成長

2021年05月21日

建築士として、人の笑顔やまちの未来に貢献したい。

vol.66

現代社会学部 現代社会学科 都市環境デザインコース (現:創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻) OB【2007年度卒】

建築士としての原点は、大学時代の学び。

 興味があったものづくりを学びたいと考え、愛知淑徳大学 現代社会学部に入学しました。授業を受講していく中で関心が高まったのが「建築」です。2年次から都市環境デザインコースに進み、建築に関する学修に熱中していきました。建築の歴史をはじめ、設計に不可欠な敷地調査や製図、模型づくり、インテリアや色彩など、多くの知識・技術を身につけることができたと感じています。
 大学4年間で特に印象に残っているのは、東京のギャラリーで開催された建築展を愛知巡回展として学内で実施するというプロジェクトです。3年次に授業の一環として取り組み、私はリーダーを務めました。仲間と話し合いを重ねながら全体の進行管理をおこない、展覧会場の設計や施工、広報、会期中の運営などに力を注ぎました。自分だけで進めるのではなく、仲間一人ひとりの強みや持ち味を活かし、信頼して任せるという経験は、建築士として働く現在にも通じます。在学中から建築の現場に近い実践的な学びができたことは、とても恵まれていたと先生方に感謝しています。
 製図室に朝早くから行き、授業後も夜遅くまで設計に没頭したこと。ゼミの高橋敏郎先生の研究室に通い、建築談議や進路相談をしたこと。よりよい作品をつくろうと同じコースの仲間と刺激し合ったこと。そうした大学時代のすべてが、建築士である自分の原点だと感じています。

建築士として、人の笑顔やまちの未来に貢献したい。

建築士として、人の笑顔やまちの未来に貢献したい。

海外で感じたことを卒業制作で形にし、学内外で賞に輝く。

 人生の転機といえる経験ができたのも、大学時代でした。それは、3年次のスタディツアーや4年次の卒業制作でのことです。
 在学中は建築の学修や作品制作に励む傍ら、アルバイトや海外旅行などで多様な人と出会い、自分の世界を広げていました。3年次の春休みには、コミュニティ・コラボレーションセンター(CCC)を通して紹介していただいた、NPO法人 ACHAN JAPANのスタディツアーに参加。ベトナムとカンボジアを訪れ、ストリートチルドレンや肢体不自由児などの施設を見学しました。途上国の都市化と貧困という両極端の現実に衝撃を受けたことがきっかけで、世の中の課題の解決に役立つ建築を設計できないかと考え始めました。
 そこで卒業制作として、ベトナムの子どもたちのための施設を設計しました。学校と市場を融合させた建物を考案し、子どもたちが学び、手に職をつける場所であるとともに、商業施設や観光施設としての機能も持たせました。この作品は、学内の卒業制作展で優秀賞、全国の建築系大学の学生がめざす「せんだいデザインリーグ2008卒業設計日本一決定戦」で特別賞、東海地区卒業設計合同展で金賞をいただき、大きな喜びや達成感を得ました。建築の道に進む決意も固めることができ、卒業後は設計会社に就職。スタディツアーや卒業制作での経験が、本格的に建築士を志す後押しになりました。

■卒業制作でのプレゼンテーションの様子■

建築士として、人の笑顔やまちの未来に貢献したい。

建築士として、人の笑顔やまちの未来に貢献したい。

建築設計の専門性を活かして、人や地域に役立ちたい。

 組織事務所に就職し3年目に一級建築士を取得した後、独立を見据えてアトリエ系設計事務所に転職し、さらなる実務経験を積み重ねました。そして2015年に自分の設計事務所を設立。そこからの5年間で住宅や店舗を20件ほど手掛け、商店街の再生といった地域活性化プロジェクトにも建築士として取り組んでいます。その一つが、名古屋市内の商店街の空き店舗を改修して完成させた「ニシヤマナガヤ」です。私の設計事務所のほか、焼菓子屋、珈琲屋、花屋、レンタルスペースなどで構成される複合施設であり、"まちのリビング"として地域住民のコミュニケーションの場となるよう設計しました。ありがたいことに、ニシヤマナガヤは2020年度、第28回愛知まちなみ建築賞と第5回中部商空間賞銀賞を受賞。これを機に、商店街に注目が集まり、地域の賑わいにつながれば嬉しく思います。

■植村さんが設計した「ニシヤマナガヤ」■

建築士として、人の笑顔やまちの未来に貢献したい。

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建築士として、人の笑顔やまちの未来に貢献したい。

建築士として、人の笑顔やまちの未来に貢献したい。

建築士として、人の笑顔やまちの未来に貢献したい。

【ニシヤマナガヤ-NISHIYAMANAGAYA-】
https://nishiyamanagaya.com/

 また現在、複数の建築系の大学で非常勤講師も務めています。母校の後輩である学生たちとも連携し、商店街に人を呼び込むイベントも実施することができました。
 建築士として大切にしていることは、人とのご縁です。人との出会いを通して仕事を広げ、その一人ひとりの笑顔に貢献できる建築をつくりたいと常に考えています。建築による地域活性化をライフワークにしながら、今後も人々の生活やまちをよりよくするアイデアを形にします。

■植村康平建築設計事務所の設計事例■

建築士として、人の笑顔やまちの未来に貢献したい。

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【植村康平建築設計事務所】
http://uemura-arch.com