成長

2013年07月19日

大学生活を通して、 打ち込める何かに出会ってください。

vol.28

文学部 英文学科

大切なのは、相手を知りたいと思う気持ち。

今、テレビや新聞で「ダイバーシティ」という言葉を目にする機会が多くなっているのではないでしょうか。個性や違いを活かして、それを強みに変えていく。愛知淑徳大学の理念にも通じる言葉です。この言葉が持つ意味は、世界や社会があまりにもスピーディーに変化していて、先が見えにくい世の中において、強く生き抜くための重要な考え方だと思います。このことは、私がキャスターとして、ジャーナリストとして、約20年間メディアの世界でキャリアを積んできた中で感じたことでもあります。特に、NHKBS-1の「経済最前線」という番組では、100人以上の経営者の方にインタビューしました。この番組は月曜日から金曜日まで毎日放送されるデイリーの番組です。経済ニュースを伝える番組で、社会や政治はもちろん、世の中の空気などを敏感に感じ、情報を常に更新させて、インタビューに反映させなくてはいけません。「今」をしっかりと捉えて、インタビューに盛り込む。そのため、毎日が勉強の日々でした。また、インタビューの基本は、相手を知ることです。取材前は、必ず自分なりに相手のバックボーンを調べて、「この人はどんな人なんだろう」と想像をふくらませていました。相手の立場になって考え、その人のことを知りたいと強く思うことはコミュニケーションの基本だと思います。大学時代にディスカッションに熱中し、相手の意見をしっかりと受け止め、その上で自分の思いをどうすれば正しく伝えられるかを考え抜いたことが、基盤となっています。

覚悟を決めることは、自分に大きな力を与えてくれる。


 2008年からはBS-TBSの「女子才彩」という番組を担当し、女性たちの活躍を伝えてきました。鵜飼、ロケット発射指揮官、鷹匠、樹木医など、言葉を聞いただけでは、「そんな仕事もあるんだ」と驚いてしまうような、専門性の高い仕事に就いている女性たちも多くいます。仕事の内容はさまざまですが、自分の選んだ道を精一杯生きている女性たちには、共通点も感じられます。それは「ぶれない」こと。きっと、彼女たちが自分のやりたいことをしっかりと見つめ、考え続けてきたから、自分の価値観や軸をしっかりと持つことができているのだと思います。私自身、そんな彼女たちに出会い、多くのことを学びました。これからも、周りの人から多くの刺激を受け、それを学びに変えて、成長していきたいと思います。私は、取材者として発信者として、人々が社会の中で生きやすい情報を発信していくことが使命だと思っています。ダメだったら、別の方法でトライしてみればいい。これも多くの人に出会って学んだことのひとつです。私は就職活動を経て、契約キャスターという仕事のスタイルを選びました。毎年契約が更新され、もしかしたら来年はお仕事ができないかもしれない。だからこそ後悔はしたくない、目の前の仕事に常に全力を尽くそうと、働き方を選ぶときに決意しました。覚悟を決めることはどんな仕事でも大切なことです。決意することは、自分に大きな力を与えてくれます。大学4年間は限られた時間ですが、何かひとつでもいいから、大きな決意のもと、打ち込める何かに出会って欲しいと思います。きっと、その経験は自分のかけがえのない財産になるはずです。

2013年6月 取材