成長
2013年03月20日
常に上をめざす姿勢を在学中に身につけ、今、夢に向かって世界一周の旅を続けています。

vol.17

在学中に感じた「変わりたい」という思いが、世界一周の旅に挑む原動力です。
愛知淑徳大学を卒業後、靴を取り扱う小売企業に就職し、さまざまな業務を経験しました。ショップの店長職にキャリアアップしてからは、商品の発注、店内レイアウトの考案、スタッフ育成などをおこない、目の回るような忙しさでしたが毎日がとても充実していました。そんな日々の中で芽生えたのは、「自分のお店を開きたい!」という強い思い。この大きな目標を実現するために、美的感覚やビジネス感覚を磨き、経営者としての能力を高めようと、思いきって飲食業に転職しました。そこで経験を積み、そして現在は、自分の人間性を深め、視野を広げるために世界一周の旅に出ています。
自分の可能性を狭めずにチャレンジし続ける姿勢が身についたのは、在学中の苦い経験がきっかけです。映像制作の授業でショートムービーをつくるという課題が出されたとき、なかなかテーマが浮かばず、自分には考えも意見もないのかと愕然としたこと。バスケットボール部の副キャプテンを務めたとき、練習メニューを上手く考えられなかったこと。そうした経験が重なって、「このままではいけない! 自分を変えたい!!」という熱い思いがわき上がりました。
そこで、自分と向き合い、思考力、行動力を身につけるために、3年生のときには名古屋から京都へ、就職活動を終えた4年生の夏には四国を、それぞれ自転車でひとり旅をしました。さまざまな人と出会い、自分の足で旅を進めた経験は、何事にも意欲的に挑む勇気とそれをやり遂げた自信になりました。友人や先生、家族の応援を受けながら、自分の弱い部分を認め、立ち向かう強さを得、前向きな考え方ができるようになったことが、愛知淑徳大学で学んだ一番の財産だと感じています。
「違い」を尊重しながらさまざまな人と交流し、夢をかなえる力を培っています。


世界一周の旅に出発したのは、2011年4月8日。その数日前に、在学中にゼミでお世話になった恩師・太田浩司先生に会いに行きました。「絶対に、自分の身を守ることを忘れないでください。そして何かあったらすぐに連絡すること。ネットワークを使って手助けできるはずだから」という太田先生の激励のお言葉は、出発前で緊張していた私の心を熱く奮い立たせてくださいました。
中国、ベトナム、カンボジア、タイ、ラオス、ネパール、インド、アラブ首長国連邦、ヨルダン、イスラエル、エジプト、ギリシャ、トルコ。約半年でこれだけの国々を訪れました。世界中の人たちやあらゆる文化にふれることを目標に、現地の生活スタイルに溶け込みながら旅を続けています。
また旅先で心がけているのは、「自分の物差しで物事を見ないこと」。宗教や文化、習慣も考え方も一人ひとり違うことを常に意識し、その違いを尊重して人とコミュニケーションをとっています。すると、さまざまな人と深く交流でき、自分自身の視野も大きく広がります。そのように自分の心を広く大きくして、五感をフルに使って世界を感じると、心奪われるような絶景、その国らしい独特のデザイン、見たこともない食べ物、ノスタルジックな街角のにおい、さまざまなものに出会えます。毎日が、驚きと、感動と、刺激の連続。それをブログに綴り、あたたかく送り出してくれた家族や友人、そして太田先生にリアルタイムで近況報告することも、旅で大切にしていることのひとつです。
学生や高校生の皆さんに、今一番伝えたいのは、学生時代はひとりの人間としての自分をつくる「材料集め」に最適な時期だということ。「材料」とは「経験」です。勉強、サークル、アルバイト、ボランティア、旅、なんでもいいからいろいろなことに挑戦して、経験を重ねてほしい。私も、今回の旅で体験した食文化や異文化コミュニケーションを材料として、自分のお店を開くという夢に向かって、大きく前進したいと思います。
北川尋千さんの世界一周ブログ『ひとりのり』
http://ameblo.jp/nori-rtw
2011年10月 取材
2012年4月、無事帰国しました!
愛知淑徳大学 星が丘キャンパスにて恩師・太田浩司先生と