交流

2021年08月04日

ジェンダー・女性学研究所 ジェンダー座談会

ジェンダー・女性学研究所 ジェンダー座談会

2021年6月10日(木) 長久手キャンパス ジェンダー・女性学研究所

中学生と本学の教員が「女性の働き方」について考える座談会を実施。
自らの将来も見つめながらジェンダーについて意見を交わしました。

 2021年6月10日(木)、長久手キャンパスのジェンダー・女性学研究所にて、愛知教育大学附属中学岡崎中学校2年生の生徒3名と、所長の坂田陽子先生、心理学部の久保南海子先生による座談会が開催されました。
 ジェンダー・女性学研究所は、「女らしさ・男らしさ」「女性の役割・男性の役割」といった社会的・文化的に作り上げられた「性差」や、「人権侵害」について研究し、研究成果の発信や教育現場への還元をおこなっている研究施設です。近年では、学生たちもジェンダーや人権をテーマにした活動に参加しており、活発な意見交換などがなされています。
 この研究所に、愛知教育大学附属中学岡崎中学校の生徒が訪問。家庭科の授業の一環で、ジェンダーについて学んだことがきっかけで、「専門家に話を聞こう」と、今回の座談会が実施される運びとなりました。

ジェンダー・女性学研究所 ジェンダー座談会

ジェンダー・女性学研究所 ジェンダー座談会

 座談会は、愛知教育大学附属中学岡崎中学校の生徒が坂田先生、久保先生に質問を投げかける形で進行。「私たちは、日本のライフスタイルにあった働き方を調べています」と前置きした後、今までのリサーチを基に、さまざまな角度から疑問をぶつけました。「女性の非正規雇用が増えていますが、働き方に対する女性の考え方が多様化しているのでしょうか?」という質問に対しては、久保先生が働き始める大学生の90%以上が正規雇用を希望しているという事実を示した後、「女性が本当に非正規雇用を求めているのか、それとも仕方なく非正規雇用として働いているのか、そのあたりをもう一度検討する必要があるかもしれませんね」と新たな着眼点を授けました。

 さらに話は、職業観について発展。坂田先生から「皆さんは将来、何になりたいのですか?」と問いかけられた生徒は、「公務員」「経営者」「子育てをがんばりたい」と三者三様に回答。その回答に対し、「共働きの場合でも、子どもは親が働いていて家にいないことに対して、"10%ぐらいしかさみしいと思っていない"というデータもあります」「いくつもの研究がありますが、最近では"個人差を超えた男女差はない"とされています」といくつかの研究結果を引き合いに出しながら、先生方は「個性を性別の枠で考えるべきではない」と伝えました。そのうえで、「女性も自ら制限を設けることなく、自由に挑戦してみてほしい」とメッセージ。「ジェンダーバイアスを取り除くのも、若い世代のみなさん、一人ひとりですよ」と力強く語り、未来を担う中学生にエールを贈りました。

ジェンダー・女性学研究所 ジェンダー座談会

 今回の座談会では、ジェンダーに関する知識はもちろん、参加した中学生にとって、自らの将来や価値観について考えるきっかけになりました。本学ではこのように、ジェンダー・女性学研究所をはじめ、さまざまな学部や機関が積極的に社会と関わり、大学の知見を発信することで、地域社会の発展に貢献していきます。