成長

2013年03月20日

自分の人生を生きる。その決意を胸に、大学教員となった今も走り続けています。

vol.26

現代社会学部 現代社会学科 OG

ジェンダーの研究に熱中し、研究者・教育者の道へと前進。

 中学・高校時代にアメリカやカナダに留学した私は、異文化を肌で感じ、広い世界を知ったからこそ、大学では自国である日本の社会について深く学びたいと思っていました。高校を卒業するときに愛知淑徳大学に現代社会学部が新設されることを知り、希望通りの学びができそうだと感じて、第一期生として入学しました。
現代社会についてさまざまな角度から学び、幅広い知識や視野を身につけた大学時代。最も力を注いだのが、ジェンダーに関する研究や活動でした。ジェンダー女性学研究会を立ち上げて、テレビCMのジェンダーや戸籍制度の問題などについて調査し、仲間や社会人の方と学外での研究発表にも取り組みました。
また、障がいのある子や不登校の子どもたちのキャンプをサポートするボランティア活動にも励みました。そのとき、「なぜだろう?」と感じたのが、男の子は大勢で遊ぶのに対し、女の子は数人のグループにわかれて遊ぶといった、"仲間関係の性差"。その疑問をゼミでの卒業研究のテーマにして、"いじめの中のジェンダー"など発達心理学への関心も高め、もっと深く研究していきたいと考えるようになりました。
そして、大学院進学の準備を始めた頃、偶然手に取った学術書を読んで衝撃を受けました。子ども同士の人間関係の問題を解決するためには、社会的スキルの育成が重要だという内容を目にして、「私が研究したいのはこれだ!」と強く惹かれたのです。現代社会学部の先生方の支えのもと、がむしゃらに勉強して、社会的スキルトレーニングの研究をおこなっていた宮崎大学大学院への道を拓きました。さらに研究への熱は高まるばかりで、広島大学大学院で心理学の博士号を取得した後、日本学術振興会特別研究員SPDとして明治大学でも研究に熱中しました。

"とりあえず"ではなく、"今から"自分の人生を始めよう!


 社会的スキルを磨けば、人は変われる。自分らしい人生を歩むことができる。そう信じて、南九州大学で教鞭を執る今も研究を続け、社会的スキルトレーニングのプログラム開発に力を入れています。現在は、南九州大学 人間発達学部 子ども教育学科の講師として、保育士や幼稚園教諭、小学校教諭をめざす学生たちに発達心理学などを教えながら、"子どもの可能性を引き出す教育""保育者や教育者の役割"について共に考え深めています。学生たちへの指導で常に心がけているのは、「なぜ?」と問いかけ、思いを引き出すこと。厳しくもあたたかく指導してくださった愛知淑徳大学の先生方のように、一人ひとりの個性を受けとめ、伸ばしていきたいと考えています。現代社会学部の恩師・國信潤子先生は、在学中だけでなく、大学院時代にも新たな学びの機会を与えてくださいました。マレーシアでのリーダーシップ・デベロップメント・プログラムに誘ってくださったのです。成人教育に携わる世界各国の人々と交流し、向学心がさらに刺激されました。こうした成長のチャンスを、私も教員として学生たちに提供していきたいと考えています。
そして今、教え子たちや愛知淑徳大学で学ぶ後輩たち、これから入学する高校生の皆さんに伝えたいことは、"とりあえず"はやめよう、ということ。「とりあえず進学しよう」「とりあえず資格や免許を取ろう」ではなく、「私はどう生きたいのか?」を突き詰めて考え、自分とまっすぐに向き合ってほしい。"とりあえず"ではなく、"今から"あなたの人生をしっかり生きてほしい。そう願っています。在学中から真剣な選択や決断を重ね、自分の可能性を広げましょう!

2012年11月 取材