成長

2013年03月20日

好きなことをひたむきに追い続け、映像制作のプロへ。

vol.07

現代社会学部 現代社会学科 メディアプロデュースコース OB

映画好きの少年が、興味を追いかけて映像専攻へ

高校のころは大の映画ファンで、特にサスペンスにハマっていました。この学科を選んだ理由は、そんな映像への興味を追究したかったからです。
入学後は、勉強するほどに次々と新たな興味がわき、授業中に耳にした新しい用語を調べたり、レポートを書くための資料をあさったりするために、図書館に入り浸るようになりました。学校には数多くの専門書や映像資料があるので大いに活用しました。「大学では、高校までと違って自分から積極的に学ぶ姿勢が大切」とよく言われますが、本当に興味のあることを選べば、自発的に学びたくなるものですね。
数々の面白い授業のなかでも、所属ゼミの授業は特に印象的でした。元NHKプロデューサーの先生のもとで、実際に映像のワンシーンを流しながら制作手法を学ぶなど、実践的な研究には本当にワクワクしました。
4年生の学園祭ではゼミでプリクラ屋を出店しました。プリクラといってもただの顔写真ではなく、当時としては画期的な背景付きの合成写真です。ゼミで学んだ「クロマキー」という映像合成技術を使い、人物の全身と風景写真を合わせて、その人が空を飛んだり海外を旅したりといった写真を合成したのですが、これが大受け。プリクラ屋には大勢のお客さんが詰めかけてくれました。

現場で映像を創りたい! 厳しい世界にアルバイトで飛び込む。

 就職活動をスタートしたのは、3年生の1月です。広告代理店を受験し、数社から内定をいただくこともできました。けれど、実際の現場で映像制作をしたいという気持ちが日増しに強くなり、卒業を目前に控えた時期に思い切って進路を変更。映像制作会社の求人情報を探すことを決意し、幸いにも、すぐに映像制作会社に採用していただくことができました。
ただし、最初の1年はアルバイト扱いです。その後、契約社員、正社員と少しずつステップアップし、今ではテレビコマーシャルやビデオプロモーションの制作、そして企画演出まで幅広く手がけるようになりました。
「映像は東京が中心でしょう?」と聞かれることがありますが、実はそうでもありません。ローカルは予算が少ない分を企画でカバーするなど、かえって自由度が高い面もあって面白いですよ。
映像制作は厳しい世界で、短期間で辞めてしまう人も少なくありません。駆け出しのころは撮影場所を探したり荷物を運んだりと仕事内容は雑務ばかりで、勤務形態も不規則です。けれど、イチからモノを創り上げる喜びは、他の何物にも代えられませんよ。愛知淑徳大学の開学100周年記念のテレビコマーシャルや大学案内ビデオの仕事を請け負った時には、映像のイロハを教えてくれた母校の仕事をすることができて、とても感慨深かったです。

映画少年だった私ですが、今は純粋に楽しんで映画を見ることはできません。「どんなカメラで撮っているか」「どんなレンズを使っているか」「どんな演出を意図しているか」などと、どうしても創る側の視点で見てしまうためです。ただ、それは創り手にしか分からない醍醐味でもあります。映像に興味を持っている方は、映画やテレビを見る時も、ただストーリーだけを追うのではなく制作者側の視点で見てみると違った発見があって面白いですよ。そんな好奇心が、映像制作者への第一歩だと思います。

2007年6月 取材