成長

2013年03月20日

ESSを通じて、社会に対する感性を磨きました。

vol.02

文学部 英文学科 OG

社会の動きをつかまえる

私が担当している「経済最前線」は、経済専門ニュースチャンネル。ビジネスの最前線に立つビジネスマンから、家計を切り盛りする主婦のみなさんまでくらしを支える全ての方に新鮮な情報をデイリーでお届けする番組です。記者やディレクターが現場で取材した情報を、見る方に分かりやすく伝えるのがキャスターの仕事。番組で、どんなコメントをするか。最適な言葉選びには時間を惜しまないよう心掛けています。時には、「こんな情報を伝えたい」と提案することもあり、そのために新聞各紙を読んだり、取材に出かけたり・・と情報の更新は欠かせません。

企業のトップにインタビューする機会なども多いのですが、第一線で活躍される方に直接お会いしてお話を伺うことは、どんな新聞記事よりも刺激になりますね。英文科出身で経済についてきちんと学んだことはありませんでしたので、この仕事を始めるにあたり、経済書をどっさり買い込んで勉強してはみましたが毎日の動きを注視し、変化を読み取ることこそ、経済を理解する近道なのでは、と今は実感しています。

――とは言いつつ、最初は私に務まるものかとドキドキでしたけどね(笑)

ESSとの出会い

キャスターという職業に関心を持つきっかけの一つとなったのは、大学時代所属したESS(English Speaking Society)の活動です。クラブでは、学内だけでなく学外の活動にも力を入れていて、名古屋大学や南山大学などを拠点に、好奇心旺盛な仲間にたくさん出会いました。マスコミに関心を持っている人も多く、彼らと出会ったことで「伝える」という今の仕事について、より真剣に考えるようになったのかもしれません。

私が所属していたディスカッションセクションでは、日米の通商問題や憲法9条についてなど、社会問題を議論のテーマにしていました。今、何が問題なのか、どうあるべきか――。一つ一つ自分なりに考え、ディスカッションすることで、社会について考える面白さを発見していったように思います。

大学卒業後は、念願のNHK名古屋放送局でニュースを担当。東海3県の夕方のニュース番組を3年間担当したあと、北陸静岡を含めた7県の情報番組にも携わりました。その後、東京で仕事をするチャンスにめぐり合い、縁あって「経済最前線」のキャスターを務めることになりました。月曜日から金曜日の夜の番組で、毎週金曜日には新商品や新技術をご紹介する「興味新々」というコーナーを担当し、取材リポートしています。

語学を、選ぶ

 英語のディスカッションに熱中した大学時代ですが、語学に興味を持ち始めたのは母の影響が大きかったと思います。母は、自宅で英語を教えていて、物心ついたころから英語は身近な存在でした。中学2年生の時、初めてアメリカでホームステイを経験。その後、高校時代には、1年間アメリカの高校に留学しました。大学でも英語を勉強したい、と英文学科などを志望していたわけです。大学3年次には、大野先生のゼミでアイルランド文学を学び、4年次には「ジョン・ミルトンの女性観」というテーマで英語の論文にチャレンジしました。ただ、あまり熱心な学生ではなかったかも(苦笑)。机に向かって英文学を勉強するより、ESSで仲間とディスカッションするほうが、私の性に合っていたようです。

大学に入るまでは受験勉強が大変ですが、入学後は"どう過ごすか"が大切。4年間の時間の使い方は、すべて自分に跳ね返ってくるような気がします。これから大学を志すみなさんには、お互いに刺激を与え合えるような「いい仲間」に出会える大学を選んで欲しいと思います。いい仲間に出会うことで、視野がどんどん広がりますから!私自身、大学時代の経験、そしてそれに続く社会での経験は、かけがえのない財産です。

学生の内は、意見が対立しようと本音で語り合い、納得の行くまで議論し合うことができます。でも、社会に出て組織に所属するとそれぞれ背負うものがあるだけに、なかなかそうは行きませんよね。 長いようで短い4年間、学生という自由な立場を思う存分活かして、悔いのない学生生活を是非エンジョイしてくださいね。