの思いを察し、先手先手でその要望を叶えていけるかどうか。それが私にぴったりの営業方法だと気づくことができました。たとえば、お客さまを自分の大事な友達だと思ってみる。そうすることで、親身になってお客さまと接することができますし、自然と何かしてあげたくなるのです。それに「自分は人見知りである」という意識があるからこそ、どうやったら相手に伝わりやすいだろうかと話し方を工夫することもできますし、話がきちんと伝わっているだろうかとよくお客さまを観察する習慣ができていたからこそ、お客さまの表情やしぐさから思いをすぐにくみ取ることができました。人見知りであることを逆手にとって、友だちのように親身になって接する。そうやってお客さまとの信頼関係をつくるなかで、社会人3年目で営業トップの売り上げをあげることができました。

建築を題材にした高度なコミュニケーションが、成長の秘訣。

建築を題材にした高度なコミュニケーションが、成長の秘訣。

コミュニケーション力を磨いた大学時代。その経験が大きな強みに。

 誰かと円滑にコミュニケーションを取る術は、大学時代に磨かれたように思います。たとえば、世界的に活躍する建築家を招聘して、その建築家の展覧会を会場づくりから運営まで携わる「デザインワークショップ」。建築家の展覧会場を大勢の学生が一緒になって作り上げるので、高度なレベルの設計が求められますし、一人ひとり意見が違うので、ディスカッションが白熱することも多々ありました。そのなかで、相手の意見をきちんと受け止めたうえで、自分の意見をわかりやすく、ていねいに伝えていくことを覚えました。さらに「空間設計」では、授業の担当教諭と作品について意見交換をする「エスキス」のなかで、作品の意図を伝える方法や自分の思いを主張する大切さも学びました。建築を題材とした高度なコミュニケーションが愛知淑徳大学の都市環境デザインコース(現:建築・インテリアデザイン専攻)にはありました。そんな環境で揉まれることで、一回りも二回りも大きくなり、たくましくなったのだと思います。大学の4年間で培ったコミュニケーション力を強みに、これからもお客さまの笑顔をつくりだしていきたいと思います。